セリエA第13節が25日に行われ、ミランフィオレンティーナが対戦した。

 ミランは今季のセリエA開幕から8試合を7勝1敗と無敗で駆け抜けたものの、第9節でユヴェントスに0-1で敗れると、現在は4試合白星から見放されている。“死の組”に入ったチャンピオンズリーグ(CL)では第4節パリ・サンジェルマン戦で待望の初白星を飾ったものの、国内ではやや調子を崩している。インターナショナルマッチウィーク明けの今節はホームにフィオレンティーナを迎える。フィオレンティーナはここまで6勝2分4敗の成績で6位につけており、今節勝利すれば3位ミランと勝ち点で並ぶことができる。さらなる上位進出のために白星を飾りたい一戦だ。

 ミランはテオ・エルナンデス、タイアニ・ラインデルス、サムエル・チュクウェゼらがスターティングメンバーに並んだ。オリヴィエ・ジルーが出場停止、ノア・オカフォーが負傷中のため、最前線にはルカ・ヨヴィッチが入っている。ケガの影響でラファエルレオンはメンバー外となったが、クリスティアン・プリシッチはスタメンに戻ってきた。一方、フィオレンティーナはジャコモ・ボナヴェントゥーラ、アルトゥール、ニコラス・ゴンサレスらが先発に名を連ねた。

 試合は拮抗した構図で進んでいく。23分にはミランにチャンス。敵陣右サイドでGKマイク・メニャンからのロングフィードを受けたダヴィデ・カラブリアが中央へ繋ぐも、中央で待っていたユヌス・ムサはボールを収められない。それでも、セカンドボールを拾ったプリシッチがペナルティエリア手前から右足一閃。強烈な右足シュートは枠を捉えたが、GKピエトロ・テラッチアーノに阻まれた。

 対するフィオレンティーナは40分、敵陣でボールを奪ったところからルーカスマルティネス・クアルタ、アルフレッドダンカンを経由してN・ゴンサレスにボールが渡る。ペナルティエリア手前右寄りの位置からカーブがかかった一撃を狙ったが、シュートはわずかに落ちきらず、枠を外れた。

 このままスコアレスでハーフタイム突入かと思われた前半アディショナルタイムには再びミランが反撃へ。敵陣中央でルーズボールを拾ったヨヴィッチがダイレクトで叩くと、中央のスペースにテオが侵入。ペナルティエリアに入ったところでファビアーノ・パリージに倒され、ミランにPKが与えられた。このPKをテオ自身が落ち着いて沈め、ミランが先手を取って前半を終えた。

 後半に入るとフィオレンティーナが前に出る時間が続く。N・ゴンサレスルーカス・ベルトラン、ボナヴェントゥーラを中心にゴールに迫るシーンを作るものの、なかなかこじ開けることはできない。62分には前線でボールを収めたベルトランが落とすと、パリージはペナルティエリア右へ繋ぐ。パスを受けたN・ゴンサレスが縦への突破から右足を振り抜くと、シュートはディフレクションしてポストに弾かれた。

 後半のミランは防戦一方となったものの、75分には大きなチャンスが到来。ペナルティエリア手前中央で前を向いたテオからのスルーパスにヨヴィッチが反応。GKと1対1のチャンスを迎えたが、シュートはGKテラッチアーノに弾き出された。

 ミランは83分にヨヴィッチを下げて、現在プリマヴェーラ(U-19相当)を主戦場としているフランチェスコ・カマルダをピッチへ送り出す。データサイト『Opta』によると、カマルダは15歳と260日でのセリエAデビュー。ボローニャのウィズダム・アメイが保持していた15歳274日というリーグの最年少記録を塗り替えた。

 終盤にはフィオレンティーナがゴール前に人数を増やして猛攻に出たが、最後の最後までGKメニャンの牙城を崩すことはできない。試合はこのままタイムアップを迎えた。ミランセリエAで5試合ぶりの白星を飾っている。フィオレンティーナは今季3度目の2連勝とはならなかった。

 次週はヨーロッパのカップ戦が組み込まれており、CL参戦中のミランは28日にドルトムントと、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)を戦うフィオレンティーナは30日にヘンクと、それぞれホームで対戦。その後次節のセリエAが開催され、ミラン12月2日にフロジノーネを、フィオレンティーナは3日にサレルニターナを、同じくホームに迎える予定だ。

【スコア】
ミラン 1-0 フィオレンティーナ

【得点者】
1-0 45+2分 テオ・エルナンデス(PK/ミラン

PKで決勝弾を決めたテオ・エルナンデス(左) [写真]=Getty Images