ドイツ人のフェリックス・ブリッヒ主審が記念すべき試合で負傷交代を余儀なくされる事態となった。25日、ブンデスリーガ公式サイトが伝えている。

 ブンデスリーガ第12節が25日に行われ、シュトゥットガルトフランクフルトが対戦し、試合は2-1でシュトゥットガルトが勝利を収めた。なお、シュトゥットガルト所属の伊藤洋輝は3バックの左でフル出場。原口元気フランクフルト所属の長谷部誠はベンチに入っていたものの、出番はなかった。

 この試合の主審を務めた48歳のブリッヒ氏はこの試合がブンデスリーガ344試合目の主審担当となり、ヴォルフガング・シュタルク氏の同リーグ最多記録に並ぶこととなった。しかし、試合中に右ひざを痛めたブリッヒ氏は32分頃にフランクフルト側のベンチで応急処置を受ける事態に。テーピングを巻いて前半は笛を吹き続けたものの、後半開始と同時に第4審判を務めていたパトリック・シュベンガース氏との主審交代を余儀なくされた。なお、シュベンガース氏はこれがブンデスリーガで初の主審担当となった。

 試合前にブリッヒ氏は「私の長い審判人生を示すものなので、それをとても誇りに思う」とブンデスリーガ最多記録に並ぶことへの喜びを口にしていたが、試合後には「今日こんなことはありえないと思った。でも、前屈みになったらひざの状態がよくないことに気づいた」と語り、次のように続けた。

「仕方がない。これが人生だ。記録には満足している一方で、今は少し落ち込んでもいる。どのようなものかあとで見ることになる。お祝いをありがとう」

 なお、ドイツメディア『スカイスポーツ』やドイツ紙『ビルト』などでは、ブリッヒ氏が右ひざの前十字じん帯を断裂した可能性が伝えられており、長期離脱となることが浮上していることから、同氏がブンデスリーガ記録を更新するのはしばらく先のことになりそうだ。

負傷交代となったブリッヒ主審 [写真]=Getty Images