原作者・水木しげるの生誕100周年記念作品として映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎が公開されるなど、注目を集めるアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。映画のベースにもなる6期は、ファンから「怖いエピソードが多い」と言われるシリーズです。今回はそんな6期のトラウマエピソードをピックアップしてみました。

※記事の性質上、ストーリーに触れています。

Blu-ray BOX『ゲゲゲの鬼太郎』1巻(Happinet)

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第ブラック企業で働く人間の末路。第7話「幽霊電車」

ファンからの6期への評価として多いのが、「妖怪と風刺を織り交ぜた“ゾッとする話”が多い」という意見。たとえばゆうれい電車」はアニメ『鬼太郎』の定番エピソードですが、6期ではアニメオリジナルの展開としてブラック企業への風刺が反映されています。

第7話「幽霊電車」では部下へのパワハラや暴力を日常的におこなっていたとある企業の社長が、不思議な臨時列車に乗ることに。しかしその列車は、実は地獄行きの幽霊電車。一緒に電車に乗り込んだ部下もパワハラを苦に自殺した彼の部下でした。

最終的に社長は彼が原因で自殺した大勢の部下たちに地獄へ引きずり込まれていくのですが、社長が途中まで自分が電車に轢かれて死んだことに気がついていないのも皮肉なところ。「地獄に行きたくない」「助けてくれ」と懇願する社長を、鬼太郎があっさり見捨てるシーンも印象的です。

さらにこのエピソード、実は社長が電車に轢かれる場面を偶然スマホで撮っていた少女が。少女は恐怖から鬼太郎に相談するのですが、実はこの少女にも裏の顔があり――とさらなる展開を見せ、最後まで油断できないエピソードです。

SNSの拡散が招いた地獄。第47話「赤子さらいの姑獲鳥」

第47話「赤子さらいの姑獲鳥」48話「絶望と漆黒の虚無」ではSNSに振り回される人々や妖怪の姿が描かれています。SNSをきっかけに人間の人気者になった妖怪ですが、同じくSNSで拡散された誤った情報によりその認識は逆転。妖怪が人間に迫害されるようになってしまいます。

また敵の策略によりヒロインの少女・まなが、ねこ娘を特殊な力で消滅させてしまう事態に。その映像も拡散されてしまい、妖怪と人間の対立は激化。その結果、すべてを虚無に引きずり込む“名無し”という化け物の暴走まで始まってしまいました。

これには「なんだこのマジで怖い話……」「まなちゃんがSNSとか周りの人間から知らず知らずのうちに影響受けてるのもリアルで嫌」「こんなの子どもはもちろん大人もトラウマだよ」といった声が。わかりやすい“妖怪の怖さ”ではなく現代社会の問題点を組み込んだ、今風のトラウマエピソードとなっています。

人間の身体がドロドロに…。第70話「霊障 足跡の怪」

もちろん妖怪の怖さを真正面から描いたエピソードも。第70話「霊障 足跡の怪」では、タイタンボウという氏神による祟りの様子が描かれています。町の住人以外が入ると祟りが起きるという山によそ者の青年2人が無遠慮に立ち入り、山に祀られた御霊石を破壊。欠片を持って帰りますが、その結果祟りを受けることになりました。

腐ったように体が黒ずみ崩れ落ちていく描写は、ゾッとするもの。2人のうち1人は、赤黒いドロドロとした液体になって消えてしまいます。またもう1人は目玉が崩れ落ちた顔で、山の中にいるおぞましい何かに引きずり込まれるという結末に。

ほかにも「山じじいが小さい頃に本で見たトラウマフェイスのままだった」「25話のくびれ鬼の話はマジヤバい。自殺に追い込む妖怪とか怖すぎるでしょ」といった声も上がっていました。現代社会を風刺した、心底ゾッとするような話が多い『ゲゲゲの鬼太郎』6期。映画ではどのようなエピソードが描かれるのでしょうか。

 

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