自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(@cocomi_3)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

【漫画】本編を読む

~~~

【書籍より引用】

幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。

ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。

~~~

人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は、物事を決めることにこだわらずに、自分にとってちょうどいい塩梅を考えていくことが大切では?というお話です。

■大人になって思うこと

大人は子供時代に比べると自由です。どんな選択肢でも、選ぼうと思えばなんだって選べます。

そのはずなのに、あまり自由だと感じられないのは、きっと自分の心の中に積み重なった世間の声があるからなのでしょう。

私たちは大人になっていく過程で、いろいろな経験をして知識を身につけます。「社会の中」の1人の人間として大切にしなければいけない考えや、「自分」にとって大切な考えなどが作られていきます。

その結果、なにかを決める時にたくさんの選択肢が浮かび上がるようになり、選ぶのが難しくなったような気がするのです。

「自己中心的ではダメだけど、自分軸を持たなくちゃ」

「空気を読まないといけないけど、個性的でなくちゃ」

このような、両端にあって、でもどちらも大事なような2つの考えがあり、どちらを選べばいいのかと混乱してしまうことがよくあります。

今になって思うのは、どちらかだけを選ぶ必要はないんだなということ。「人の目を気にせず私は私らしくいる!」という人も魅力的ですが、誰もがそうならなきゃいけない訳ではない。「人の目を気にしてしまうタイプだけど、その部分も含めた私の個性を大事にしたい」という方が、私には合っているようです。

自分の中に両端の考えがあるときに、「どちらかを決めること」にこだわることなく、自分にとってちょうどいい塩梅を、その都度考えていくことが大切なのだと思います。

私は基本的に人に相談するより自分で考えることを好むタイプなのですが、それがいき過ぎると、考えることにうっかり何日も費やしてしまいます。

結局1人では答えが出ず、意を決して誰かに聞いてみたらあっさりと解決した。という経験が今までに何度もありました。自力で解決しようとするのも、人に聞くのも、きっとどちらも大事で、どちらかに偏りすぎないことが大事。どちらかに偏ると、視野が狭くなってしまうのだと思います。

心は振り子のようなもので、自分という軸はありつつも、考えや価値観はあっちにいったりこっちにいったり。それでいいのだと思います。

穏やかでひっそりとした暮らしがしたい。でも時々新しい刺激的な場所へもいきたい。人と繋がっていたいし、1人の時間も大切にしたい。話すより書いて伝える方が好き、でも書くより話したい時もある。

心の中ではさまざまな気持ちがせめぎ合っています。簡単なことではないけれど、1つ1つの気持ちと向き合っていけば、きっと自分で納得のいく人生が歩めるんじゃないかと思うのです。可能性を狭めないためにも、道を決めすぎず、柔軟でありたいな。

「大人になって思うこと」より