2023年11月24日午後8時15分頃、東海道新幹線の東京発新大阪行き『ひかり657号』の車内で、不審物が発見されました。

この時の対応が、ネット上で議論を巻き起こしています。

不審物への対応が慎重すぎる?批判に反論続出

騒動の当日、「液体の入った不審なポリ袋がある」と、愛知県豊橋市にある豊橋駅の駅員から110番通報があり、乗客が一時避難する事態に。

JR東海によると、東京と米原間での運転を一時見合わせたことから、上下計66本が最大1時間25分遅れ、約5万1千人に影響したそうです。

県警豊橋署によると、白いポリ袋に入った状態で乗降ドア付近に落ちていたのは、食べ終わった弁当箱などのゴミとのこと。

大事ではなく多くの関係者が安心したでしょう。しかし、一連の対応に対し、一部から「見たらゴミって分かるだろう」「大げさな…新幹線を止めて避難するほどのことじゃない。遅延は迷惑だ」などの声が上がったのです。

過去の『地下鉄サリン事件』の教訓

この批判に対し、ネット上では反論が噴出。誰しもが、次のように注意喚起をしました。

「『地下鉄サリン事件』は『サリン』入りのビニール袋だった」

地下鉄サリン事件』とは、1995年に発生した無差別化学テロのこと。

通勤時間帯、地下鉄3路線に猛毒の神経ガス『サリン』が散布され、14人が死亡、6千人以上が重軽傷を負いました。

サリン』入りのビニール袋を床に置き、傘で突き刺して破る手法だったことを、現在でも多くの人が記憶しているようです。

同様の事件を想起した人たちからは、このようなコメントが相次ぎました。

・事件を知らない、若い人が増えたのでしょうか…。

・何かが入ったビニール袋は十分に怪しい。結果的にゴミだったとしても正しい対応だよ。

・生死を分ける判断。ただのゴミに見えても、近付いたり触ったりしてはいけません。

・『サリン』以外の危険ももちろんあります。どんな形で危険物が仕掛けられているかは分からないので、警戒するのが一番!

時代とともに、テロの手法は変化をしていきます。

周囲への迷惑を考えて通報を控え、万が一があったら、多くの人命が失われることでしょう。

警戒する重要性を再認識し、対処に当たる人々には感謝の心を持ちたいですね。


[文・構成/grape編集部]

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