マンチェスター・Uで戦力になり切れずにいるアントニー(右)。この若武者と三笘との比較論が話題となった。(C)Getty Images

 エリク・テン・ハーフ政権で2年目を迎えたマンチェスター・ユナイテッドオランダ指揮官の下で国内での覇権奪回を目指す名門だが、その道のりは険しい。

 プレミアリーグでは、首位に立つアーセナルとは勝点6差の6位と後退。逆転優勝の可能性こそ残しているとはいえ、豊富なタレント陣が高機能を見せるガナーズ(アーセナルの愛称)のチーム状況を見ても、数字以上の差が開いている感は否めない。

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 10年ぶりのリーグ制覇に向け、前途多難なレッドデビルズ(マンチェスター・Uの愛称)にあって、何かと批判のやり玉に挙げられるのが、ブラジル代表FWのアントニーだ。

 現在23歳のテクニシャンは、22年8月に恩師であるテン・ハーフを追うようにアヤックスから移籍金8600万ポンド(約160億8200万円)で加入。多彩なドリブルで攻撃の起点となる活躍が期待されたが、1年目は25試合で4ゴール、2アシストと乏しい結果に終始した。

 名誉挽回の期待が懸かった今季だったが、開幕前に元恋人へのDV疑惑などプライベートでの騒動が絶えず……。ここまで公式戦12試合で0ゴールと戦力になり切れていない。ピッチ外で抱えた問題の影響からプレーの精彩を欠いている状況だ。

 投資に見合うだけの結果を残せていないアントニーには、容赦のない批判の声が飛んでいる。元イングランド代表FWで、マンチェスター・Uの伝説的OBでもあるアンディ・コールは、英ブックメーカー『Betfred』で「もしも、私がアントニープレーしていたら、おそらく気が狂ってしまうだろうね。ストライカーにはクロスボールが必要なんだ。それなのに彼のようにサイドをえぐってクロスをしない選手と一緒にプレーしたらイラつくよ」と持論を展開している。

 さらに「何がアントニーの強みなのかを自問しなければいけない時がある。ドリブル突破もしなければ、チャンスメイクもしない。さらにゴールも決めない。じゃあ、彼の強みは何なんだ?」と訴えるコールは、プレミアリーグで異彩を放つ日本人アタッカーを引き合いに、ブラジル代表FWを糾弾した。

「我々(マンチェスター・U)は、彼を獲得するのに大金を投じた。一方でブライトンのようなクラブは、カオル・ミトマをわずか270万ポンド(約5億490万円)で獲得している。我々がアントニーに8600万ポンド(約160億8200万円)を支払っているのにね。ユナイテッドは彼らと同じ市場で買い物をしていないのかと問わないといけない。我々のこの10年間の移籍を見れば、他のクラブならもっと安く買えたであろう選手に、馬鹿げた金をつぎ込んでいる」

 クラブのレジェンドから、ブライトンで異彩を放つ三笘薫と比較され、皮肉られたアントニー。彼は強まり続ける周囲からの逆風を跳ね返せるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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