医療機関を利用する際は、「かかりつけ医」を持つことが大事だといわれます。かかりつけ医がいれば、病気になったり、健康上の不安を感じたりしたときなどにすぐに相談することができます。

 ところで、かかりつけ医と同様、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」を持つことはできるのでしょうか。その場合、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか。薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

副作用などのリスクに対応しやすい

Q.そもそも、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」を持つことはできるのでしょうか。

真部さん「あまり知られていないかもしれませんが、医療機関などと同様、薬局・薬剤師のかかりつけは可能です。その際、患者が自由に薬局や薬剤師を選ぶことができます。

かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師を指定するには、お願いしたい薬局・薬剤師の元に行き、同意書に関する説明を受けたり、同意書の内容を確認したりする必要があるほか、署名などの手続きが必要です」

Q.では、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師を持つと、患者、薬剤師にそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。

真部さん「担当の薬剤師が薬を調剤することで、長いスパンで患者の健康状態の把握や管理ができるという点がメリットです。副作用や健康状態はさまざまな理由や要因が折り重なっていることが多いため、『薬が合っているのか』『副作用はないか』といった複合的なリスクへの対応もしやすくなるでしょう。

緊急で対応してもらいたいことがある場合、薬局の開局時間以外でも、かかりつけ薬剤師に電話やチャットなどで対応してもらうことが可能です。必要に応じて、医師に連絡してフィードバックをしてもらったり、薬の変更をしてもらったりといったサポートをスムーズに受けることができます」

Q.かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師を持った場合、費用がかかるのでしょうか。

真部さん「かかりつけ薬局を指定する際は、別途費用がかかることはありません。一方、薬剤師を指定すると、処方箋の薬を調剤してもらう際に『かかりつけ薬剤師指導料』という負担金がかかります。

金額としては、3割負担で 60 円から 100 円程度になるかと思います。ただし、調剤ではなく、相談のみの場合などは費用が一切かかりません」

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 薬局は、患者に説明をして薬を渡すだけの場所ではありません。日頃からよく行く薬局がある場合、かかりつけ薬局として指定すれば、困ったときに心強い存在となることでしょう。

オトナンサー編集部

かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師を持つメリットは?