詳細画像はこちら

美しい高性能オフローダー

ジャガーに長年勤めた高名な自動車デザイナー、イアンカラム氏率いるデザイン会社が「世界で最も美しい高性能マルチテレインビークル」と謳う電動オフローダー、スカイ(Skye)を発表した。

【画像】英国を代表する世界的デザイナー【イアン・カラム氏が手掛けた代表的なモデルを写真で見る】 全87枚

カラム氏は2019年のジャガー退任後、自身の名を冠したカラム(CALLUM)という会社を設立した。スカイカラム社初の自社ブランド車であり、設計とエンジニアリングはすべて社内で行われる。来年春にはプロトタイプが走り出す予定だ。

詳細画像はこちら
カラムスカイ    カラム

スカイは2基の電気モーターを搭載する、四輪駆動の2ドアSUVである。全長4.0m強、全幅1.9mと、ボディサイズはハッチバックのルノークリオに近いコンパクトなものだ。

大胆なフォルムは、その実力から生まれたものだという。ドア開口部を囲む力強い「アクセントループ」を中心としており、フラットなボディ構造に2枚の大型ドアを取り付ける。ドアの下部もガラス張りとなっている。4人乗りで、後部座席に2人分のスペースがある。

デザインを主導したのはイアンカラム氏だが、作業の大部分はデジタルモデラーのアレック・ジョーンズ氏と、5名のサポートデザイングループによるものだという。現在、カラム社のスタッフは総勢20名を超えるが、イアンカラム氏は常に「小規模で機敏」な組織を目指している。

先進的な急速充電バッテリーも搭載か

スカイは、イアンカラム氏が手掛けた2001年のアストン マーティンヴァンキッシュや、独立後に引き受けた共同プロジェクトなど、さまざまなプログラムからデザインのインスピレーションを得ているという。

彼だけでなく、マネージング・ディレクターのデビッド・フェアベアン氏やエンジニアリング責任者のアダム・ドンフランチェスコ氏など、カラム社の主要メンバーには実績豊富な人材が揃う。

詳細画像はこちら
カラムスカイ    カラム

スカイは、0-100km/h加速4.0秒以下、比較的小型の42kWhバッテリーによる約270kmの航続距離を謳っている。パワートレインの仕様詳細は未公表だが、複数のサプライヤーを検討中と見られる。

シャシーは頑丈なスチール製スペースフレームで、十分な最低地上高とサスペンション可動域を持ち、複合材ボディを支える。オフロード走行においても快適性を重視し、エンジン車よりも静かで洗練された走りを目指している。しかし、ユーザーの要望によっては「無骨」なバージョンが作られる可能性もある。

また、超急速充電が可能なバッテリー(空の状態から満充電までわずか10分)も導入される可能性が高い。詳細は不明だが、カラム社が提携している英国のバッテリーメーカー、ナイオボルト社の軽量かつ長寿命、超急速充電を実現するリチウムイオンバッテリーが有力候補として考えられる。両社は最近、この先進バッテリー技術を実証するため、初代ロータスエリーゼをベースとするプロトタイプを発表している。

カラム社は、スカイの開発が計画通りに進めば、50台を生産したいと考えている。価格は未定だが、目標として約10万ポンド(約1880万円)を目指しているようだ。

デザイナー、イアン・カラム氏とのQ&A

――最初の自社ブランド製品としてスポーツカーは検討しましたか?

「検討はしたのですが、少しありきたりだと判断しました。わたし達の多才な能力を示すようなもの、そして、あらゆる種類のクルマを扱っていることを示すようなものに落ち着きました」

詳細画像はこちら
デザイナ会社「カラム」の指揮を執るイアンカラム

――スカイは何台作るのですか?

「もちろん需要次第ですが、数百台規模ではなく数十台になるでしょう。最初のプロトタイプは自分たちで資金を調達しているので、世に送り出すまでには4、5か月のハードワークが待っています」

――今後も自社製品を作っていくのですか?

「そのつもりです。わたし達は、他のブランドの代理店になりたいとは思っていません。わたし達は、特別なディテールデザインを施した、シンプルでありながら美しいクルマに仕上げることができるのです」

――次はもっと台数を増やしますか?

「そのような決断を下すまでにはやることがたくさんありますが、もしうまくいけば、1000台単位で自分たちのクルマを作ることも考えられます。デビッド(・フェアベアン氏)とアダム(・ドンフランチェスコ氏)とわたしは、このクルマ作りを何年間も一緒にやってきた。できないことではありません。わたし達は自分の能力を知っているつもりです」

――EVは重いのが普通です。どうやって重量を抑えているのですか?

「わたし達が提示したのは目標値ですが、設計をシンプルにし、すべての部品の重量を綿密にコントロールすることで、目標に近づけることができると確信しています。スカイはシンプルで美しいマシンになるでしょう。モットーは “最小の質量、最大の能力” です」


■EVの記事
絵に描いたような美しさ 限定生産の電動オフローダー 全長4.0m強、超急速充電も実現へ
電動サルーンの「新基準」 フォルクスワーゲンID.7へ試乗 286psで約600kmを実現
凛とした電動ステーションワゴン 1500L超の大容量トランク、実用EVが新登場
新型ジュークEV登場? 日産の大胆スタイルSUV「ハイパーパンク」が市販車に

絵に描いたような美しさ 限定生産の電動オフローダー 全長4.0m強、超急速充電も実現へ