多彩なボールで打者を翻弄する大谷。そのなかでもスプリットは「伝家の宝刀」と言える切れ味を誇る。(C)Getty Images

 今オフにエンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平。彼のあらゆる側面が脚光を浴びるなか、「投手」としての実力が改めて評価されている。

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 クローズアップされたのは、数多の強打者たちを翻弄してきた魔球だ。MLB公式サイトのデビッドアドラー記者は「このオフのFA市場で最高の球種はこれだ」と銘打った特集記事を掲載。そのなかで大谷のスプリットを紹介した。

 今年8月に右肘側副靭帯を損傷し、肘にメスを入れた大谷は、来季は打者に専念。登板は少なくとも1年間はお預けとなる見込みだ。それでもアドラー記者は「オオタニのスプリッターはメジャーで投げた初日から野球界で最も厄介なボールの一つだった。投手としての彼の復帰が25年になるとも、依然として野球界で最もえぐい球種の一つだろう」と強調する。

 では、実際に大谷のスプリットはどれだけ“えぐい”のか。その凄まじさを何よりも物語るのは圧倒的な被打率の低さだ。メジャーでの6年間でのそれはわずかに.103。さらに空振り率は50%を記録し、実に対峙した348打席で198奪三振をマーク。これだけで図抜けた球種であるかが分かる。

 まさに「魔球」だ。アドラー記者は「球速80マイル台後半から90マイル台前半(約147キロ~約150キロ)で投げるオオタニのスプリットは全てを一掃するようなボールだ」と強調。そして「まるで台から物が落ちるように下降動作をし、三振を奪える投球の中でも最高の球の一つ」と褒めちぎっている。

 エンゼルスで正捕手を務めたマックス・スタッシが「ショウヘイのスプリットは僕がこれまで捕球した中でベストだ」と言ってのけるほどの威力を誇る大谷の“魔球”。右肘のリハビリを経て、伝家の宝刀がふたたび牙をむくかに興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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