日本大学アメリカンフットボール部の違法薬物事件をめぐり、警視庁11月27日東京都内の売人から大麻などを譲り受けていたとして、3年生の男子部員を新たに逮捕した。同事件での部員の逮捕は、これで都合3人目となった。

 そんな中、日本大学の沢田康広副学長が同日、林真理子理事長に対して、総額1000万円の損害賠償を求める「パワハラ訴訟」を東京地裁に起こした。

 訴状などによると、沢田副学長は違法薬物事件に関する今年8月の記者会見以降、林理事長から「ほぼ全ての主要な会議への出席が禁止された」「全ての責任があたかも自分にあるかのような印象操作をされた」「その結果、弁明の機会を奪われた」などとして、林理事長による一連の行為は「パワハラ」に該当すると主張している。

 違法薬物事件に対する対応を調査、検証してきた第三者委員会は、沢田副学長がアメフト部の寮で大麻と思われる植物片を発見した後、12日間も警視庁への通報をせずに植物片を保管していたことが、大学の信用失墜を招いた最大の要因であると指摘。同時に、林理事長と酒井健夫学長によるガバナンス(組織統治)も機能していなかったと断罪していた。

 これらの指摘を受け、日本大学の理事会は11月22日、酒井学長と沢田副学長に対しては辞任、林理事長には報酬50%カットを勧告した。いずれも理事会の勧告を受け入れることを了承する中、林理事長に対して、いわば「最後っ屁」をブチかましたのが、今回の沢田副学長によるパワハラ提訴だったのである。

 いまだ違法薬物事件での逮捕が続く中での、仁義なき内部抗争。評議員を務めたこともある日大OBは、失望と怒りを露わにしながらこう吐き捨てた。

「もはや見苦しいまでの内ゲバと言うほかはない。日大傘下の一貫校に子供を通わせている親たちからも『いったいどうなっているんだ!』との怒りの声が上がっていますよ。林理事長も沢田副学長も、否、酒井学長も含めて、いずれ劣らぬ体たらくぶりを世間に晒し続けている。これではいつまでたっても見世物状態は終わらない。この際、林理事長も含めた上層部の総退陣以外、日大が再生する道は残されていないでしょう」

 小説家でもある林理事長は、これらの悲痛な声をどう受け止めるのか。対応次第によっては、今後の作家生命にもかかわる大問題である。

(石森巌)

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