キリスト教系宗教団体「エホバの証人」の元信者らでつくる「JW児童虐待被害アーカイブ」は11月28日、教団内での性被害についてSNSを通じて行った調査結果を発表した。2022年末に厚生労働省が出した判断基準となるQ&Aを元に、2023年7月の1カ月間に寄せられた159件について分析した。

「未成年時に信者から性暴力を受けた」との証言は35件(男性5、女性30)で、うち9人と面接。信者同士で宿泊したり、食事をするなどの慣習があるため、自宅での被害が目立った。「交わり(食事やお茶をする慣習)の時、私の部屋に入ってきてベッドに押し倒された」「若い夫婦宅に泊まった時、寝ている間に接触させられた」などの証言や、親や兄からの被害を訴える声もあった。

同団体は「調査は限られた範囲であり、あくまで傾向を示すもの」と断っているが、分析を担当した2世の藤見永子さん(仮名)は「少数だからといって見過ごせない。虐待は1件たりともあってはならないからです。これは氷山の一角で、現役信者こそ知る必要がある」と強調した。

エホバの証人日本支部広報部門は弁護士ドットコムニュースの取材に対し「すでに児童保護に真剣に取り組んでおり、『子どもにとって安全』な組織です。団体の報告には、明らかに間違った情報が含まれているようです」などと反論している。

●現役長老も「子ども守らなければ」

同団体は159件を3分類し、集計した(現役12件、元信者147件)。20〜60代が回答し、「集会や出版物で性的表現などをされた」が139件、「長老と呼ばれる幹部などによる性的経験の聞き取りを強制された」42件、「信者から性暴力を受けた」が37件だった。いずれも経験があるかだけでなく自身が「性的虐待」と感じたかを含めて質問した。

記者会見には、面接に当たった公認心理師2人と現役の長老(幹部)も音声だけで出席。心理師の一人は、教理によって抑圧された大人の性欲が子どもたちに向かっている側面があるのでは、とした上で「早急に組織外の介入が求められる」と説明した。

また、長老は信者以外との婚前交渉をした女性に対して聞き取りをした経験について話した。子どもを守るということは共通の価値観だとの思いから協力を決意したという。

「社会通念上、ハラスメントに当たる言葉はあったと思います。女性には申し訳ない。信者の子どもが危険にさらされていると感じられる部分もまだ残っています。教団は真摯に対応してほしい」

●「オーストラリアのような公的調査を」

オーストラリアでは2015年に国による調査があり、教団内で1800人以上の被害者、1006人の加害者の記録を保持していることがわかっているという。これについて教団側は同日午後7時ごろ、メールで回答。委員会は被害者1000人とは断定しておらず、全て立証されていない申し立てにすぎない、と説明。「ほとんど全て家族内で虐待があったと主張するもので、組織内の虐待に関するものではない」とした。

代表の綿和孝さん(仮名)は「信仰を砕こうとか組織を壊そうというわけではありません。子どもを守るという点ではノーサイドでいきましょう」と現役信者にも呼びかけ、国に実態調査などを求めた。

この日、こども政策担当大臣・法務大臣・文部科学大臣あてに「性的虐待の帽子について」とする要望書を提出した。エホバの証人広報に3回メールを送っているが、同日午後2時時点で返答はないとした。

※編集部注:エホバの証人日本支部広報部門の回答を追記した(2023年11月28日午後7時35分)

「エホバ信者の自宅で性被害起きている」 就寝中に触られたなどの証言も…2世ら調査に教団側は否定