日本において、普通の町の飲食店で青島ビールが出てくることは、ほぼない。中国の青島ビールの麦芽保存施設内で、従業員が放尿した動画がSNSで拡散したのはつい最近のこと。これ1回だけであればいいが、おそらく長い歴史の中で当たり前に行われてきたことかもしれない。

 たまたま空いているビール瓶に我慢ならなくて放尿してしまった、あるいは、それらが放置されてる動画であっても、かなり引く。もう飲みたいとは思わないが、ちょっと経ったら人は忘れてしまう生き物だ。

 だが、麦芽は違う。原料だ。時間がたてば、尿がしみ込んだ麦芽が、ビールという製品になるということだ。身体の病気にはならない(中国の「尿」なのでならないとは断定できない)かもしれないが、心の病気、トラウマになることは間違いないだろう。

 青島ビールの中国人以外のお得意様は、韓国人だ。韓国政府は、両国の関係が悪化することを恐れ、また経済の停滞を恐れ、お安く買える青島ビールが売れなくなることを憂い、「この工場で作ったビールは韓国内に輸入されていない」とおふれを出した。けれど、一つの会社の習慣的な行為としたら、この工場だろうが他の工場だろうが、青島ビールにはわかりがない。

 そんな放尿問題から約1か月。韓国内で主に青島ビールの輸入を行っている会社のリストラが始まった。リストラしなければならないくらい、韓国内の売り上げが激減しているということ。それでも、今までコンビニで100本売れていたのが、48本しか売れなくなった状態が今。あんなことあっても、安さで48本「も」売れているという考え方もある。ただ、これから仕入れはしばらく厳しくなるだろう。輸入そのものもなくなるかもしれない。

 中国人の一人が麦芽におしっこひっかけた「だけ」で、韓国人に失業者がでる。意味的にはこれも「風が吹けば桶屋が儲かる」貧困バージョンらしい。

イラスト