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 オーストラリアには、カンガルーコアラなど多くの有袋類が生息している。オグロフクロネコ( Dasyurus geoffroii )もその1つで、現在では西オーストラリア州最大の固有哺乳類肉食動物として知られている。

 地元で「チュディッチ」と呼ばれるこの種は、現在個体数が減少していることから準絶滅危惧種に分類されている。

 しかし最近、野生生物保護区の保護プログラムが成功し、オグロフクロネコの赤ちゃんが誕生するという嬉しい出来事があり、関係者一同が大喜びした。

【画像】 希少なオグロフクロネコを保護する繁殖プログラムで赤ちゃん誕生

 オーストラリア野生動物保護協会(以下AWC)の『マウントギブソン野生動物保護区』は、2022年からオグロフクロネコの個体数を増やすための繁殖プログラムの一環として再導入に力を入れてきた。

 今年11月、同保護区の生態学者が定期調査を行っていたところ、メスのオグロフクロネコのグループが袋の中で水玉模様の何かをくねらせているように見えた。

 数匹の赤ちゃんが誕生したのだ。保護区は、この初の出来事に大喜びした。

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個体数と生息地が激減したオグロフクロネコ

 オグロフクロネコはフクロネコ科に分類される有袋類哺乳類で、ネコと名がついているがネコの仲間ではない。

 だが大きさはちょうど飼い猫と同じくらいで、背中に数十の白い斑点があるのが特徴だ。この斑点は、夜行性の彼らが狩りをするときに夜の月明かりの下で輪郭を目立たなくするのに役立っているという。

 かつてオーストラリア本土の70%に生息していたオグロフクロネコは、肉食で、爬虫類や鳥類を含む小型の無脊椎動物の個体数をコントロールする生態系に重要な役割を果たしてきた。

 しかし、最近では個体数が激減しているという。

 AWCシニアフィールドエコロジスト、ジョージナ・アンダーソンさんはこのように述べている。

ヨーロッパ人の入植後、オグロフクロネコの生息域は劇的に減少しました。再導入されたものを除けば、今では西オーストラリア州の南西端にしか生息していません

 ここ数か月、AWCの生態学者たちは、かつてオグロフクロネコが絶滅していたマウントギブソン野生動物保護区に個体群を再導入することに取り組んできた。

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 今回の赤ちゃん誕生は、再導入がうまくいっていることを示す成功の印だ。

定期的モニタリングを通じて、オグロフクロネコが保護区でうまくやっていることがわかります。

保護区での初の赤ちゃん誕生は、彼らが新しい環境に適応したことを示す前向きな証拠です(AWC)

7年前にフリンダース山脈近くにリリースされたオグロフクロネコ

州を超えてオグロフクロネコの保護と繁殖に尽力

 11月、動物擁護者たちはこの希少な野生生物をより多く繁殖させるための継続的な努力の一環として、11匹のオグロフクロネコがニューサウスウェールズ州のタロンガ・ウエスタン・プレインズ動物園から12時間かけて西オーストラリア州に輸送された。

タロンガの繁殖プログラムから生まれた新しい個体は、私たちの個体群の遺伝的ミックスをさらに増やしました。

ラジオトラッキングと遠隔カメラを組み合わせて、これらの新しい個体のモニタリングに再び力を入れる予定です。(AWC)

 これまでのところ、州を超えた彼らの努力は報われているようだ。

References:Researchers Are Thrilled To Find Pile Of Extremely Rare Polka-Dotted Babies/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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うれしいニュース。絶滅寸前だったオグロフクロネコの再導入がうまくいき、かわいい赤ちゃんたちが誕生