チャンピオンズリーグ(CL)グループF第5節が29日に行われ、パリ・サンジェルマンフランス)とニューカッスルイングランド)が対戦した。

 ‟死の組”とも形容されるグループFは4節を終え、1位から4位までの勝ち点差がわずか「3」と、非常に拮抗した展開となっている。勝ち点「6」で2位につけるパリ・サンジェルマンPSG)も安泰ではなく、グループステージ突破に向けて予断を許さない状況だ。ニューカッスルとの前回対戦では敵地でまさかの4失点大敗を喫しており、2度目となる今回の対戦ではその雪辱を晴らしベスト16進出を引き寄せたいところ。

 対するニューカッスルはCLでの勝利が先述のPSG相手の1勝のみと、久々のヨーロッパの舞台でやや苦戦気味。グループステージ突破の可能性は残されているとはいえ、この試合に負ければ敗退が決定するため、勝利が必須の一戦となった。

 試合開始直後の9分、序盤から主導権を握っていたPSGが決定機を迎える。アクラフ・ハキミがランダル・コロ・ムアニとの好連携から右サイドを突破し、最後は中央に走り込んだキリアン・エンバペが至近距離からかかとで合わせる技ありのシュートを放つ。しかし、これはGKニック・ポープの正面を突き、先制点とはならなかった。

 するとそのわずか3分後、今度はニューカッスルビッグチャンスが到来。敵陣深い位置でミゲルアルミロンがボールを奪うと、ゴール前でフリーになっていたアレクサンデル・イサクに正確なクロスを送る。しかし至近距離からダイレクトで放たれたシュートはクロスバーの上を通過し、枠を捉えることはできなかった。

 お互いに決定機を一度ずつ迎えた後、24分に試合の均衡を破ったのはニューカッスル。左サイドバック(SB)のティノ・リヴラメントが果敢なカットインで切り込み、大外で待っていたアルミロンへパス。パラグアイ代表MFが左足で巻くように放ったシュートは一度はPSGのGKジャンルイジ・ドンナルンマセーブされるも、こぼれ球にイサクが詰めてアウェイチームが先制点を奪った。

 追いかける展開となったPSGは後半に入ってもボールを保持する一方で、ニューカッスルの堅守を前に攻めあぐねる時間が続く。66分と67分、エンバペのお膳立てからブラッドリー・バルコラが立て続けに迎えた2度の決定機は、ポープの好守とシュートミスによりいずれも同点弾とはならなかった。

 82分には左サイドを抜け出したリュカエルナンデスから鋭いグラウンダーのクロスがウスマン・デンベレに繋がるも、至近距離からのダイレクトのシュートは枠を捉えられず。最終局面での精度を欠き、再三のチャンスをものにできない。

 それでも最終盤のアディショナルタイム8分、ペナルティエリア内でリヴラメントがハンドを犯したとの判定でPSGにPKが与えられる。これをエンバペが冷静に沈め、土壇場で試合を振り出しに戻した。試合はこのまま1-1で終了。幾度となく相手ゴールに迫ったPSGが最後に追いつき、ニューカッスルと勝ち点「1」を分け合う結果となった。

 次節は現地時間12月13日に行われ、PSGはアウェイでドルトムントドイツ)と、ニューカッスルはホームでミランイタリア)と対戦する。

【スコア】
パリ・サンジェルマン 1-1 ニューカッスル

【得点者】
1-0 24分 アレクサンデル・イサク(ニューカッスル
1-1 90+8分 キリアン・エンバペ(PK/パリ・サンジェルマン

後半AT、エンバペのPKでPSGが追いつく[写真]=Getty Images