TikTokは、2023年にトレンドになったワードを「TikTokトレンド大賞2023」として発表した。ノミネートしたワードは全部で20個あり、「ハッシュタグ部門」「ミュージック部門」「グルメ&ヒットアイテム部門」「スポーツ&エンタメ部門」の4部門に分かれている。

参考:【写真】『TikTokトレンド大賞2023』にノミネートされたワード一覧

・ハッシュタグ部門

1.#お前今日何したんだよ

 「お前今日何したんだよ」という問いかけから始まり、クリエイターが今日あったこと伝える動画のハッシュタグがノミネート。元ネタは男性クリエイター・Shane シェインで、「何したんだよ」という問いかけが、友だちとビデオ通話で熱く語っているような動画スタイルに感じ「元気になる」「モチベ上がる」と人気を集めた。

2.#強風オールバック

 ボカロ楽曲「強風オールバック」が大ヒットし、TikTok内で話題となった。曲名のとおり、“天気はいいのに強風で髪がオールバックになる”という、だれしも経験したことがありそうなシチュエーションを切り取った一曲。MVに登場する女の子のコスプレをしたり、アニメやゲームキャラクターの声真似をして歌ってみたりと、クリエイターのなかでも世界観を再現する投稿が増えたことにより、より拡散された1曲となっている。

3.#JapaneseFood

 コロナ禍が収束し、日本を訪れる外国人観光客が増えたことで急増した「#JapaneseFood」の投稿。外国人の投稿以外にも、日本のクリエイターがアップした、熟練の職人がつくる料理動画も話題となった。とんかつオムライスなどの食を目的に、日本を訪れる外国人観光客も増えているという。

4.#ストリートスナップ

 「ストリートスナップ」とは、街で歩いている人に「写真を撮ってもいいですか?」と声をかけてその場で撮影するという動画である。海外で流行していたトレンドが、日本でも大人気となった。撮ってもらった綺麗な写真を見た被写体の人たちが笑顔になる一連の流れが、視聴者的に幸せな気持ちになると話題に。

5.#なぁぜなぁぜ

 「〇〇なのに〇〇なの、なぁぜなぁぜ?」」というテンプレから始まる、日常の疑問や不満を語る動画である。元ネタはキャバ嬢兼TikTokerの桃園(ももらんど)ありさの動画。愚痴もこのテンプレに当てはめてみるとウザ可愛くなるため、クリエイターにとっては動画を撮影しやすいことから、バズったのではないだろうか。

ミュージック部門

1.アイドル

 YOASOBIが手がける楽曲で、TVアニメ『【推しの子】』のオープニング主題歌。2023年11月27日時点で、YouTubeのMVは3.7億回再生されており、日本のみならず世界的に大ヒットしている。TikTokでは、TWICENiziUといった実際のアイドルによる踊ってみたも投稿され、大きな話題となった。

2.貴方の恋人になりたい

 男女4人組バンド・チョーキューメイが2022年にリリースした楽曲がトレンドイン。シンプルな歌詞と、弾むようなリズミカルなサウンドにハマる人が続出した。韓国人女性など、海外のファンがアコースティックギターを使った弾き語り動画をアップし、日本のみならず世界的にも話題となっている。

3.けーたいみしてよ feat. はしメロ, maeshima soshi

 令和のヒット曲を次々と生み出している音楽プロジェクト・MAISONdes(メゾン・デ)が2023年6月にリリースした楽曲である。「彼氏の行動が怪しいから携帯見せてもらう」というシチュエーションを曲にしており、サビ部分の「け、け、け、けーたいみしてよ」にあわせた振り付け動画が、TikTokで話題を集めた。

4.DOSHABURI feat. JUMADIBA (Prod. Chaki Zulu)

 日本のラッパー・kZm(カズマ)が、2023年にリリースした楽曲。ミュージックビデオに登場する、歩きながら歌うシーンを真似した動画が、TikTokで若者を中心に広まったことでノミネートされた。K-POPアイドルやYouTuberの投稿でも話題となった。

5.ファジーネーブル

 女性3人組バンドConton Candyコットンキャンディ)が、2023年にリリースした「ファジーネーブル」。青春の甘酸っぱさを感じさせるような、どこか懐かしさのあるやわらかい曲調が特徴的。TikTokでは手の振り付けを真似した動画や、カップルや夫婦のVlog動画などに活用されている。

・グルメ&ヒットアイテム部門

1.炊飯器レシピ

 忙しい毎日でも手軽に自炊ができる、炊飯器を使ったレシピを紹介する動画がノミネート。コロナ禍の影響で在宅勤務が増えたことで、自宅で調理する需要が高まったといえる。ギャルによる豪快な料理動画や、犬用のレシピ動画など個性豊かな炊飯器レシピが知れるのが魅力。

2.ハンバーグオムライス

 TikTokでトレンドになった「#JapaneseFood」のひとつに挙げられるのが、ハンバーグオムライスである。福岡県にあるレストラン「はんばーぐとおむらいすのお店 いくら」の投稿に、世界中から多くの関心が寄せられた。鉄板に広げられた卵がオムレツの形になって、ご飯にのせられたハンバーグの上にトロッと広がるさまが、なんとも食欲をそそる動画となっている。

3.ビオレUV

 花王株式会社が発売した、新感覚の日焼け止め・ビオレUVがTikTokでも話題を集めた。透明の液体をシュッと吹きかけるミストタイプで“塗り直しが簡単”、“手が汚れない”と大ヒット。TikTokで多数紹介されたことで売り切れが続出し『TikTok売れ』現象が起こった。

4.ユニクロバッグ

 2023年、大きな注目を集めたのがユニクロの『ラウンドミニショルダーバッグ』。英国のクリエイター(@caitlinphilimore)が、自身のTikTokアカウントで紹介したことをきっかけに大ヒットした。「軽いのに大容量」「月っぽい形がかわいい」と、女性を中心に人気に。

5.りんご飴

 タピオカバナナジュースなど、トレンドが移り変わる飲食業界で、2023年に注目されたのがりんご飴である。りんご飴お祭りの屋台で食べる印象だが、最近では専門店が全国に広がりをみせている。TikTokでも、りんご飴専門店が投稿する動画や、自宅でつくるりんご飴の動画が人気に。

・スポーツ&エンタメ部門

1.アヒルエフェクト

 フィンランドエフェクトクリエイター(@kutikuti77)が作成した、ゲームエフェクトの名称である。顔を上下しながらアヒルを操作し、卵をゲットしていくというもの。コムドットや平成フラミングなど、大物YouTuberが投稿したことで大きな話題となった。

2.最高の教師

 「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」が、2023年のトレンドドラマとしてランクイン。一度生徒によって死を迎えた教師が、人生2周目には本気で生徒と向き合う学園ドラマである。学生だけでなく社会人にも刺さるメッセージ性の強い話に、共感・感動する人が続出した。

3.呪術廻戦

 令和の大ヒット漫画「呪術廻戦」のアニメ第2期・渋谷事変が2023年7月から放送を開始。それにともなって、TikTokでもアニメや漫画の好きなシーンを切り取った動画や、展開を考察する投稿などが増えた。クリエイターが主要キャラクターのコスプレをした投稿も、人気を集めている。

4.ゼルダの伝説

 全世界で大ヒットしたゲーム・ゼルダの伝説から新シリーズ「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が2023年5月に発売され、TikTokでも話題となった。発売から3日間で1000万本以上販売と、脅威の売り上げスピードを叩き出しギネスにも認定。ヒカキンをはじめとした、大物クリエイターのプレイ動画も人気を集めた。

5.バスケ日本代表

 近年、日本代表の活躍によりサッカーや野球、バレーなどスポーツが盛り上がりを見せている。なかでも、2023年8月から沖縄で開催された『FIBAバスケットボールW杯2023』でアジア勢1位となったバスケが、TikTokでトレンドに。「12チームしか出られないパリ五輪の出場を決めた」と、日本中が熱狂と感動の渦に包まれた。

 流行語大賞は年末恒例行事となっているが、『TikTokトレンド大賞』は、より瞬間的なトレンドにフォーカスしたラインナップとなっている。Z世代がどんなことに興味を持った1年だったのか。気になる人はぜひチェックしていただきたい。

(文=かえで

TikTok公式サイトより