レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏

記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。今回は平成スケルトンブームのキッカケといわれる初代iMacを皆さんと振り返っていきましょう。

【写真】今週のレトロ遺産!

初代iMac1998年の発売で、気づけば今年25周年です。以前この連載では「平成スケルトンブームはゲームボーイなど子供向けの玩具から始まった」ということを紹介しましたが、大人をも巻き込んだブームとしては初代iMacの影響が大でしょう。

iMac G3 スケルトン端末の商品名は「i」と「e」が大定番でした! iPhone、iPadといった、現在まで続くApple製品のi〇〇が生まれたのもiMacから。それまでは、e-〇〇が主流でした。ちなみに、NTTドコモの携帯電話向けのネットサービス「i-mode」は、iMac発売の翌99年から開始されました
iMac G3 スケルトン端末の商品名は「i」と「e」が大定番でした! iPhone、iPadといった、現在まで続くApple製品のi〇〇が生まれたのもiMacから。それまでは、e-〇〇が主流でした。ちなみに、NTTドコモの携帯電話向けのネットサービス「i-mode」は、iMac発売の翌99年から開始されました

e-one 433
e-one 433

iMacは、搭載される端子をUSBと有線LANに絞り、フロッピーSCSI(スカジー)などのレガシーコネクタを排除。モニターも一体型にした過去の常識を覆す製品でした。

そして、誰もが衝撃を受けたのは〝ボンダイブルー〟と呼ばれる半透明で鮮やかなボディ。これをキッカケに地味なデザインが多かったパソコン周辺機器にもスケルトンが増えていきます。

そして、iMacユーザーは、ついついすべてをスケルトンでそろえがち。なので、メーカー各社から次々と透明商品が発売され、最終的にはパソコンとは関係のない家電や家具にまでスケルトンが増えていったのです。

実は、iMac発売前のAppleは経営破綻寸前まで追い込まれていましたが、97年にスティーブ・ジョブスが復帰して指揮を執り、翌年のiMac人気で完全に息を吹き返しました。その勢いで99年からiMacは5色展開のキャンディカラーを追加で発売しています。

このiMacブームに悔しい思いをしていたウィンドウズユーザーでしたが、すぐにスケルトンDOS/V機e-one433がソーテックから発売され大歓喜します。しかし、このスケルトンデザインをAppleから訴えられ販売禁止となり、仕方なく銀色に塗装したe-one500を発売することになりました。iMacより先に発売されたAppleのスケルトン端末! Apple初のスケルトン端末「Newton eMate300」は、教育機関用として97年に発売。ただし、iMacのような白とブルーのツートンカラーではなく単色スケルトン。iMac登場後にツートンカラーの半透明デザインが流行しました
iMacより先に発売されたAppleのスケルトン端末! Apple初のスケルトン端末「Newton eMate300」は、教育機関用として97年に発売。ただし、iMacのような白とブルーのツートンカラーではなく単色スケルトン。iMac登場後にツートンカラーの半透明デザインが流行しました

eMate 300
eMate 300

一時期は中古市場で投げ売りされ、中身を外して猫ベッドに再利用してたiMacも今や相場が上がってます。e-one500はさらにレア! 銀色の筐体(きょうたい)を削ると、半透明のボディが出てくるらしいので、今こそ銀のe-one500を探して削ってみましょう!

撮影/榊 智朗

iMacより先に発売されたAppleのスケルトン端末