今季、J2の町田ゼルビアを率いてわずか1年でJ1昇格を果たした黒田剛監督。11月27日には昨年まで指揮を執っていた青森山田高校に凱旋。生徒たちの祝福を受けていたが、高校サッカーの監督からの転身を疑問視する声があった中、それを跳ね返し見事に結果を出してみせた。

 高校サッカーの取材を通じてそんな黒田監督と知り合い、青森山田高校の祝勝会にも参加するほど仲がいいという元日本代表の城彰二氏が、自身のYouTubeチャンネルで町田ゼルビアがJ2優勝した理由を語った。

 町田の強さの理由は守備にあると城氏。

「守備がしっかりしていれば失点せず、負けることはない。守備をチームイズムとして、どう守るのか明確だった。守備が成功すればいい状態で攻撃につなげられるというのがサッカーセオリー。黒田監督が町田に行って、セオリー通りにやったのが大成功の秘訣」

 もう1つが黒田監督のコントロール力にあるという。

「すごく選手を乗せてくれるし、ダメだったら修正する。人間力が黒田監督の魅力。伝える力もすごい。論理的にどう熱意を持って伝えられるか考えている人。これを言ったらダメだろうとか、これを言ったら選手が離れていくんじゃないかとか、そこまで考えている人。そんな人が本当に細かくうまく分析しながらやっている」

 来季はJ1で戦うことになるが、昇格して1年でJ2に降格するチームも珍しくない。町田がそうならないよう、城氏はこんな提案を行った。

「J2のメンバーに少し足して何とかしようとすると失敗する。横浜FCもそうだった。だから、サイバーエージェント藤田晋(町田の代表取締役社長兼CEO)さんの力で思い切った投資をしてほしい。選手を半分は変えたほうがいいと思う」

 補強の中心になるのは外国人選手。城氏は、

「チーム力が2ランクぐらいアップするような外国籍の選手を2、3人入れる。チームコンセプトに合っていて点が取れる選手が1人は必要。計算できる選手がいれば、ディフェンスも構築できるから」

 その選手補強のためには15億円は使ってほしいと話していたが、どんな補強をして来季を戦うのか楽しみだ。

(鈴木誠)

アサ芸プラス