佐々木蔵之介が主演を務めるドラマ「マイホームヒーロー」(MBS:毎週火曜夜0:59-1:29、TBS:毎週火曜夜1:28-1:58/ディズニープラスにて配信)の第7話が11月28日に放送された。行方不明になった組織のメンバーを探す恭一(高橋恭平)。疑いのまなざしをむける哲雄(佐々木)とのだまし合いが展開したなか、ラストでゾクッとさせる目つきを見せた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】両親と彼氏に何が起きているかまだ知らない零花(齋藤飛鳥)

■零花に約束をドタキャンされる恭一

同ドラマは、2017年より「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同名コミックを実写化したノンストップファミリーサスペンス。

ある日、娘を守るために、その彼氏を殺して“殺人犯”になった平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄(佐々木)が、推理小説で培った持ち前の知識と家族愛を武器に冷徹で残忍な闇社会の犯罪組織と闘っていく姿を描く。2024年3月8日(金)には映画の公開も予定されている。

哲雄が殺した男と同じ半グレ集団に属する間島恭一を高橋恭平(なにわ男子)、哲雄の妻・歌仙を木村多江、娘・零花を齋藤飛鳥が演じる。

哲雄が殺した延人(内藤秀一郎)の父で犯罪組織の重要人物・義辰(吉田栄作)から命じられた延人を探す期限が翌日に迫っている恭一。第7話の始まりでは、零花と会う約束をし、手がかりをつかもうとしたが、それに気付いた歌仙に阻止された。

ハラハラする哲雄と恭一の攻防

延人を探す期限は、哲雄の命もかかっている。延人が見つからなければ、実のところ犯人なのだが、犯人として仕立てあげたうえに殺すと宣告されているのだ。そんな哲雄は恭一に罪を被せようと、遺骨などの証拠品を恭一の部屋に隠す機会を狙っていた。

恭一に連れて来られた零花のアパートで監禁されるも、なんとか抜け出した哲雄。恭一が組織から支給されているパソコンをハッキングしたことでマンションの居場所が分かると、恭一が零花との約束に向かっているすきに部屋に忍び込もうとした。だが、恭一は犯罪のプロ。自身の部屋にもその知識を活かしてピッキング対策をしていた。

その後、零花のアパートに戻ってきた恭一は、血痕が浮かび上がるALSライトを使ってみるが、証拠は出なかった。実は、恭一がALSライトを組織のメンバーに頼んでいたことを知った哲雄がブラックライトとすり替えていたのだ。

追い詰められていっぱいいっぱいながらも必死にこれまで得てきた知識がつまった頭を働かせる哲雄と、冷静さと鋭さを持ち合わせてすきをつくらないようにしている恭一。一進一退のやり取りが続いていく。

■鋭い目つきで哲雄を突き放す恭一

哲雄は、組織で恭一と対立する竹田(淵上泰史)が恭一を犯人にするために恭一の部屋に何かを仕掛けたのではと、言葉巧みに誘導。恭一は疑いつつも、哲雄を連れて念のため確認しに行くことにした。

哲雄は証拠品を隠す場所をひそかに探るが、恭一のすきのなさが立ちはだかる。恭一はそんな哲雄の必死さを怪しんだ。

「俺が犯人に仕立て上げられたら得するんじゃねえのか?」。動揺しながら「もし竹田さんが恭一さんを犯人に仕立て上げようとするのを阻止できたなら、僕のこと信じてもらえるんじゃないかと思って」と答える哲雄。

「信じる」という言葉に、あきれたように思わず笑った恭一。その笑いのあとに顔を上げたときの表情は、冷たく、恐ろしさに満ちていた。「笑わせんな。竹田の件と真犯人さがしは別だ。俺はお前が延人をやったと思ってる。犯人はお前だ」と疑いが変わっていないことを明かした。

そして「いいか、よく覚えとけ。弱者は正義を貫く権利すらない。力が強いやつが正しい。だから俺は組織に入り、力をつけた。今度こそ俺が正しいと思うことをやる」と語った。その脳裏にあったのは、前話で明かされた暴力団により亡くなった父のことだった。

「お前と組むことは、ない」と、きっぱり言い放った恭一。第4話で「僕と組みませんか」と言った哲雄への改めての返事であり、その目は鋭さが増していた。

哲雄は恭一の言葉のなかの「今度こそ」に引っ掛かりを覚えたようだ。恭一の父が亡くなったのは恭一がまだ幼いときで、なすすべはなかったはずだが、両親が営んでいた店の復活を覚悟をしたことだろうか。あるいは組織に入ったあとでも何かあったのか。いずれにしても、親を思う気持ちが根底にありつつ、悲しみや憎しみを貯め込みながら組織の中で生きている恭一のすごみが現われていた。

とはいえ、前話で下剤入りコーヒーを飲んでしまったように恭一は完全にすきがないわけでもなく、共に命がかかった哲雄とのだまし合いから目が離せない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

哲雄(佐々木蔵之介)を追い詰めていく恭一(高橋恭平)/(C)山川直輝・朝基まさし/講談社/ドラマ「マイホームヒーロー」製作委員会・MBS