浦和レッズは29日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023-24グループJ第5節で武漢三鎮(中国)をホームに迎え、2-1で勝利した。

ここまで1勝1分け2敗で勝ち点「4」にとどまっている浦和。4戦全勝の浦項スティーラーズ(韓国)がすでにグループ首位とラウンド16進出を決めているため、浦和は2連勝での2位フィニッシュを目指す。

前節の浦項戦は明本の一発退場もあり、1-2で逆転負け。直近の公式戦は6試合勝利なしと苦しい状況が続く中、浦項戦で退席処分のマチェイ・スコルジャ監督に代わりラファル・ジャナスコーチが指揮をとった。

最前線にブライアン・リンセンを配し、2列目に左から髙橋、中島、小泉を置く[4-2-3-1]で挑んだ浦和は、立ち上がりの6分にいきなりネットを揺らす。右サイドから崩すと、最終ラインの裏に抜け出した小泉がクロスを上げ、中で待っていた髙橋が押し込んだが、VARチェックの結果、小泉のオフサイドと判定され、ノーゴールとなった。

主導権を握った浦和は10分にもチャンス。岩尾がハーフウェーライン上から前線へロングボールを送ると、左ポケットで受けた髙橋が左足シュート。惜しくも枠には収まらなかった。

その後も試合は浦和ペースで進む。攻め込まれる時間帯もあったが、DF陣の体を張った守備やGK西川のファインセーブでゴールは割らせない。

待望の先制点が生まれたのは37分。クロスの競り合いの際に相手DFのヒジがリンセンの顔付近に入り、PKを獲得。アレクサンダー・ショルツがゴール左隅にきっちり決めた。

このままリードを広げたいところだったが、前半終盤に連続してアクシデントが発生。大畑が負傷して43分に関根と交代すると、その直後には相手と交錯した髙橋が倒れ込み、脳震盪で動けない状態に。担架でピッチの外へ運ばれ、大久保が代わりに投入された。

不測の事態により前半のうちに交代カードを2枚消費した浦和だが、後半も立ち上がりから積極的なプレーを続ける。徐々に武漢も攻勢を強めるが、浦和守備陣も球際の強さを見せ攻撃を跳ね返す。

それでも67分には武漢に決定機。左サイドから崩すと、ボックス内でダビドソンがシュートまで持ち込んだが、わずかに枠の左へ外れた。

その1分後、再びダビドソンが浦和ゴールに襲いかかる。前線でロングボールを収めると、DF2人をかわしてGK西川との一対一に。落ち着いてゴール左に決め、試合は振り出しとなった。

もう一度リードを得たい浦和は70分に一気に3枚替え。アレックス・シャルク、ホセ・カンテ、エカニット・パンヤを投入し、前線の顔ぶれを大きく変える。

この交代で攻撃の迫力が増し、再び敵陣内でボールを動かす時間が多くなった浦和。右ポケットでパスを受けた大久保が思い切って右足を振り抜く場面もあったが、これは枠の左へ外れる。

84分には左サイドからの荻原のクロスがファーまで流れ、走り込んだ関根が力強いシュートを打ったがバーの上。87分にはホセ・カンテのミドルシュートが枠を捉えたが、GKに阻まれた。

攻勢続く中で迎えた90分、中央でのパスワークから待望の勝ち越し点が生まれる。大久保がゴール前に浮き球を送ると、相手DFのクリアボールにホセ・カンテがすかさず反応。左足のシュートがゴール右隅に決まった。

浦和はこのまま4分の追加タイムを凌ぎきり、2-1で勝利。今季限りでの引退を発表しているホセ・カンテの活躍もあり、グループステージ突破に望みを繋いだ。12月6日の最終節はハノイFCのホームへ乗り込む。

浦和レッズ 2-1 武漢三鎮
【浦和】
アレクサンダー・ショルツ(前37)【PK】
ホセカンテ(後45)
【武漢三鎮】
ダビドソン(後23)