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新型GLCクーペ発表

メルセデス・ベンツは、ミドルサイズSUVの新型「GLCクーペ」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて発売するとアナウンスした。メーカー希望小売価格(税込)はGLC 220 d 4マティック・クーペが898万円となる。

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GLCクーペは、クーペとしてのスタイリッシュなフォルムと、SUVらしい存在感を両立させたSUVクーペだと同社は語る。メルセデス・ベンツのベストセラーモデルである「Cクラス」と同等の安全/快適装備を備えるとともに、ミドルサイズSUV「GLC」と同等の走行性能、利便性を実現したという。

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メルセデス・ベンツGLCクーペ

新型GLCクーペは、伸びやかで美しいシルエットの中にスポーティで力強さを備えたエクステリアと、リアルウッドインテリアトリムを採用した質感の高いインテリアを併せ持つと同社は語る。

またダイナミックなドライビング特性/サポートの精度を高めた安全運転支援システム/縦型の大型メディアディスプレイを搭載している。

このメディアディスプレイには、MBUX全体の中から、走行に合わせて変化するコンテンツをユーザーのために取り出し、関連するサービスとともにMBUX情報アーキテクチャーに表示するゼロレイヤーデザインが採用されており、直感的な操作設定が可能となった。

直感的な行先案内が可能なARナビゲーション/片側130万画素を誇るデジタル・ライトによる効果的な夜間の視界確保や、良好な取り回しや優れたハンドリングを実現するリア・アクスルステアリングなど、フラッグシップモデルであるSクラス譲りの最新技術を多数採用した。

中でもメディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾き、路面の勾配等をディスプレイに表示する「オフロードスクリーン」を標準装備することでオフロード性能の向上も図った。

エクステリア/インテリアデザインは?

エクステリアデザイン

新型GLCクーペは、メルセデスのデザイン基本思想である「センシュアル・ピュリティ」というデザインの基本思想を継承し、ひと目でメルセデス・ベンツSUVファミリーの一員であることが分かるとともに、他のモデル同様「知性」と「感情」を感じさせるモデルとなったとメルセデス・ベンツは表現する。

スタイリングは、メルセデス・ベンツ独自の現代的ラグジュアリーを生み出すものであるという。

フロントデザイン

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メルセデス・ベンツGLCクーペ

標準仕様ではフロントグリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調のワイドなクロームトリムによって、フロントマスクを上質かつスタイリッシュに引き締めた。また、スターパターングリルを採用することで立体的に配されたスリーポインテッドスターが先進的な表情を生み出し、大胆な開口部を備えたアグレッシブなフロントバンパーとともに、精悍なフロントマスクを形成する。

フロントグリルと連続したスリムなヘッドライトや、より精悍さを増した最新デザインのフロントバンパーがワイド感を強調し、圧倒的な存在感を与え、GLCクーペの独特なプロポーションを強調する。全幅は先代モデルと同じ1890mmとした。

サイドデザイン

センシュアル・ピュリティ」に基づき、ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により陰影を生み出したことにより、プロポーションが強調されるとともに、逞しいホイールアーチにアクセントが与えられているという。

ヘッドライト/リアコンビネーションランプからそれぞれ伸びる前後のホイールアーチ上のライン/前後ドアパネル下部を貫くライン/これら3本のラインが伸びやかなサイドの曲面に絶妙なエッジを加えることで、力強く表情豊かなボディデザインとなっている。

AMGラインパッケージ仕様ではボディ同色のワイドホイールアーチが装着され、より都会的で洗練されたエクステリアを演出し、先代モデルと比較してホイールベースを15mm伸長することでさらに伸びやかでスポーティかつスタイリッシュなシルエットとなったという。

リアデザイン

力強く張り出したフェンダーと水平基調のリアバンパー、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムな新型リアコンビネーションランプにより、リアエンドをよりワイドでシャープに見せるデザインとした。

リアバンパーにもクロームアンダーガード風のデザインを採用するとともに、クロームトリムが左右のエグゾーストエンド(機能は無く、ダミー)と一体化した力強い造形とすることで、リアエンドに個性を与えた。

Cd値は先代モデルの0.30からさらに少ない0.27とすることで、高水準のエアロダイナミクスを実現し、省燃費性能も追求されてたという。

インテリアデザイン

ダッシュボードは上下2つの部分に分かれている。上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置されており、スポーティさを演出した。

下部には大きなインテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でもリアルウッドインテリアトリムを採用し、質感の高い室内空間を演出する。このインテリアトリムはセンターコンソールからダッシュボードへと途切れなく続いている。

ハイグロスアッシュウッドインテリアトリム(標準仕様)

ブラックの光沢仕上げのアッシュウッドインテリアトリム。アッシュの特徴的な木目がアクセントとなる、濃色でありながら艶やかで華のある室内空間を演出する。

アンスラサイトライムウッドインテリアトリム(AMGラインパッケージ仕様)

ブラックに近いダークグレーに着色され、垂直方向に木目が現れるマット仕上げのライムウッドインテリアトリム。シックで落ち着いた印象を与える。

ブラックオープンポアウッドインテリアトリム

(レザーエクスクルーシブパッケージ/AMGレザーエクスクルーシブパッケージ仕様)ブラックのウッドにオープンポア(マット)仕上げを施し、アクセントとして垂直方向にアルミニウムのラインを取り入れたウッドインテリアトリム。ラグジュアリーであり
ながら、クールな雰囲気も併せ持つ室内空間を演出する。

また、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けた新しいデザインを採用し、ドライバーの視認性を向上させたという。

運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見え、コックピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル/スポーティ/クラシック)と4つのモード(ナビゲーション/アシスタンス/サービス/オフロード)の中から選択することでカスタマイズが可能だ。

ダッシュボードの両端を囲むドアパネルはシンプルでモダンなデザインが目を惹き、ドアのセンターパネルはアームレストを一体化しており、垂直面から水平方向に張り出している。アームレストの前部はセンターコンソールのデザインを反復するように、クロームをあしらった。ここはグラブハンドルとなるほか、ドアを閉めるときのグリップともなる部分で、パワーウインドウのスイッチが配置されている。

新型GLCクーペには、メルセデス・ベンツの最新世代のステアリングホイールも採用されている。ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定や安全運転支援システムの設定を全て手元で完結できる機能性も有す。

従来はタッチコントロールボタンへの接触やステアリングホイールにかかるトルクで判定していた、ディスタンスアシストディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、リムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用した。

これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、ディスタンスアシストディストロニックの使い勝手を向上している。AMGラインパッケージを選択すると、よりスポーティーな左右/中央のそれぞれのスポークがツインスポークとなるステアリングホイールが装備される。

室内を彩る「アンビエントライト」も改良され、64色から選択可能で、単色の発光に加えて色の連続変化が可能だという。乗車時には、乗員を迎え入れる演出も設定され、エアコンディショナーの温度設定に連動して、青や赤に点灯する。新型GLCクーペは、545L~1490Lと大容量のラゲッジルームも備え、実用性が大きく向上したと発表された。

新型GLCクーペのパワートレインは?

パワートレイン

GLC 220 d 4マティック・クーペには、エンジン単体で197ps/44.87kg-mを発生する、2Lのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジン「OM654M」が採用される。

エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISGによって、短時間、最大で23ps/20.90kg-mのブーストが可能で、高トルク、省燃費が売りのクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減に寄与するという。

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メルセデス・ベンツGLCクーペ

OM654Mエンジンは、新型クランクシャフトの採用によって、ストロークが94.3mm/排気量が1992ccに拡大し(先代モデル:92.3mm/1949cc)燃料噴射圧力を2700 barに引き上げ(先代モデル:2500 bar)可変タービンを採用した水冷式ターボチャージャーにより、きわめて速やかなレスポンスと優れたパワー伝達を実現したという。

また、スチール製ピストンナトリウム封入式冷却ダクトを内蔵することで、ピストンクラウンの温度ピークを効果的に低減したと語った。

なお、GLC 220 d 4MATICクーペは「9Gトロニック・オートマチックトランスミッション」を備え、1速から9速までの変速比幅が広くエンジン回転数が大幅に低減されることから、優れたエネルギー効率と快適性を実現したという。

新型GLCクーペには、スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えるダイナミックセレクトの中に「オフロード」モードが加えられた。

オフロード」モードでは、トランスミッションがオフロードモードに切り替わり、雪道や悪路での走破性を高める。また「ダウンヒル・スピード・レギュレーション」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートする。

トランスペアレントボンネット

オフロードモードでは、360°カメラシステムを使い「トランスペアレントボンネット」機能が使用可能だ。メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能で、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することができるという。

オフロードスクリーン

新開発のオフロードスクリーンは、コックピットディスプレイおよびメディアディスプレイに情報や操作スイッチ類、さまざまな機能を分かりやすく配置する機能だ。コックピットディスプレイには、車両の傾き/路面の勾配/標高/経度緯度/コンパス/車速/エンジン回転数が表示される。

これに加え、メディアディスプレイには、周辺地形におけるGLCクーペの現在の姿勢やフロントホイールの操舵角などが表示されることにより、オフロード走行に関連するすべての運転機能を1つの画面で簡単に操作することが可能だという。

新型GLCクーペの足回りは?

サスペンション

GLC 220 d 4MATIC のサスペンションは、Cクラスで定評のあるフロントに4リンク式/リアにマルチリンク式を踏襲している。標準仕様には、優れた乗り心地/高い静粛性/俊敏なハンドリングを提供するアジリティ・コントロール・サスペンションが装着される。

さらに、オプションとして、エアマティック・サスペンションを用意している。このサスペンションは、伸び側と縮み側にそれぞれ可変ダンピングシステムを備えており、路面状況/運転状況/乗車人数や積載状況に応じて減衰力を常に最適に保つという。高速走行時「スポーツ」モード選択時には車高を約15mm下げることで、ハンドリングや空力特性も向上させる。

リア・アクスルステアリング

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メルセデス・ベンツGLCクーペ

オプション装備として後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、さらに取り回しがしやすい車となった。

約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には最小回転半径が5.1mと小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。

約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大4.5度操舵することで、走行安定性を大きく高める。従来のメルセデス・ベンツの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させたという。

新型が搭載するその他機能は?

インテリジェントドライブ

メルセデス・ベンツ運転支援システム開発の次のステップとなる技術は、一般道での安全運転支援はもちろんのこと、特に高速道路での運転支援機能により、ドライバーにかかる負担を大きく軽減するシステムだという。新型GLCクーペには、Sクラスに搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システムが採用した。また、従来に加えて新しい機能が追加となったと話す。

・「アクティブステアリングアシスト」:ステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも車線認識に使用することで、多くのカーブに対応が可能で、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することができる。

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メルセデス・ベンツGLCクーペ

・「アクティブエマージェンシーストップアシスト」:ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってからかなりの時間が経過していると判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる。

・「アクティブブレーキアシスト」:交差点や曲がり角での右左折の際に、対向/飛び出し/巻き込みなどにより、車、自転車及び歩行者と衝突する危険がある場合、ドライバーに警告したりブレーキを作動させる。

・「緊急回避補助システム」:車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシストする。また、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者自転車を含む車両も検知する。

・「アクティブレーンキーピングアシスト」:走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に警告、および進路を修正する。

・「アクティブブラインドスポットアシスト」:車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に危険回避をサポートする。また、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能も作動する。

MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)

新型GLCクーペには、12.3インチのワイドディスプレイを採用するインストルメントクラスターと、11.9インチの縦型ディスプレイを採用するメディアディスプレイの2画面を標準装備している。また、2018年から順次各モデルに搭載し、熟成が進められてきた、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を採用した。

ボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動し、音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力/電話通話/音楽選択/メッセージ入力・読み上げ/気象情報)に加え、クライメートコントロール/各種ヒーター/照明など多様な機能にも対応する。

また、音声認識だけではなく、タッチスクリーンやステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることができる。

MBUX ARナビゲーション

車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示されるAR(拡張現実)ナビゲーションを標準装備した。

従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされますが、ARナビゲーションにより、直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるという。

生体認証(指紋/声)によるシートポジション等の設定

新型GLCクーペはドライバーの指紋/声のいずれかの生体認証もしくはPINコードによる認証が可能という。どちらかの認証により、シート/ステアリング/サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末、ナビゲーションのお気に入り設定などを統合して読み込むことができるという。

デジタル・ライト(ウルトラハイビーム付き)

左右のヘッドライトのデジタル・ライトは、それぞれ照明モジュールを備えている。このモジュールは100万個以上の微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定めるという。このため、片側のヘッドライトあたりの解像度は100万画素以上となるが、鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさだという。

この革新的なヘッドライトは、凹面レンズ「デジタル・ライト」のレタリング、ブルーのアクセントも装備され、デザイン性も高められた。ヘッドライト片側で100万以上のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて正確な配光が可能となったという。

これにより、ハイビームアシストが対向車や道路標識に光が当たらないように調整する場合の精度が、従来の84画素の光に比べて精度が大きく高まっており、ハイウェイモードやカントリーモード、フォグランプ強化機能などの照明が最大限効果的なものとなったとアナウンスされた。


メルセデス・ベンツGLCクーペが初のフルモデルチェンジ Sクラス譲りの最新技術を多数搭載へ