「トイレで尿を出し切ったのに、そのすぐ後で漏れてしまう」
「知らないうちにシミが……」

そんな恥ずかしい尿漏れに困っていませんか? 尿漏れは、30代以降の男性の3人にひとりは経験している、意外にポピュラーな悩み。中高年だけでなく、働き盛りの男性にも起こります。(※1)

この記事では、男性の尿漏れの原因と対処法をご紹介します。

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1.男性の尿漏れの原因とは?

男性の尿漏れのおもな原因は、前立腺の肥大による過活動膀胱といわれています。

前立腺が肥大すると、尿道や膀胱に圧がかかることで尿が出にくくなります。尿が出にくいと膀胱が一生懸命尿を排出しようとするため、周辺の筋肉などが痛んでしまうのです。この状態では脳との連動もうまくいかなくなるため、膀胱が勝手に収縮してしまう「過活動膀胱」になり、尿漏れしやすくなります。

また、加齢や筋力の衰え、肥満などによって尿漏れが起こることもあります。歳をとると膀胱の機能をつかさどる神経や、膀胱括約筋の力が衰えるため、自分で排尿をコントロールしにくくなるのです。さらに、肥満傾向の人は内臓脂肪が膀胱を圧迫してしまうことで尿漏れにつながることもあります。

男性はからだの構造上、尿道の中に尿が残りやすいため、排尿後すぐに尿が漏れる「追っかけ漏れ」が多いですが、腹圧がかかると漏れたり、無意識のうちに漏れたりすることもあります。

2.男性の尿漏れ対策とは?

男性の尿漏れは、骨盤底筋を鍛えたり、生活習慣を見直したりすることで解消を目指しましょう。

2-1.骨盤底筋を鍛える

膀胱周りの筋肉を支えている骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れが解消することがあります。座ったままでもできる簡単な方法を実践してみましょう。

(1) 椅子に腰掛け、足を肩幅に開き足裏全体をしっかりと床につけます。

(2) 肛門周りの筋肉をぎゅっと引き締めます。肛門を締めて下腹部を引き上げるイメージで行いましょう。

(3) 1分間のうち15秒ほど締め、残りの時間は力を抜いて全身をリラックスさせます。

(4) このサイクルを繰り返します。10回程度が効果的ですが、きついと感じる場合は2~3回から始めましょう。

このトレーニングは立った状態でもできます。足を肩幅に開いて立ち、同じように筋肉の引き締めと脱力を繰り返しましょう。
※肛門周りを引き締めるときはおなかや足、腰などに力が入らないように注意しましょう。

2-2.生活習慣を見直す

尿漏れの解消には、生活習慣の見直しも重要です。内臓脂肪が多いメタボリックシンドロームの状態では、脂肪による膀胱への圧迫が強くなるため尿漏れのリスクも高まります。

食事をよく噛んで食べる、寝る前の飲食をやめる、脂っこい食事やインスタント食品を控えるなどの節制が必要です。利尿作用のあるカフェインやアルコールも控えましょう。また適度にからだを動かしてしっかり睡眠をとるなど、当たり前ともいえる健康への意識が尿漏れ解消の鍵となります。

3.男性の尿漏れに効果が期待できる漢方薬とは?

尿漏れは、骨盤底筋のトレーニングや生活習慣の見直しに加えて、漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は、医薬品として効果が認められており、泌尿器科などで処方されています。

尿もれの解消には「ゆるんだ筋肉を引き締める」「膀胱の機能を正常化する」「自律神経の乱れを整え、排尿のコントロールをよくする」などの作用がある漢方薬を選びます。

<尿漏れにおすすめの漢方薬

・八味地黄丸(はちみじおうがん):加齢に伴い衰えた泌尿器系の働きを高める漢方薬です。疲れやすく四肢が冷えやすい人におすすめです。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):下がってしまった内臓や骨盤底筋に働きかける漢方薬です。食欲不振で元気のない人におすすめです。

漢方薬は、自分の体質に合ったものを選ぶことが重要です。体質との相性が悪いと、効果が得られなかったり副作用が生じたりすることもあります。初めて飲むときは漢方薬の専門家に相談し、自分にぴったりのものを選んでもらいましょう。最近では、オンラインで漢方薬について相談できる「あんしん漢方」のようなサービスもあるのでチェックしてください。

●あんしん漢方

4.尿漏れから解放されよう!

男性の尿漏れは30~40代からでも起こる症状です。トレーニングや生活習慣の見直し、漢方薬の活用などで解消していくことができます。尿漏れを気にせず快適に過ごすためにも、今回紹介した対策をぜひお試しください。

参考サイト
(※1)Kao 花王株式会社「3人に1人が経験あり 専門医が伝授!男性の“ちょい漏れ”対策とトレーニング」
https://www.kao.co.jp/relief/howto/male-urine/

[文:あんしん漢方]

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「尿もれ」に悩む人に今日からできる対策を学ぶ 背景には肥満や加齢の影響も