途中出場で攻撃を活性化した久保。FKは惜しくもGKのファインセーブに防がれた(C)Getty Images

 最も得点の可能性を感じさせたキックもゴールとはならなかった。

 チャンピオンズリーグ(CL)グループD首位のレアル・ソシエダは現地時間11月29日(日本時間30日)、ホームでザルツブルクと対戦し、終始、試合を優位に進めながら得点を奪えず、0-0のスコアレスドローに終わった。後半途中からの出場となった久保建英は試合最終盤にフリーキックでゴールを狙うも、惜しくもキーパーに阻まれCLでの自身初得点とはならなかった。

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 クラブの公式戦では2試合ぶりにベンチスタートとなった久保は、このゲームでは後半29分からピッチに立っている。右サイドを中心にプレーする久保はドリブル、パスで、それまで堅い守りを続けていたザルツブルクのディフェンスを崩しにかかる。

 そして最大の見せ場は後半アディショナルタイムに訪れた。相手陣内ペナルティアーク手前、ゴールほぼ正面で久保がファウルを誘い、レアル・ソシエダフリーキックを得る。自らがキッカーとなり、左足から放たれたボールは壁を越えゴールの枠をとらえたが、ザルツブルクのキーパー、アレクサンダー・シュラーガーに弾かれた。再三、好セーブをみせていたシュラーガーが最後まで、ゴールを許さなかった。

 この日、久保が繰り広げていた、途中出場からチャンスを生んだ動きや、最後のフリーキックはホームスタジアムが一番の盛り上がりをみせたことはもちろん、さらに欧州各国メディアも強い印象を受けたようだ。

 イタリアサッカーサイト『TUTTOmercatoWEB』では、「チームの攻撃を活性化させ、シュラーガーに防がれたが、フリーキックで決勝ゴールに大きく近づいた」として、好機を演出した背番号14のプレーを称えている。

 また、スペインメディア『EL ESPAÑOL』は久保の存在感を強調しながらも、自国クラブが対戦相手の堅守に手を焼いていたと振り返った。「チュリ・ウルディンは何度もチャンスを作ったもののシュラーガーを破ることができなかった」として、ザルツブルグ守護神のパフォーマンスを評しており、「アディショナルタイムでのタケ・クボの魔法でさえ、試合がスコアレスで終了することを防ぐことはできなかった」と綴っている。

 久保にとって久々の得点はお預けとなったものの、僅かな時間でホームの観衆を惹き付けていた。今後、過酷な連戦での戦いとなる中でも、今度こそ試合を決定付ける存在となるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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