「どういうことだ、これは!」ファーストフード店で怒号が飛んだ。客が店員に対して、注文したナゲットの数が違うとクレームを入れている。この漫画を描いたのは、現在カルフォルニア州のロサンゼルスに在住しているkasutera(@kasutera5)さん。「店員にクレームを入れる客」という構図は、日本・アメリカの両方で見る光景だ。ただ大きく違うのは、アメリカでは“客の立場が必ずしも上”という相関図が存在しないということ。

【漫画】本編を読む/この事態はどう収まるのか…?

「理不尽なクレーム=戦いのゴング」なのだという。「ナゲット8個って言っただろうが!」「いや、6個って言いましたよね?」と押し問答をする中、高圧的な客の態度についに店員がキレた!!客もまったくひるまず、「マネージャーを出せ!」と叫び、ついにマネージャーが登場!マネージャーはこの状況を冷静に対応するのか否か…!?“アメリカあるある”のこの現場、一体どうやって終止符が打たれるのか!?

この漫画の作者・kasuteraさんは、現在アメリカでアクターとして活躍中。英語と日本語両方の声優の仕事などもこなしているkasuteraさんに、当エピソードについてや、日本とのギャップについてさらに詳しく話を聞いてみた。

――日本のクレーム対応では、店側が正しくても漫画のエピソードのようにはなかなかいきません。アメリカでは批判を受けたりしないものでしょうか?

アメリカにも"customer is always right"という言葉があります。お客様は常に正しいという意味で、日本の“お客様は神様です”に近いですね。ですので基本的には、店員がへりくだる立場ではありますが、あくまで建前感が強く、実際に日本ほど丁寧な言葉遣いはしませんし接客ももっとラフです。正当なクレームに対しては真摯に対応しますが、理不尽なクレームに対して必要以上にぺこぺこすることはありませんし、それを周りから咎められることもありません。マネージャーには小言を言われるかもしれませんが…(笑)。でもこの漫画のマネージャーのように従業員の味方をするクールなマネージャーもいます!

――ほかにも“日本人仰天のクレーム現場”がありましたら教えてください。

以前メキシカンファーストフードで働いてたとき、ブリトーの注文が入りました。そのお店は注文後に目の前で作っていく形態で、私もお客さんにブリトーの中身をどうするか聞きました。すると彼はお肉や野菜、ソースなど予想以上の量を頼んでくるので、巻くときに破れないようにそれぞれ少しずつ皮に乗せていってたのですが、そのたびに彼はもっと欲しいと言ってきたんです。結局「どうみても巻けねえだろ」っていうぐらいの山盛りになりました。それでも巻いたのですが、案の定皮が破れました。言わんこっちゃない。でも彼の方を見ると、「なにやってんだこいつ」みたいな目をして、文句を言ってきたんです!こっちのセリフだよ!ファーストフードは変なクレーム多いです(笑)。注文されたものを会計すると「高いよ!」ってクレームを言われたこともあります。上にでっかく値段書いてあるがな!

――アメリカでの生活で日本とのギャップを一番感じたことを教えてください。

やはりチップですかね。まだアメリカに引っ越したばかりの頃にレストランで食事をしたのですが、チップを知らなくてそのまま退店してしまい、店員に追いかけられました(笑)。

――チップは戸惑いますよね。海外旅行の際は各所で戸惑います!

レストランだと大抵はレシートの一番下に"suggested tips"が記載されています。簡単に言うと客にチップの支払いをうながすための計算表です。小計のパーセンテージを3つ、そしてそれぞれを足した場合の合計金額が書かれています。本来チップの金額は自由なはずなんですけどね…。数年前まで15%、18%、20%だったんですが、今では18%、20%、25%になっているんですよ!これがあるから外食に行くハードルがぐんとあがるんですよね。

今回紹介したエピソード以外にも、アメリカで実際に出くわした仰天エピソードを漫画化した「アメリカあるある」が満載!kasuteraさんにSNSでの漫画の更新頻度について尋ねると「現在は月に1~3本のペースです」とのこと。日本と異なる規格外のエピソードや、意外と世界共通なのね…とクスッと笑えるエピソードなど盛りだくさんなのでぜひチェックしてみて!

取材協力:kasutera(@kasutera5)

理不尽なクレームに屈することはない!アメリカあるあるが爽快!!