やはり火中の栗は拾われないのか。契約期間中ながら、オプトアウトで巨人を退団した中田翔に、球界浪人説が飛び出している。スポーツ紙プロ野球担当デスクが、その現状を説明する。

「当初、中日との出来レース説が有力だったわけですが、ここに来て二の足を踏んでいる、という情報がある。球団フロント内には中田獲得に異議を唱える声が、日増しに大きくなっているようです」

 獲得見送りに舵を切りそうな理由は、チームメートへのパワハラが明らかになった安楽智大の存在だ。安楽は事件発覚後、楽天と契約更改の無期限延期となっていたが、11月30日NPBに提出した契約保有者名簿に名前が記載されず、自由契約となった。この処置に関しては、球界内から「正当な対応」という声が大半を占めている。それだけに、中田が日本ハム時代に起こした暴力事件に対する処分の甘さが、再びクローズアップされることになったのだ。球界OBが言う。

「確かに暴力事件とパワハラの、どちらの罪が重いとはいえない。でも安楽の処分が中田より重くなるようなら、おかしな話になる。中田を獲得しようと思うチームは、楽天と安楽の今後の対応を見てからになるはず」

 もちろん中田の高額年俸もネックになっている。

「今季の推定年俸は2億4500万円。多少の減額には応じるでしょうが、複数年契約は譲らないでしょう。となれば、総額5億円規模になる。本人が大幅な減額に応じればいいが、プライドもあるし、契約がまとまるかはなんともいえない」(遊軍記者)

 残る手段は巨人に頭を下げて再契約を懇願することだが、一度後ろ足で砂をかけられたチームが応じるわけもない。一歩間違えば、所属チームが決まらない宙ぶらりんの状態になりかねない。

 確かに自ら活躍を場を求めるのは自由だ。だが今回の中田のケースは、完全に読み違いの可能性がある。安楽に八つ当たりしないことを願うが…。

(阿部勝彦)

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