安楽のパワハラ問題においては石井一久前監督にも厳しい目が向けられている(C)CoCoKARAnext

 長嶋一茂氏が世間を騒がせている楽天安楽智大投手の自由契約問題についてコメントした。

 同問題は安楽の後輩複数選手から球団フロントに訴えがあり、発覚。内容は「アホ、バカ」などの罵声を浴びせる、ロッカールームで下半身を露出させるなど、にわかには信じがたいパワーハラスメントのオンパレードだった。

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 球団は訴えを受けて、選手、スタッフら計137人にアンケートを実施。11月30日に会見を行った森井誠之球団社長は、パワーハラスメントに関して「ほぼ事実」と認めた。球団側は直接的な被害を受けたのは10人、見聞きしたのは40人と公表。本人にも聴取し、自由契約とした。

 済美高校から14年にドラフト1位入団、近年は中継ぎエースとして存在感を示していた安楽のパワハラ問題は社会にも衝撃を与えた。30日夕方の報道ニュースや翌12月1日のワイド―ショーなどもこの一件を取り上げた。

 1日に放送された「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列・月~金曜午前8時~)に出演した長嶋一茂氏は同問題について「とても残念だし、恥ずかしい話。憤りもふつふつと湧いてくる。楽天の自由契約という判断は正しかったと思う」とコメント。

 その上で目を向けたのはチームの管理体制の問題だった。下半身を露出させるなどのし烈な行為は人の出入りも激しいロッカールームで行われていたことが明らかになっている。この点に関して長嶋氏は「何で誰も気づかないで、誰も言わないのか。コーチや監督にも責任がある」と断罪。

 続けて「ロッカールームはコーチらがコミュニケーションを取りに行く場。誰か気付くだろう。(見聞きしたのは)40人いるわけですから。ある意味見て見ぬふりをした。組織として、チームとして恥ずかしい」と組織の在りかたを疑問視する場面も。

 さらに本人の今後についても言及。「1回ユニホームを脱がなきゃだめ。ユニホームを脱いで、ボール拾い、グラウンド整備からスタートするべき。野球をやれることの尊さ、ありがたみ、そういうところからやらないと。ゼロからスタートしてほしい」と言葉を継いだ。

「きつい言い方したかもわからないけど、才能もある選手だし(年間で)50試合中継ぎで出るのは大変ですから」と才能を認めながらも「でも、やっぱり子供たちが見ている。彼がどんなに実力があっても子供たちのヒーローにはなれない。1回裏方に回って選手たちをバックアップする。楽天では無理なんでしょうけど、どこかの球団、独立リーグ、社会人もあるわけですから、そこからやり直してもらいたい。怒りしかない。恥ずかしい」と球界OBという立場からも終始、厳しい口調で同問題に言及し続けた。

 会見では被害を訴えた選手に対して、早く救いの手を差し伸べれば良かったという反省のコメントも一部から上がったとされるが、事態は放置され、ドラフト1位選手の「首」にまで発展することになった。

 球団にとっても、これで決着ではなく、再発防止策など含め、ここからが新たなスタートとなる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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