向井理が主演する水10ドラマ「パリピ孔明」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第10話が11月29日に放送され、最終回を迎えた。現代に転生した孔明(向井)の物語が完結へと向かったなか、三国時代の孔明の主君である劉備(ディーン・フジオカ)の登場も注目された。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】英子(上白石萌歌)の歌声に魅了された孔明(向井理)

■現代に転生した孔明の運命は

同ドラマは、「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の累計発行部数160万部を突破した同名コミックが原作。魏・呉・蜀という3つの国が天下の覇権を争っていた中国三国時代の名軍師・諸葛孔明(向井)が現代の渋谷に若かりし姿で転生。歌手を目指す英子(上白石萌歌)を、軍師のごとく成功に導いていくサクセスストーリーだ。

孔明が仕えた蜀の皇帝・劉備をディーン・フジオカ、英子がバイトするライブハウス「BBラウンジ」のオーナー三国志諸葛孔明の大ファンである小林を森山未來が演じる。

最終話は、孔明が「天下泰平の計」総仕上げとして、英子を大型フェス・サマーソニアの舞台に無事に立たせることができるのかが描かれた。それとともに注目されたのが、孔明が元の三国志の世界に戻ってしまうのかだった。

■孔明は英子を見守りながら意識が三国志の世界へ

小林を逆恨みするケイジ(関口メンディー)の妨害にあいながら、孔明の知略によって無事にサマーソニアの舞台に立った英子。そのステージを感慨深く見守る孔明は、英子の歌を聞く笑顔の観客たちを見て、「我が君が目指していたものが、今ここに」とつぶやいた。主君・劉備と目指した戦のない、天下泰平の世を感じたのだ。

英子が憧れだったマリア(アヴちゃん)のステージに呼ばれてデュエットしているとき、孔明の意識が三国志の世界へ。主君である劉備が待つ門へと歩みを進めるところだった。

意識がまた現代に戻り、「あとわずかのようです」と寂し気に言う孔明。隣にいた小林が「あとのことは心配すんな」と告げたものの、「話ができるやつがいなくなっちまうと、つまんねぇな」とためいき交じりに本音を明かすと、孔明は涙をこらえきれなかった。

孔明と劉備の場面は、三国志の有名なエピソード「三顧の礼」に由来する。劉備が孔明を軍師として迎え入れる際、庵を三度訪ねて礼を尽くしたというもの。これまで劇中にたびたび挟み込まれ、孔明が劉備と対面を果たしたとき、孔明は三国志の世界へ戻るのではないかと予測されていた。

■最終回まで視聴者が待ちわびた劉備の登場

フェスが終わり、BBラウンジでの打ち上げ。まだ誰もいないなかで、孔明は英子に歌をリクエストした。英子とのこれまでが思い出される孔明。そのうち、ふいに意識はまた三国志の世界へ飛び、ついに劉備と対面した。

結果として、孔明は三国志の世界に戻ることなく、現代に転生したままというラストとなったのだが、あまりにも別れの雰囲気が漂っていたことで涙する視聴者もいて、「大丈夫でした!」と現代にいることを喜ぶ孔明にツッコみが相次いだ。

そんななか、ディーン・フジオカが演じた劉備は、孔明との対面で「やっとお会いできた、孔明先生」と告げたが、視聴者からも「やっと」という歓喜の投稿が続々と寄せられた。

本作でディーンは中国語ナレーションも担当。公式Xではそれがディーンからの逆オファーであることが明かされたが、三国志とつながる本作の世界観を大いに盛り上げた。ただ、本編での劉備のシーンは少なく、「我が君が登場しますように」と渇望する声が毎話上がるほどだった。

三国時代の衣装がよく似合い、英雄の一人である劉備のスマートさを体現したディーン最終話のオンエアを経て、SNSには「続編あったら劉備も現代に来てくれたらいいのに」「もし続編あったら出番が増えるといいな」といった期待が。さらに、向井理“孔明”&ディーン・フジオカ“劉備”で三国志ドラマを提案する声までも。“我が君”と呼ばれた、ディーン“劉備”は出番が少ないながらも鮮烈な印象を放っていた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

三国時代の英雄・劉備を演じたディーン・フジオカ/(C)フジテレビ