【2023 J1昇格プレーオフ決勝】
2023年12月2日(土)
14:05キックオフ
東京ヴェルディ(3位/75pt) vs 清水エスパルス(4位/74pt)
[国立競技場]

Jリーグ30周年を迎えた記念すべきシーズン。J1からJ3までの優勝クラブが決定している中、最後のJ1行きの切符を懸けた戦いは奇しくも30年前を知る“オリジナル10”の両クラブが聖地・国立競技場で行われる。カップ戦なども含めて両者が国立競技場で対戦するのは今回が10度目。最後の対戦は2004年のJ1・2ndステージ第10節で、東京Vが4-0で清水に勝利した試合。これまでの成績は、東京Vが6勝、清水が3勝という状況だ。

◆15年過ごしたJ2への別れ【東京ヴェルディ

最後にJ1を戦ったのは2008年。今から15年前のこと。当時を知る選手は今の東京Vには1人もいない。クラブ存続の危機も味わった緑の戦士たちの魂は受け継がれ、Jリーグの開幕戦を戦ってから30年目を迎えた今季、再びその国立競技場で大事な戦いを迎える。

昇格POのジェフユナイテッド千葉戦は、先手を奪い続けて2-1で勝利。危なげない試合運びを見せ、1失点こそ喫したが、順当に決勝へと駒を進めた。

武器リーグ最少失点を誇る守備陣。立ち上がりこそサイドからの仕掛けに苦労し、ピンチも迎えたが、GKマテウスを中心としたディフェンスラインは堅さを見せた。

城福浩監督は「一番苦しいときに支え続けてくれた人たちを心にとめながら戦わなければいけない」とコメント。ヴェルディの人としての期間は短いが、長年チームを支えてきた関係者、そしてファン・サポーターの想いを背負って、J1への最後の切符を掴みたいところだ。

また、シーズン前には移籍の噂もありながら残留したキャプテンの森田晃樹は「ヴェルディをJ1に上げた男になりたい」と開幕前に決意を語ったが、あと1つで有言実行となる。千葉戦では決勝ゴールを記録。その想いをピッチでぶつけたい。

今季は2戦2敗。それでも国立での対戦成績には分がある。ホームの大観衆を支えに、16年ぶりのJ1の舞台へ華麗に返り咲けるのか注目が集まる。

★予想スタメン[4-4-2]
GK:マテウス
DF:宮原和也、林尚輝、谷口栄斗、深澤大輝
MF:中原輝、森田晃樹、稲見哲行、齋藤功佑
FW:染野唯月、染野唯月
監督:城福浩

◆1度は手放した切符を掴み取れるか【清水エスパルス

失意のJ2降格から1年…あと一歩、手が掛かりかけたJ1の切符を最終節で手放してしまう悲劇から3週間が経過。清水は再びその切符に片手を掛けている。

開幕5戦連続ドロー、その後に連敗と1年での復帰を目指した中で厳しいスタートを切った清水。その中で招へいされた“熱血漢”の秋葉忠宏監督の下、チームは息を吹き返した。

その後も常に順風満帆とはいかなかったが、細かい修正を繰り返し、時には監督が発破をかけてモチベーションを上げていった。J2屈指のタレントが揃った中、夏場から秋にかけては14戦無敗を記録。チームとしての完成度を高めていったが、あと1つ足りなかった。

今シーズンの東京V戦は2連勝。1試合目は秋葉監督のリーグ戦初陣であり、チームのリーグ戦初勝利を記録した試合。そして2試合目はおよそ4カ月前に鈴木唯人(ブレンビー)のゴールで勝利をした試合だ。

今季3度目の対戦。秋葉監督は「2023シーズンの最後にして、最大で最高のビッグマッチ」とこの試合を表現。「最後は執念、執着、どっちがJ1でプレーしたいのか、勝つための野心的なプレーができるかどうかだと思っています」と熱い想いを語った。

また今季は10ゴール10アシストを達成している乾貴士も「チャレンジャー精神でしっかり全てをぶつけて、最後勝って、みんなで笑って昇格したい」と意気込み、大舞台を何度も経験した中で、大事な一戦に懸ける思いは強いはずだ。

泣いても笑ってもラストゲーム。勝たなければ未来は開けない清水が90分をどうマネジメントするのか注目だ。

★予想スタメン[4-2-3-1]
GK:大久保択生
DF:原輝綺、高橋祐治、鈴木義宜、 山原怜音
MF:白崎凌兵、ホナウド
MF:中山克広、乾貴士、カルリーニョス・ジュニオ
FW:チアゴ・サンタナ
監督:秋葉忠宏