チョン・ウソン&シン・ヒョンビン主演の韓国リメイク版「愛していると言ってくれ」第1、2話が11月27日、28日にそれぞれ配信された。旅先で偶然知り合ったジヌ(ウソン)とチョン・モウン(ヒョンビン)が引き寄せられるように再会する様子が、美しく静謐(せいひつ)な世界観とともに描かれた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】ジヌとモウンの穏やかな表情が印象的なポスターカット

済州島で出会った2人がソウルで再会

今作は、日本で放送された北川悦吏子脚本のドラマ「愛していると言ってくれ」(1995年TBS系)が原作。聴覚障害のある画家ジヌと、アルバイトをしながら俳優としての成功を夢見るモウンが絆を深めていく姿を描く。

第1話の舞台は風光明媚な済州島スケッチ旅行に来たジヌと映画の撮影に参加していたモウンが、偶然のいたずらで何度も顔を合わせる様子が描かれた。その後、旅から戻った2人は偶然にもソウルで再会。第2話からは連絡先を交換し、徐々に互いを知っていく様子がつづられていく。

■チョン・ウソン“ジヌ”の温かい人物像

ジヌ役のウソンは、日本でもヒットした映画「私の頭の中の消しゴム」などで主演を務め、韓国では“ラブストーリー職人”とも称えられたロマンス演技の名手。本作が自身11年ぶりの恋愛ドラマとあって、配信開始前から話題になっていた。ウソンはオリジナル版の「愛していると言ってくれ」に深く感銘を受け、10年以上前から韓国リメイク版の実現を熱望していたという。

今回演じるジヌは、穏やかで包み込むような温かさを備えた人物だ。モウンに「絵を描くんですね」と言われてほほ笑みながらスケッチブックを見せるしぐさや、モウンとインスタント麺を食べながらスマホを使ってうれしそうに「久しぶりに、とても騒がしい感じ」と伝える場面の優しいまなざしに癒やされる。手話がまったくできないモウンと一生懸命コミュニケーションをとろうとする姿もとてもチャーミングだ。

一方で、聴覚障害のある学生たちに美術を教えるシーンでは、モウンに対する時の物静かな雰囲気とは打って変わり、手話を自在に操って生き生きとアートについて語る姿も。表情豊かに学生たちと言葉を交わす姿からは、手話がジヌにとっていかに安心できる言語なのかがよく分かる。

■現代ならではのコミュニケーションツールも活用

じんわりと温かいジヌの人柄にモウンが好意を持ち始める流れも、とても自然だ。雷雨のシーンでそっと自分の耳をふさぎ「音もなく降る雨も、悪くないわね」と一人つぶやいたり、ジヌが手話で何と言ったのか知りたくて、スマホで手話の動画を一つ一つ検索してみたり。モウンは、ジヌと彼を取り巻く“音のない世界”に少しずつ心を寄せていく。

1995年のオリジナル版ではファクスがコミュニケーションツールの一つとして重要な役割を果たしたが、2023年の韓国リメイク版ではモウンが手話の意味を検索して調べたり、ジヌがスマホのアプリでモウンの言葉を読み取ったり、現代ならではのツールを活用するシーンが自然に取り入れられ、違った趣きを見せている。

■風光明媚な済州島の風景も…目を奪う美しい世界観

美しい映像も本作の特色の一つだ。1話では、満開の桜並木と菜の花畑、どこまでも続く海辺など済州島の美しい風景が登場する。「僕は目で音を読む」と語るジヌ。美しい風景描写は、“見る”ことで世界を知覚するジヌの豊かな内面世界を思わせる。

その一方で、印象深い“音”もいろいろと聞こえてくる。例えば済州島でジヌとモウンが雷雨に見舞われるシーンでは、大きな雷の音にモウンだけが不安そう。だが、彼女が耳をふさぐと雷の音は小さくなる。まるで旅先でジヌと出会い、“私は今、一人じゃない”と安らいだモウンの思いを象徴するかのようだ。

他にも、アイスコーヒーのカップの中で氷が楽しげに踊るカラコロという音や、オーディションで悔しい思いをしたモウンが台本をクシャッと丸める音など…言葉を発しないシーンが多いからなのか一つ一つの音がくっきり聞こえ、かえって見る者に“音のない世界”を意識させる効果を生んでいる。

美しい世界観の中で、ゆっくりと互いを意識し始めたように見えるジヌとモウン。12月4日(月)配信の第3話からは、ゆっくりと関係を深めていく2人の日常が描かれる。

「愛していると言ってくれ」はディズニープラス スターにて独占配信中(全16話/毎週月・火曜1話ずつ配信)。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

済州島の海辺で出会ったジヌ(チョン・ウソン)とモウン(シン・ヒョンビン)/(C) 2023 KT Studio Genie Co., Ltd/原作 日本のテレビドラマ「愛していると言ってくれ」(脚本 北川悦吏子・製作 TBS)