森﨑美月

 女優、モデルの森﨑美月が、石川恋主演の真夜中ドラマ『猫カレ -少年を飼う-』(BSテレ東 土曜・深夜24時〜放送中)に出演。森﨑は森川藍(演・石川恋)と同居している遠野凪沙(演・齋藤潤)の高校の同級生・志田こころを演じる。『Seventeen』専属モデル森﨑にとって本作が初の連続ドラマレギュラーの出演となる。幼い頃は言葉で感情表現することが苦手だったという森﨑。そのときの感情を絵で表現していたこともあったという。そんな森﨑が演じる志田こころは美術部で、絵を描くことが好きという共通点がある。インタビューでは、志田こころを演じるにあたりどのようなことを考えていたのか、撮影現場での発見や森﨑がよく聴いている音楽について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

祖母と一緒にいるときの気持ちで

村上順一

森﨑美月

――出演が決まったときの心境はいかがでした?

 「連ドラ決まったよ」と聞いた時は、すごく嬉しくて撮影をワクワクしていました。それと同時に私で大丈夫かなといった不安もありました。それは、現場の雰囲気もほとんど味わったことがないので、皆さんに迷惑かけてしまわないかという不安でした。

――志田こころは森﨑さんと同年代ということもあり、ご自身と重なるところも多かったんじゃないかと想像しました。事前準備はどんなことをされました?

 こころちゃんは絵が好きで、私自身も絵を描くことが大好きなんです。性格面で私は割と元気な感じで、こころちゃんはおっとりしています。こころちゃんのような雰囲気ではないので、そういう風に見せるにはどうすればいいだろう? と考えました。

――どうされたんですか。

 気づいたのが、私は祖母と一緒にいると安心する、落ち着くことが多かったので、祖母と会っているときのような気持ちで撮影に臨もうと思いました。また、学校でおっとりしている子がいたので、その子を観察してヒントを得ていました。

――性格的にはちょっと違う部分があったんですね。絵がお好きとのことですが、好きになったきっかけはあったのでしょうか。

 私が3歳頃に母が鉛筆と紙を興味本意で渡してみたところ絵を描き始めたとのことでした。普通3歳の頃の絵といったらぐしゃぐしゃで何を描いているかわからないと思うのですが、目、口、鼻といった人物っぽいものを描いていたらしいんです。

――人に興味があったんですね。

 もしかしたらその頃から人間観察が好きだったのかもしれないです(笑)。母は“この子は絵を描くことが好きなんだ”と勝手に思ったみたいで、絵画教室、図工教室に通わせてくれて、より絵を描くことが好きになりました。いま通っている学校も音楽と美術の選択科目があるのですが、美術を選択して頑張っています。

――そんな森﨑さんがモデルや俳優に興味を持ったのはいつ頃からですか?

 私は小学校低学年の頃から、映画やドラマを観るようになったのですが、その時は感情移入とかはなくただ見ているだけでした。でも、私が好きな女優さんの石原さとみさんが出演されていたドラマ『アンナチュラル』(TBSテレビ)を観て、心の底から湧き上がってくるものがあり、感情移入しながら観れたことがお芝居への興味に繋がりました。それが小学5年生くらいだったと思います。

――絵で感情表現をしていた森﨑さんが、自分の体を使って表現したくなったんですね。

 そうなんです。それまでは感情を表面には出すことはあまりなくて、家に帰って絵に全ての感情を注ぎ込んでいました。ドラマ『アンナチュラル』見て体で表現することができる世界があるんだと知り、ここなら自分を表現できると気づいて、石原さとみさんへの憧れとお芝居への興味を持ってこの道に進みたいと思いました。

――絵に感情を落とし込んでいたときはどんな絵を描いていたんですか。

 私が母から聞いたのは、悲しい時はわかりやすく泣いている絵を描いていたみたいです。

――絵や言葉ではなくジェスチャーで物事を表現することもあったんですよね。たとえばお父さんを表すときは頭を叩いているみたいなポーズをしたり。

 はい。父が育毛剤をつけている姿がすごく印象的で、私の中でこれが父なんだと思って、父を呼ぶときのポーズでした(笑)。昔は語彙力がなくてしゃべらずに表現をしていたのですが、だんだん人と話すのが好きになってきました。

――森﨑さんは笑顔も印象的で、その笑顔を見ると元気になれると周りの方から言われることもあるんですよね。

 そう言っていただけることがすごく嬉しくて。私の笑顔で誰かが元気になってもらえたら、というのは夢の一つです。

――今ご自身の中でこの人の笑顔、素敵だなと思う方はいますか。

 CMに出ている方の笑顔を最高です。「この商品買いたい!」って思います(笑)。特に素敵だなと思うのは石原さとみさんです。太陽のような笑顔を見て私もハッピーになります。

志田こころに影響されたお弁当作り

村上順一

森﨑美月

――ドラマ『猫カレ -少年を飼う-』で注目してほしいところは?

 こころちゃんが落ち込んでいるところで、励ましあう姿が描かれているところや、こころちゃんが恋心を抱いている鹿目先生(演・内藤秀一郎)との関係性が見どころです。そして、齋藤潤さん演じる遠野凪沙との友情にも注目してもらえたら嬉しいです。

――こころがお弁当を作ってきたシーンもありましたが、森﨑さんもお弁当を作ったりされます?

 私は母にお弁当を作ってもらっているので、まだ自分でお弁当を作ったことはないんです。でも、最近お弁当に興味が出てきました。それはこころちゃんからの影響なのですが、お弁当を作れたら女子力が高いなと思いました。そのはじめの一歩として、母が作ってくれたおかずを自分のお弁当箱に詰めてみました。自分でやったら緑だらけになってしまって、改めて彩りって大事だなと思いました。これから料理はちょっとずつ練習して、高校生の間にお弁当を一人で全部作れるようになりたいです。

――得意な料理は?

 ひとつだけ自慢できるおかずがあって、それは玉子焼きなんです。私は玉子料理が好きなので、自分で玉子焼きを作ってみようと思いました。はじめて作った玉子焼きは塩とか入れ忘れてしまい味がなかったのですが、今ではコンソメ味にしたり、アオサや青のりを入れて味変して楽しんでいます。

――バリエーションも広がっているんですね。さて、撮影を通して発見したことはありますか。

 役者さんのオンとオフです。それがはっきりしていて、現場の雰囲気がガラッと変わることを肌で感じました。私もオンとオフを切り替えられるようになりたいなと思いました。スタッフさんへの気遣いだったり、役者さんへの心配りができるようにしていきですし、それと同時に演技の質もあげていきたいです。

――今はずっとオンなんですね。

 そうなんです。私はほとんどオフの瞬間がなくて。齋藤さんはすごくオンとオフの使い分けが上手でした。オフの時はもう「ザ・男子高校生」って感じで笑顔も素敵で、凪沙のようなほわっとした感じが全然ないんです。

――森川藍を演じる石川恋さんは、どんな印象を持ちましたか。

 私はそんなに多くお会いできてないのですが、笑顔が絶えない方で、オーラを感じました。私もいつか石川さんのような女優としてのオーラを纏えるようになりたいです。

――これからの目標ですね。さて、演技の質を上げていきたいとお話しされていましたが、今どのような課題がありますか。

 演技レッスンがあって、台本を使って練習しているのですが、演じる人物の感情にすぐに切り替えるというのが本当に難しくて苦戦しています。その人になりきるのではなくて、その人になるということなのですが、自然体のままその人物になって、表現するというのがまだ全然できていなくて。パッと切り替えられるように頑張っています。

森﨑美月のモチベーションが高まる音楽とは

村上順一

森﨑美月

――MusicVoiceでは音楽についてお聞きしているのですが、森﨑さんは普段音楽は聴かれますか?

 私はJ-POPが好きで、プレイリストを作って聴いたりしています。特にアコースティックギターが入っていて、歌詞が素敵な音楽が好きなんです。優里さんの「ドライフラワー」、「ベテルギウス」、「ビリミリオン」をよく聴いています。「ビリミリオン」は人生の意味を考えさせてくれる曲で、優里さんの優しい声とマッチしていて好きなんです。それに加えて最近、洋楽も好きになりました。英語が苦手なので英語の勉強にもいいかなと思って聴いています(笑)。

――この曲を聴くとモチベーションが高まる、元気になる曲はありますか。

 Adoさんの歌を聴いてテンションを上げています。また、最近ハマっているのは韓国のダズビーさんが歌っている「回る空うさぎ」です。すごく優しい声の曲で、テンションを上げるとは違うのですが、すごく癒しになっています。

――最後に見どころをお願いします。

 胸キュンがたくさんあります。私は藍と凪沙が向かい合わせでご飯を食べているところや2人で同じソファーに座っているシーンがすごくかわいくてキュンとしました。どの年代の方が見てもキュンキュンしちゃうようなシーンがあるので、ドキドキしたいという方は、ぜひこのドラマを観てキュンキュンしてほしいです。

(おわり)

番組情報

『猫カレ -少年を飼う-』

BSテレ東:毎週土曜日24:00~放送中
テレビ大阪:毎週土曜日24:55~放送中

【配信情報】

Lemino:1週間先行配信
ネットもテレ東テレビ東京HP、TVer):テレビ大阪での放送直後より配信

【スタッフ】

原作:青井ぬゐ「少年を飼う」(ゼノンコミックス/コアミックス)
監督・脚本:佐伯竜一、的場政行
脚本:岡庭ななみ、鈴木薫、目黒啓太
プロデューサー:瀧川治水(BSテレ東)、庄島智之(ファインエンターテイメント)
コンテンツプロデューサー:浅岡彩子(BSテレ東)、髙橋一馬(BSテレ東)、渡辺瑞希(BSテレ東)
制作:BSテレ東、ファインエンターテイメント
制作著作:「猫カレ –少年を飼う-」製作委員会2023