セリエA第14節が12月2日に行われ、ミランとフロジノーネが対戦した。

 ミランは今季のセリエA開幕から8試合で7勝1敗と好スタートを切った後、第9節ユヴェントス戦(●0-1)から4戦未勝利が続いていたが、前節はフィオレンティーナとの激闘を1-0で制し、5試合ぶりの白星を掴んだ。1-3で敗れたチャンピオンズリーグ(CL)のドルトムント戦から中3日で迎える今節は、セリエAでのホーム連戦となり、ここまで5勝3分5敗のフロジノーネと激突。ミランは最終ラインに負傷者が続出している関係もあり、テオ・エルナンデスが左のセンターバックに入る布陣に。出場停止のオリヴィエ・ジルー不在の最前線にはルカ・ヨヴィッチが入った。長らく戦線を離脱していたイスマエル・ベナセルがベンチに戻ってきている。

 ミランは23分、ペナルティエリア手前で左コーナーキックの跳ね返りを拾ったサムエル・チュクウェゼが思い切り良く左足を振り抜くも、シュートはディフレクションしてゴール右へ。対するフロジノーネは31分、自陣左サイドからドリブルをスタートしたアンソニー・オヨノがペナルティエリア手前までボールを持ち運び、自ら右足を振ったが、シュートは枠を捉えきれない。

 この試合最大の決定機は42分、フロジノーネに訪れる。ミランの最終ラインのフィカヨ・トモリからボールを奪ったマービン・チュニがペナルティエリア左までボールを持ち運び、GKと1対1のチャンスを迎える。しかし、右足で浮かせたシュートはGKマイク・メニャンに阻まれ、先制点とはならなかった。

 その直後、今度はミランがチャンスを作り出す。同じく敵陣でビルドアップを引っ掛けたクリスティアン・プリシッチが中央へ渡すと、ボールはルベン・ロフタス・チークを経由してチュクウェゼへ。ペナルティエリア右から左足で上げたクロスボールは相手にクリアされたものの、セカンドボールにヨヴィッチが反応。ダイレクトで左足を振り抜き、ボレーシュートを突き刺した。ミランが先手を取ってハーフタイムに突入している。

 後半に入ると再びミランが攻撃へ。50分、GKメニャンが最後尾でボールを持つと、右足で最前線へロングフィードを蹴り込む。最終ラインの裏へ抜け出したプリシッチは見事なファーストタッチで相手の前に入り、ペナルティエリアまで侵入すると、タイミングを見て右足でゴールネットを揺らした。ミランがスピーディな攻撃で追加点を記録している。

 2点をリードしたミランはフロジノーネに攻め込まれる時間もあったが、無失点で凌ぎ切り、74分にはセットプレーでゴールに襲いかかる。左コーナーキックをショートで繋ぎ、ペナルティエリア手前左で待っていたテオが左足でアーリークロスを送ると、ファーサイドへ走り込んだヨヴィッチが頭で折り返す。最後はトモリがダイレクトで押し込み、ミランが勝利を決定付けた。

 ミランは79分、ロフタス・チーク、タイアニ・ラインデルス、プリシッチを下げて、ヤシン・アドリ、トンマーゾ・ポベガ、そしてベナセルをピッチへ送り出す。ベナセルは昨季のCL・準決勝ファーストレグのインテル戦以来となる公式戦出場となった。

 だが、その直後にはフロジノーネがセットプレーから1点を返す。敵陣右サイドフリーキックを獲得すると、ブレシャニーニが左足でクロスボールを送る。これがボックス内でバウンドしてゴール方向へ。飛び込んだカレブ・オコリをかすめてゴールに吸い込まれ、フロジノーネが点差を縮めた。

 試合はこのままタイムアップ。ヨヴィッチの今季初ゴールなどで3得点を挙げたミランが今季3度目の連勝を飾り、インテルユヴェントスを追随する勝ち点「3」を積み上げた。一方、フロジノーネは0-2で敗れた前々節インテル戦以来の黒星を喫している。

 次節、ミランは9日に敵地でアタランタと対戦する。一方、フロジノーネは10日にトリノをホームに迎える予定だ。

【スコア】
ミラン 3-1 フロジノーネ

【得点者】
1-0 43分 ルカ・ヨヴィッチ(ミラン
2-0 50分 クリスティアン・プリシッチミラン
3-0 74分 フィカヨ・トモリ(ミラン
3-1 82分 マルコ・ブレシャニーニ(フロジノーネ)

ハイライト動画】ヨヴィッチが1ゴール1アシストの活躍!

今季初得点に加えアシストでも勝利に貢献したヨヴィッチ [写真]=Getty Images