中国の北京市在住のカップルは、新しいアパートに引っ越してから体調不良に悩まされていた。そして入居して約6か月が経過した頃、水道の蛇口からトイレの水が出ていたことが判明した。お風呂や料理にもトイレの水を使っていたことが分かり、カップルは現在、賃貸会社に損害賠償を請求している。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

中国の首都、北京市に住むタンさん(Tan)は今年5月、交際中の女性と一緒に新しいアパートに引っ越してきた。しかし、入居してすぐに2人とも原因不明の咳や胸の圧迫感が続き、さらにタンさんは抜け毛やニキビなどにも悩まされ始めた。

原因が分からないまま約6か月が経過した頃、タンさんは1万中国人民元(約20万9000円)の家賃は払っていたものの、水道料金をまだ一度も支払っていないことに気付いた。水道代が未払いなら、本来であれば水道が止められていたはずだが、引っ越してからこれまで問題なく水道が使えていた。不思議に思ったタンさんは、メーターを自分なりに調べてみることにした。

いつものように蛇口をひねってみると、問題なく水が出てきたが、肝心のメーターは回っていなかった。何かがおかしいと思ったタンさんは配管工に連絡し、詳しく調べてもらうことにした。そして先月22日、配管工の調査でショッキングな事実が明らかになった。

水道水の配管と中水(トイレを流す時や車の洗浄などに使う目的で再利用される家庭用排水)や雨水などが流れる配管が、余分なパイプで繋がっていることが分かった。つまり、蛇口からは水道水ではなく飲料に適さない品質の水が流れており、タンさんとタンさんのガールフレンドはこの半年間、お風呂や料理、飲み水までもこの水を使用していたのだ。

中水は摂取だけでなく、体に触れることも避けるべき水だと報道されており、この水が原因でタンさんたちは体調不良に悩まされていたようだ。

幸いにも、調べてくれた配管工が配管を修理してくれたため、水道水とトイレの水をしっかりと分けることができた。しかし半年間も健康被害に苦しんだタンさんたちは、部屋を借りるのに利用した住宅リースサービスを提供する会社「Ziroom」に対し、貸し出す前に適切な検査を行わなかったと主張し、損害賠償を請求している。

報道によると、このアパートには近隣の井戸水が中水として引かれていたようだが、タンさんたちは部屋を契約する際に、そのような水が利用されていることを知らされていなかったと言い、「もし私が体調不良を起こさなかったら、今回の問題に気付かなかったでしょう」と話している。

この主張を受けて、Ziroomは「この問題は家主の判断によるものです」と強調した。この問題の補償については、まだ合意に至っていないと報じられている。

なお、中水にも使用料が発生し請求されている可能性もあるが、タンさんが支払っていたのか、家賃に含まれていたのかなどは明らかにされていない。

ちなみに2020年11月には中国遼寧省の一部地域で、蛇口から出た水道水が燃える事態が発生し、自治体は天然ガスが水道水に混ざってしまったことで着火してしまうのではないかという見解を示していた。

画像は『New York Post 2023年11月28日付「Couple horrified to discover they’ve been drinking toilet water for 6 months」(Jam Press)』『LiveLeak.com 2020年11月24日付「Fire-breathing faucet? Household tap water ignited with lighter in China」』『Daily Record 2022年8月21日付「Scots teacher with terminal brain cancer blames ‘blue water and toxic chemicals’ at school」(Image: Tony Nicoletti/Daily Record)』『The Indian Express 2022年7月21日付「Days after drinking water from Kali Bein, Punjab CM Bhagwant Mann in hospital」』『Law & Crime 2023年3月27日付「WATCH: Louisiana government employee arrested after allegedly being caught on camera peeing in city’s drinking water supply」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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