井岡の優位は動かない。しかし、ペレスの覚悟も相当のものだ(C)Getty Images

 ボクシングWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)が、12月31日に東京・大田区総合体育館で、同級8位ジョスベル・ペレスベネズエラ)を相手に初防衛戦を行なう。これがプロ34戦目となる井岡は通算12度目の大晦日のリングとなる。

 カード発表となった先月27日の両選手による会見では、1年最後の日の戦いへ臨む井岡の決意が語られている。しかし同時に、噂されていたWBC王者フアンフランシスコ・エストラーダとの統一戦が実現とならなかったことで、ファンからはさまざまな反応が上がっていたことも事実だ。

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 それでも、ベルト防衛を見据える王者・井岡は「期待に応えられるように今年の大みそかも最高の日にしたい」と力強い言葉を残している。また、リモートで会見に参加したペレスも「最高の試合をみせたい」と意気込みを語っていた。

 28歳のペレスは、これまで世界タイトル奪取の経験は無い。しかし、試合決定以降、海外では大晦日に敵地での王座戴冠を見据えた、並々ならぬ意欲も報じられている。世界の格闘技情報を発信する米国メディア『NotiFight』で挑戦者の言葉が伝えられており、こちらは同サイトによるインタビューとして、大一番への自信に満ちた多くのコメントが並んだ。

 12月2日配信となった「ジョスベル・ペレス、イオカのベルトを奪う準備中」と銘打たれたトピックの中で、「この試合に向けて、ペレスアルフレド・カバジェロの指導の下、メキシコでトレーニング・キャンプを行っている。イオカとの対戦を恐れてはいない」と試合へ向けた調整の様子などが綴られている。

 さらに、ペレス自身が大みそかの試合に向け、「僕にはとても、とても完成されたチームがある。このビッグファイトのためのキャンプには本当に満足している。イオカはとてもタフで強い相手だが、彼からベルトを奪い、ベネズエラに持ち帰るために全力を尽くす準備をしている」と語った意気込みを紹介。

 加えて、「我々は非常に完璧で良い仕事をしている。リングの上で死んでも構わないと思っており、今その偉大な勝利を得るために全力を尽くしている」として、チャレンジャーとして抱く覚悟を表現している。

 ペレスがこれまでのキャリアで記録している20勝(3敗)のうち、KO勝ちは18度。年齢では6歳上にあたる日本人王者に対し、注目を集めるビッグマッチのリングで大番狂わせを起こすことができるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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