松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。12月3日放送の第46回「大坂の陣」で、ついに家康(松本)が14年ぶりの大戦に踏み切った。戦場で、娘・千姫(原菜乃華)を案じる秀忠(森崎ウィン)が家康に「もうやめてください!」と泣き崩れる姿が印象的に描かれた。(以下、第46回までのネタバレがあります)

【写真】ド派手な衣装の作間龍斗“豊臣秀頼” 「どうする家康」第45回より

■「こんなの戦ではない!もうやめろ!」

誰もが知る戦国武将・徳川家康の人生を、一人の弱き若者の成長物語として描いてきた「どうする家康」。第46回では、方広寺の鐘に刻まれた言葉をきっかけに徳川と豊臣がついに決裂。14年ぶりの大戦が始まった。家康は全国の大名に呼びかけ、30万の大軍で大坂城を包囲。三浦按針(村雨辰剛)に用意させたイギリス製大筒も配備し、万全の体制で戦況を有利に進めた。

だが、大坂城内には豊臣秀頼(作間龍斗)に嫁いだ千姫がいる。家康が大坂城に砲弾を撃ち込むと、秀忠は家康のあまりに冷酷な決断に「やめろ!こんなの戦ではない!父上!もうやめろ!」と泣き崩れた。

■「負ける自信がある!」凡庸なプリンス・秀忠

第45回「二人のプリンス」では、家康に「私と秀頼の戦いになったら私は負けます。負ける自信がある!」と言い放ち、視聴者からも「素直!」の声が上がっていた秀忠。本多正信(松山ケンイチ)から“偉大なる凡庸”と言われても納得し、清々しいまでの自信のなさを見せている。

そんな秀忠が戦場で娘を思い、傷つき泣き崩れる姿に視聴者からも「真っすぐで純粋な秀忠にもらい泣きした」「娘を思う秀忠。泣きじゃくる姿、つらくて見ていられない…」「『こんな戦はやめろ』という感覚を持っている秀忠だから、家康は自分の後継者に決めたんだな…」といった声が寄せられた。

自分は偉大な父の才を受け継いでいないという秀忠。だが、家康の思いは違う。秀忠に「そなたはわしの才をよく受け継いでおる。弱いところじゃ。その弱さを素直に認められるところじゃ」と話して聞かせた家康。若き日の家康も、大高城で織田軍に包囲されて逃げ出し、三河に向かう途中に逃げ込んだ大樹寺で腹を切ろうとし…と、自分の弱さと戦ってきたのだった。

自分の弱さを知る者こそが乱世を終わらせる。秀忠の持つ弱さ素直さは、家康にとっての希望だ。乱世を生き延びる中でそれを自ら捨ててきた家康は、自分が乱世の幕引き役を担うことを決意。泣き崩れる秀忠を見ながら「これが戦じゃ。この世で最も愚かで、醜い、人の所業じゃ」と涙を流した――。

戦のない世のためすべてを背負う悲痛な覚悟をした家康にも、視聴者から「鬼になってすべてを引き受ける家康、つらすぎる」といった声が続々。家康と秀忠がそれぞれの思いで涙を流すシーンは多くの注目を集め、放送後にはSNS上で「#どうする家康」「これが戦じゃ」「人の所業」といった関連ワードが続々とトレンド入りする反響を呼んだ。

撃ち込まれた砲弾で千や茶々(北川景子)に危険が及ぶ場面で幕を閉じた第46回。12月10日(日)は、続く第47回「乱世の亡霊」を放送する。

「負ける自信がある!」森崎ウィン“徳川秀忠” 「どうする家康」第45回より/(C)NHK