生理前の腹痛に悩まされている女性必見!

「生理痛がひどくて、毎月鎮痛剤で乗り切っています」という女性は少なくありません。女性の3人に1人は「下腹部が痛い」「下半身が重い」などの生理痛の症状に悩まされているのだとか。ひどい生理痛で寝込んでしまうことや、生理のたびに鎮痛剤が手放せないという状況が続くのはキツイですよね。このようなひどい生理痛を緩和する方法は鎮痛剤以外にないのでしょうか?

そこで今回は「生理痛を痛み止め無しで過ごしたい」と思った時に、体の内側から体質を改善する方法について、あんしん漢方顧問で精神科医・漢方医の木村好珠先生に聞いてみました。

生理中の腹痛の原因とは?

生理前の腹痛がひどい原因は主に三つ

①痛みの原因となるプロスタグランジンが分泌される

女性の体は、毎月卵巣から卵子を排出する「排卵」があります。排卵が始まると、子宮では子宮内膜を整えて、赤ちゃんが宿るためのベッドを作るように受精卵の受け入れ準備に入ります。

その後、受精しなければ子宮内膜は必要なくなるので、剥がれ落ちて体外へ排出されますが、この時に生理痛が発生するのです。

生理中に不要になった子宮内膜を体外へ排出する時、「プロスタグランジン」という成分が分泌されます。このプロスタグランジンは子宮収縮を促す成分なので、痛みが発生して生理痛となってしまうのです。

②子宮の出口が狭いために痛みが発生する

生理中は子宮内膜や血液が体外へ排出されますが、その際子宮の出口が狭いとスムーズに排出されにくくなるため、痛みを感じやすくなってしまいます。とくに、20~30代の出産経験がない女性は子宮の出口が狭いことが多く、生理痛に悩まされる人が多いのです。

③ホルモンバランスの乱れから痛みが発生する

生理前後にホルモンバランスが乱れてしまうと、血行不良を引き起こすため、体が冷えてしまいます。

私たちの体は、冷えると痛みの原因になるプロスタグランジンが子宮内で停滞してしまいます。そのため、過剰な収縮により痛みが発生して生理痛の症状が出てしまうのです。

生理前の腹痛が改善する方法

生理痛も悩ましいものですが、生理前の不快な症状である月経前症候群PMS)でも腹痛が起こる場合があります。月経前症候群PMS)による腹痛は、女性ホルモンの卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌バランスが悪くなることが原因で起こります。

つまり、月経前症候群PMS)での腹痛と生理痛が両方ある女性の場合、月のうちの4分の3は痛みを感じていることになります。このようにつらい痛みを長期間ガマンしている女性に、今回は生理前から生理中の腹痛を改善する方法をご紹介します。

生理前の腹痛を和らげるツボ

生理前の腹痛や生理痛を、痛み止めなしで過ごしたいと思う女性にオススメなのが、生理痛を和らげるアプローチをしてくれるツボ押しです。

そこで今回は、生理痛を和らげるツボについてご紹介します。ツボを押す時は、爪を立てずに指の腹で5秒ほど刺激していきましょう。

・血海(けっかい)

膝のお皿の上部で太ももの内側。足を伸ばした時にできるくぼみの少し上の箇所。血の巡りを整えてくれるツボなので、むくみがちな人にオススメです。

・三陰交(さんいんこう)

内側のくるぶしの高いところから指幅4本分上のところの、筋肉と骨の先目の場所。ホルモンバランスを整えるために効果が期待できるツボです。

生活習慣の改善

ホルモンバランスを整えるためにも、生活習慣を改善していくことはとても大切です。そこで、生活習慣の改善のためのポイントをご紹介します。

・体を冷やさないこと

体の冷えは、生理痛を引き起こす大きな原因です。とくに下半身の冷えは、体の痛みや血の巡りを悪化させる大きな要因に繋がります。普段から体を冷やさず温めるように意識することは、生理痛緩和のためにも大切です。

温かい飲み物を飲む、ゆっくり湯船に浸かる、腹巻きをする、薄着を避けるなど、日常生活の中で意識的に体を温めていきましょう。

・バランスの良い食事を摂ること

生理痛の痛みやPMSの腹痛を改善していくためには、バランスの良い食事を摂ることが大切です。

ホルモンバランスを整えるためには、女性ホルモンの元になる「タンパク質」を積極的に摂取しましょう。

また過剰な子宮収縮を抑える効果が期待できる「マグネシウム」も、意識的に摂取するといいでしょう。

タンパク質はお肉に偏らず、大豆を摂ることがオススメです。大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があるため、ホルモンバランスを整える効果が期待されます。

また、大豆にはマグネシウムも含まれるので、子宮の痛みが起こる生理痛の緩和に役立ちます。

漢方のチカラで体の内側から改善

「つらい生理痛に悩まされながら、毎回鎮痛剤で乗り切っていたけれど、そろそろ生理痛から解放されたい!」そんな要望に応えてくれるのが、漢方薬です。

漢方薬は、医薬品として効果や安全性が認められており、女性の生理などのホルモンバランスにも効果を発揮します。症状を抑えるために働くというより、症状を引き起こしている原因に向かって働きます。たとえば頭痛の場合、痛みを取ることを優先するのではなく、原因と考えられるストレスによる交感神経のアンバランスや緊張による血流の滞り、冷えやのぼせなどに働きかけ、根本的な原因の改善を目指します。それによって、同じ症状を繰り返さない体に変えていくのです。

また、漢方薬は、一般薬のような主に単一成分の合成薬とは異なり、多様な成分が含まれている生薬を何種類も組み合わせて作る薬です。

メリットとしては、以下の3点があります。

  1. 自然の素材が体にやさしく働くため、一般的に副作用が少ないといわれている
  2. 一人ひとりの今の状態に合わせて生薬の組み合わせを考えるオーダーメイドな投薬のため、体質に合えば高い効果が期待できる
  3. 生薬にはたくさんの成分が含まれているので、いくつもの症状に対して、一つの漢方薬で対応できることが多い

さらに、バランスの取れた食事や運動を毎日続けるのが難しいという時でも、漢方薬なら症状や体質に合ったものを飲むだけなので、無理なく続けられます。

早速試してみたいと思った方のために、今回の生理痛によく使われる漢方薬をご紹介します。

ひどい生理痛で悩んでいる方にオススメの漢方

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

虚弱体質で冷え性、貧血傾向がある人で、生理痛がひどい人に。体質改善にも効果が期待されます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

体力がある人が対象。のぼせるけれども下肢が冷えるなど冷え性を抱えていて、生理痛がひどい人に。また、便秘がちの人にもオススメです。

ただ、漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけでなく、副作用がおきる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。

最近、話題になっている「あんしん漢方」では、漢方AIを利用した「オンライン漢方相談」を行っていますので、こうした相談窓口を利用して、専門家に相談してみるとよいでしょう。お手頃価格で不調を改善したい、という人にぴったりです。

あんしん漢方

あきらめないで!生理前の腹痛は改善できる

あきらめていた毎月の生理痛も、生活習慣を改善することやバランスの良い食事をすることで、痛みが軽減していくことが期待できます。でも、「今すぐにバランスの取れた食事に切り替えるのは大変……」という人は、漢方薬がオススメです。

漢方薬は、毎日コツコツと飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。痛みを和らげるための対症療法として鎮痛剤を飲むことでは、根本解決にはなりません。漢方薬を飲みながら、体質改善にアプローチして生理痛緩和を目指していきましょう。

<監修者>

精神科医/漢方医 木村好珠
渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事
医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶應義塾大学病院での勤務を経て、西洋薬の即効性等と漢方薬の根本的な治療をバランスよく使い分けることを信条とする。
渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患心理学、生活習慣病などさまざまなテーマを精神科医・漢方医の立場で解説も行う。
・木村好珠監修あんしん漢方

生理前の腹痛が辛い…痛み止めいらずの改善法を紹介!