広島が電光石火で出し抜いたハッチ。29歳と伸びしろもある右腕は何者か。(C)Getty Images

 来シーズンに6年ぶりのリーグ戴冠を目指す広島が“電光石火”の補強を展開した。12月4日、同球団は、テイラー・ハーンとトーマス・ハッチの獲得を発表。これで今オフは、マット・レイノルズとジェイク・シャイナーに続く4人目の助っ人獲得となった。

 どちらもメジャーでの実績もある助っ人だが、とりわけ驚きだったのはハッチの獲得だ。現在29歳の右腕は、今オフにパイレーツを自由契約となり、日本行きが米メディアでも報じられていた。

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 ただ、多くの海外メディアが予想していたのが、日本ハムへの移籍だった。実際、各国の移籍情報を発信している米専門サイト『MLB Trade Rumors』は11月30日付のリポートにおいて「ハッチはNPBKBO韓国プロ野球)の双方のチームから関心を受けており、そのなかで日本ハムファイターズと契約する可能性が高まっている」と報じていた。また、韓国メディア『IS Plus』も韓国球団のスカウトへの取材で、「ハッチには韓国国内だけでも少なくとも3~4球団は接触していた。しかし、彼は日本ハムと契約するようだ」と明言してもいた。

 日韓の複数球団による争奪戦となれば、オファーの高騰は免れない状況だった。しかし、今回の広島との契約内容は、一部のメディアでは出来高払いが付帯する契約金45万ドル(約6600万円)で、年俸85万ドル(約1億2500万円)と報じられている。今オフにドリュー・アンダーソンとニック・ターリーとの契約更新を行わなかった広島にとってはお買い得な買い物になったと言えよう。

 無論、ハッチにはそれだけの投資の価値があるとも言える。メジャー通算成績こそ39試合の登板で4勝4敗、防御率4.96、WHIP1.55と低調な数字だが、平均球速152.9キロで、回転数も多い4シームを軸に、カットボールとチェンジアップを巧みに織り交ぜる総合力の高さが売りだ。複数イニングを消化できるタフネスさも持ち合わせており、あらゆる場面での起用が見込める。

 米サイト『MLB Trade Rumors』が「日本と韓国で魅力的なターゲットになっていた」というハッチは、広島優勝の立役者となれるのか。新井貴浩監督の起用法を含めて、大いに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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