自然にはいたるところに罠が張り巡らされており、それにひっかかってしまうのが野生動物たちの常である。だが困っている動物を目撃してしまったからには助け出そうとするのも人間の常である。
アメリカ、ミネソタ州の氷の張った湖の上を歩いて渡ろうとした鹿だが、立ち上がることができなくなってしまった。
その姿を見た地域住民は消防隊に通報し、救助が行われた。薄い氷の上を這うようにして鹿に近づいた隊員たちは、棒をつかってカーリングスタイルで鹿をストーンのように滑らせながら陸地の方へと導くことに成功した。
ミネソタ州スコット郡プライヤーレイク市にある湖で、鹿が氷の張った湖の上で身動きができない状態になっていると通報を受けたプライヤーレイク消防署は、ただちに消防隊員を現場に向かわせた。
すると氷の張った池の真ん中で立ち上がることがで悪戦苦闘している1匹の鹿の姿を確認した。
鹿が氷の上でお腹をつけた状態から立ち上がろうともがくが、氷で足が滑りって再び倒れる状態が続いていた。
カーリングスタイルで鹿を救助
さてどうやって助けよう?氷は薄い場所もありそのまま歩いて行ったら危険だ。
そこで黄色の防護服を着た消防隊員2人は、氷の上を這いながら鹿の方へと進んでいった。彼らは安全のために岸に繋がれたロープに縛られている。
ようやく鹿に近づくと、1人の隊員が持ってきた長い棒状の道具で鹿を押し、岸の方に向かって滑らせていく。
まさにカーリングスタイル。鹿だけにシカーリング。とかダジャレを言っている場合ではないが、この方法が功を奏し、鹿を岸の近くに押し出すことに成功。
鹿に怪我はなかったようで、陸地に上がると去っていった。
この件を受けてプライヤーレイク市長は、氷点下の厳しい寒さの中、危険に身を晒しながらも無事に鹿を救助した消防隊員らに感謝の意を表した。
アメリカではいたるところに野生動物が存在し、鹿は個体数を制限するために解禁日が設けられ狩猟が認められている。
だがそれとこれとは話が別だ。目の前に困難に直面した野生動物がいたら、例え害獣と称される動物であっても救助するのだ。
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この出来事は、地球を共存して生きていく人間と野生動物との関わり方について、改めて考えさせられる。
でもやっぱり、氷の上でもがき苦しんでいた鹿を助けることができて良かった。消防隊員の人々ありがとう!と思う気持ちでいっぱいだ。
written by parumo
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