12月1日から12月3日までの全国映画動員ランキングが発表。前週に初登場で首位デビューを飾った『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』(公開中)が2週連続でナンバーワンを守り抜いた。

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■“映画の日”効果で上位作品が軒並み絶好調!

公開2週目の『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』の成績は、週末3日間で動員22万2000人、興収2億9500万円。12月1日が“映画の日”のサービスデーだったこともあり興収面での比較は難しいが、動員だけで見れば前週比76%をキープ。これで累計成績では動員83万8000人、興収11億5000万円を突破。前作と同期間(公開11日間)対比113%の好調を保っている。

この“映画の日”は、1896年に神戸で映画が日本で初めて一般公開されたことにちなんで1956年に制定された記念日であり、近年映画の鑑賞料金が軒並み値上がりしているなかでも「1000円均一」の入場料が守られ続けている貴重な一日だ。そのため動員数が大きく伸びる傾向にあり、今年のようにそれが週末と重なればなおさらその恩恵は大きい。

公開5週目を迎えた『ゴジラ-1.0』(公開中)は、週末3日間で動員14万8000人、興収2億1700万円と、前週比80%の動員を記録して2位をキープ。累計成績では動員248万人、興収38億円に到達している。また『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(公開中)は前週からワンランクアップの3位となり、週末3日間の動員数も14万人と前週比123%の上昇傾向。これも“映画の日”の効果があらわれたものと推察できよう。

日本映画の三つ巴状態から幕を開けた12月。昨年は完全に『THE FIRST SLAM DUNK』(22)の独壇場だったが、今年は次週以降、毎週のようにバラエティに富んだ大作ラインナップが待機しており、ランキング上位が激しく入れ替わることが予想できる。とはいえ実写日本映画ビッグタイトルは一通り公開済みで、『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』と『ゴジラ-1.0』はその代表格として年末年始の書き入れ時を駆け抜けることになる。

映画館全体が大いに活気付くこれからの時期。両者が現在の好調を保持したままでさらに成績を伸ばすことに期待しておきたい。

■『青ブタ』から『ナポレオン』『怪物の木こり』まで、新作が一挙にランクイン

12月の活況を示すように、今週は5本も新作タイトルがランクイン。その最上位となったのは、累計発行部数250万部を突破した鴨志田一の人気シリーズの劇場アニメ版第3弾『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』(公開中)。103館での上映ながら、初日から3日間で動員11万8500人、興収1億6300万円という好成績を記録し、今年6月に公開された前作『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』(23)を上回る動員をあげることに成功。

また6位には、巨匠リドリー・スコット監督と『ジョーカー』(19)でアカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックスが『グラディエーター』(00)以来23年ぶりにタッグを組んだことで話題の『ナポレオン』(公開中)が初登場。亀梨和也が主演を務め、三池崇史監督とのタッグで「このミス」大賞受賞作を映画化した『怪物の木こり』(公開中)は、初日から3日間で動員8万9400人、興収1億1500万円で7位スタートに。

さらに「ハロウィン」のリブートシリーズを手掛けたデヴィッドゴードン・グリーン監督とブラムハウスのタッグのもと、名作ホラー『エクソシスト』(73)の直接的な続編が描かれる『エクソシスト 信じる者』(公開中)は8位に、THE RAMPAGEの川村壱馬とRIKU、吉野北人がトリプル主演を務めた『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(公開中)は10位にランクインを果たした。

以下は、1~10位までのランキング(12月1日12月3日)

1位『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜

2位『ゴジラ-1.0』 

3位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

4位『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』

5位『首』

6位『ナポレオン

7位『怪物の木こり

8位『エクソシスト 信じる者』

9位『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』

10位『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』

今週末は、ティモシー・シャラメ主演で『チャーリーとチョコレート工場』(06)に登場するウィリーウォンカの前日譚が描かれる『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(12月8日公開)を筆頭に、黒柳徹子の世界的ベストセラーをアニメーション映画化した『窓ぎわのトットちゃん』(12月8日公開)、福原遥と水上恒司がダブル主演を務める『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(12月8日公開)などが公開を控えている。

文/久保田 和馬

『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』が前作対比113%の好成績をキープ!/[c]2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会