日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に実施した「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」の結果を発表いたします。

【調査結果サマリー

  1. 中期経営計画(3~5年)を「策定している」企業は8割以上に。昨年対比で約7ポイント増加となりました。

  2. 長期ビジョンの構築状況は約7割の企業が「構築していない」と回答。上場・非上場別の長期ビジョンの構築状況は上場企業の約6割、非上場企業の7割以上が「構築していない」という結果となりました。

  3. 長期ビジョン・中期経営計画の課題は「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」が半数以上と最多!次いで「計画・ビジョンを定めているが推進できていない」(34.8%)となり、打ち手に関する課題が上位に挙げられました。

【各データ詳細】

■中期経営計画(3~5年)を「策定している」企業は8割以上に。昨年対比で約7ポイント増加

 中期経営計画(3~5年)の策定状況について尋ねると、81.2%の企業が「策定をしている」と回答。昨年の同設問の結果を見ると、「策定している」と回答した企業が74.0%であったため、昨年と比較して約7ポイント増加していることが分かります

■上場企業の9割以上、非上場企業の7割以上が「中期経営計画(3~5年)を策定している」と回答。

 上場・非上場別に中期経営計画(3~5年)の策定状況のグラフを見ると、上場企業は92.7%が中期経営計画を策定していることが分かりました。また、非上場企業では75.0%が策定していると回答。4社に1社が策定できていない状況にあり、結果に開きが見られました。

■中期経営計画の策定体制は「経営幹部が中心となって策定」が半数以上に。

「中期経営計画を策定している」と回答した企業を対象に、中期経営計画の策定体制について尋ねると、「経営幹部が中心となって策定」(54.5%)と最多に。次いで「役員が中心となって策定」(47.9%)、「経営企画部が中心となって策定」(44.7%)となりました。昨年と比較しても、中期経営計画を策定する体制がより幅広くなっていることが分かります

■長期ビジョンの構築状況は約7割の企業が「構築していない」と回答。

 長期ビジョンの構築状況について尋ねると、66.0%の企業が「構築していない」という回答となりました。昨年の同アンケート結果と比較すると、長期ビジョンを構築している企業は1.4ポイント増えていることが分かります

■上場企業の約6割、非上場企業の7割以上が「長期ビジョンを構築していない」という結果に。

 上場・非上場別に長期ビジョンの構築状況を示した下記のグラフを見ると、非上場に比べ上場企業の方が長期ビジョンを構築している割合は多く、4割を超える企業が構築していることが分かります

■長期ビジョン・中期経営計画の課題は「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」が半数以上と最多!

 現在の長期ビジョン・中期経営計画の課題について尋ねると、「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」(54.5%)、次いで「計画・ビジョンを定めているが推進できていない」(34.8%)となり、打ち手に関する課題が上位に挙げられました。また、「定期的に計画・ビジョンを見直す仕組みがない」(27.1%)という回答は、昨年と比較し6.2ポイント増加しています。

■重点テーマは約7割が「収益改善、新商品・新事業開発」と回答!「人的資本経営」関連も増加。

 次期の長期ビジョン・中期経営計画における重点テーマについて尋ねると、「収益改善、新商品・新事業開発」(66.2%)が最多となりました。次いで「人的資本経営・人材育成・採用(タレントマネジメントなど)」(40.6%)となり、昨年と比較し増加しています。

■総括・専門コンサルタントによる総括・提言

【総括】長期ビジョン・中期経営計画の策定状況や具体的な戦略・推進への課題が浮き彫りに。

 今回のアンケートにおいて、中期経営計画については全体で81.2%、上場企業に絞った場合においては9割以上が策定しているという結果となりました。一方で、長期ビジョン(2030年以降の未来)の構築状況は全体の66.0%の企業が構築できていないという結果となり、多くの企業が着手できていない状況です。また、長期ビジョン・中期経営計画の課題についてのアンケート結果を見ると、「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」という回答が54.5%、次いで「計画・ビジョンを定めているが推進できていない」という回答が34.8%と、打ち手に関する課題が上位に挙げられています。VUCAという言葉で示される予測困難な時代において、環境は目まぐるしく変わっていきます。だからこそ、企業の向かう先を示す長期ビジョンの存在が求められていると言えます。

【提言】長期ビジョンを構築・推進できる未来創造機能(組織)の構築を。

1.独自の強みを生かした長期ビジョンを構築する 

 新商品・新事業開発、事業ポートフォリオ転換には、戦略構築と投資が不可欠であり、そのロードマップが長期ビジョンです。多くの企業が長期ビジョンの必要性を認識していながら構築できていないところに課題があり、組織としての未来創造機能の強化が求められています。また、ビジョン構築に不可欠な4つの要素(DX、M&A、グローバル、サステナビリティ)を戦略的に組み込むことが大切です。

2.バックキャスティング型での中期経営計画を策定する

 現計画を振り返り、次の中期経営計画を策定する際にも、長期ビジョンと照らし合わせることで今の不足と次のロードマップを社員に正しく明示することが可能となります。また、長期ビジョン構築とバックキャスティング型での中期経営計画の策定を行うことにより、場当たり的な計画から脱却し、柔軟性をもった戦略の実行が可能となります。

3.中長期ビジョンの推進を通じて、10年後に主役となる次世代経営メンバーを育成する 

 次世代経営メンバーが中長期ビジョンの推進に参画することで、それ自体が成長の機会となり、その成果が次の世代の事業・組織基盤の構築に繋がります。「次世代経営メンバーの育成」についても考慮したうえで、主体となるメンバー編成の決定を行っていただきたいと考えます。

■執筆者プロフィール

株式会社タナベコンサルティング 取締役 山本 剛史

大手ゼネコンにて設計・監督業務に従事後、当社に入社。事業戦略を事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客を再設定してビジネスモデル革新を行うことを得意とする当社屈指のコンサルタント。成果にこだわるコンサルティング展開で、特に現場分散型の住宅・建築・物流事業、多店舗展開型の外食・小売事業で、数多くの生産性改善実績を持つ。

■調査概要

[調査対象] 全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者など

[調査期間]2023年9月4日~2023年9月22日

[調査エリア]全国

[有効回答数]468件(インターネットによる回答)

■関連リンク

「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」資料ダウンロードページ

https://www.tanabeconsulting.co.jp/vision/document/detail40.html

当社メディア『TCG REVIEW』(「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」リポート)

https://review.tanabeconsulting.co.jp/column/pick-up-topics/41261/

  • タナベコンサルティンググループ(TCG)概要

 TCGは、1957年昭和32年)に創業し、創業60年を超える日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、現在地から未来の社会に向けた貢献価値として、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを定めています。

 グループで約660名のプロフェッショナル人材を擁し、「経営者・リーダーのパートナー」として大企業から中堅企業まで17,000社以上の支援実績があります。

 経営コンサルティング領域としては、戦略策定支援(上流工程)から、デジタル技術も駆使した現場における実装・オペレーション支援(中流~下流工程)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築しています。

 そして、コンサルティングスタイルとしては、「Client Success-すべてはクライアントの成功のために」という徹底したクライアント中心主義のもと、経営コンサルティング・バリューチェーンにより、個社の経営課題に合わせて複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。

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