令和5年版高齢社会⽩書(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html)では、日本における急速な高齢化の進行が推定されており、国内総労働人口と生産年齢人口※1の減少が続く中、介護従事者の需要は引き続き高まっています。それと同時に、介護従事者が健康で充実した生活を送りながら働ける環境の整備が急務となっています。

このような課題に対し、国は処遇改善を行うと共に、人材確保に向けて様々な施策を推進しています。一方で介護事業者は、介護従事者の職場環境を整備し、健康促進や働き方の改善しながら離職防止を図ることが重要な施策の1つと言えます。

株式会社サインキューブ(以下、サインキューブ)と独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所(以下、労働安全衛生総合研究所)は、介護従事者のシフト表の最適化を行った結果、労働負担とストレス軽減等が介護従事者の心身にどのような影響を与えるかを調査するべく、共同研究を(以下、本研究)実施することとしましたのでお知らせします。

   (ロゴ 左:サインキューブ、右:労働安全衛生総合研究所)

◆本研究の目的

本研究の目的としては、次の3つです。

■最適なシフトの提供

シンクロシフトは労働者にとって最適なシフトを提供します。

これにより疲労回復が促進され、健康で充実した働き方を実現できることを目指します。

■生体データに基づく定量的な評価

ウェアラブルデバイス※2を用いて生体データを取得し、結果を疲労回復の定量的な指標として利用します。

そこで得られたデータから疲労回復の効果的な方法を評価・検証します。

■最適な働き方を提案

最終的な目標は、本研究にて得られたデータと知見をもとに、医療・介護業界の働き方を最適化し、労働者がより健康で不満なく働くことができる環境の構築に貢献することです。

◆本研究の概要、役割分担

本研究では、介護事業所においてシンクロシフトが作成したシフトで働く期間と、従来通りのシフトで働く期間の比較検証を行っています。

     (実験概要説明会)

■共同研究先:独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所

■研究テーマ:疲労兆候の可視化による過重労働の予防に関する研究

■実施期間:2022年10月25日~2023年2月28日

■共同研究の内容:

  • シンクロシフトが自動作成したシフトで働いた労働者に対し、アンケートやモニタリング機器を使用して心身の負担を確認すること

  • シンクロシフトと連動したウェアラブルデバイスから得た生体データを用い、疲労の兆候を可視化し、過重労働の傾向を把握・検証すること

  • シフト勤務の現場におけるシステム検証、実証実験、それらに必要な開発

  • 上記研究から得られた応用技術の効果検証、開発、他業種への応用等

■役割分担:

【サインキューブ

・シフト管理システム『シンクロシフト』の提供

・介護施設向けの導入支援

【労働安全衛生総合研究所】

・夜勤を伴うシフト制勤務を導入する介護施設における疲労の現状分析

・疲労回復に望ましいシフト勤務のシフトパターンの条件整理

・シンクロシフトによって自動作成された、疲労回復に望ましいシフトで勤務した際の労働者の疲労への影響を様々な測定指標を用いて検討

◆共同研究の紹介

共同研究の成果の一部は、以下の学会において紹介されました。

■学会名: The Work, Stress, and Health Conference(https://www.apa.org/wsh

■テーマ: 仕事、ストレス、健康

■開催時期: 2023年11月8日~11日

■主催:

 ・アメリカ心理学会 (American Psychological Association)

 ・国立労働安全衛生研究所 (National Institute for Occupational Safety and Health)

 ・労働衛生心理学会 (Society for Occupational Health Psychology)

■概要と目的:

本学会は仕事におけるストレスとその影響に焦点を当て、最新の研究結果から学術的理論や現場での有用なアプローチや方法に関する知識を共有するための学会です。

仕事におけるストレスが及ぼす健康への影響についての理解を深め、効果的な職場環境や心理的サポートの提供に関する情報を提供することを目的としています。

■研究概要:

         (調査概要図)

 ・対象:夜勤のある職場の介護従事者

 ・方法:シンクロシフトによるシフトとシフト管理者手作成のシフトを比較

 ・期間:各2か月

 ・調査:ウェアラブルデバイスを使用し、入眠時間やレム睡眠※3、深い睡眠などの指標を取得。同時にアンケートも実施。

■学会での共同研究紹介:

本学会において、介護従事者の夜勤におけるシフト管理に関する共同研究をご紹介いただきました。現段階では、シンクロシフトを運用した期間において介護従事者の睡眠の質が向上する可能性が見え始めており、これは健康支援に向けた新たな一歩です。今後の研究や実践にますます期待が寄せられています。

■今後の展望:

今後は、より詳細な分析を行い、シンクロシフト導入の効果に焦点を当て、労働者の心身にかかるストレスと疲労回復に繋がるシフトが提供できているかを調査していく予定です。


◆今後の展開

サインキューブは、『効率化と価値あるコミュニケーションの創造により医療・福祉・介護現場に素敵な笑顔と癒しの時間を』というビジョンを実現するため、ICT、その他を利用した様々なソリューションの提供を予定しています。

その第一弾として、シフト管理システムである『シンクロシフト』を提供することにより、医療・介護業界に関わる非効率化課題や心身の健康課題を解決します。

労働安全衛生総合研究所は、厚生労働省所管の独立行政法人労働者健康安全機構におかれた研究所であり、事業場における災害の予防並びに労働者の健康の保持増進、及び、職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な調査及び研究を行うことにより、職場における労働者の安全及び健康の確保に資することを目的としています。

◆会社概要

◆先行受付の応募方法

シンクロシフトのご利用をご希望の方は、モニター企業を募集しておりますので以下、フォームよりお申し込みください。

■応募フォーム:https://synchroseries.jp/synchroshift/pre_entry_form

※1 生産年齢人口:各国の国内で行われている生産活動に就いている中核の労働力となるような年齢の人口のことを指し、主に15~64歳の人口と定義されています。

※2 ウェアラブルデバイス:手首や腕、頭などに装着するコンピューターデバイスです。代表的なウェアラブルデバイスの例として、腕時計のように手首に装着するスマートウォッチ、あるいはメガネのように装着するスマートグラスが挙げられます。


※3 レム睡眠:脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われ段階の睡眠のことを指します。レム睡眠中は目がぴくぴく活発に動く、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)があることからREM(レム)睡眠と呼ばれています。

配信元企業:株式会社サインキューブ

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