一般社団法人アジアがんフォーラム東京都、代表理事 河原ノリエ(東京大学東洋文化研究所特任准教授・UICC日本委員会広報委員長)、以下ACF)は、11月29日(木)に、スバン・ジャヤにて、マレーシア対がん協会(National Cancer Society Malaysia、以下、NCSM)と、マレーシアで事業展開する住友商事グループの3社 SC HEALTHCARE HOLDINGS SDN. BHD. (SCH)、PMCARE SDN.BHD (PMCARE)、MEDIEXPRESS (MALAYSIA) SDN. BHD. (MEDIEXPRESS)と、5者間でのMOUを締結しました。

  • MOUの背景

マレーシアでは、2012年から2016年のがん登録者のうち、診断時のがんのステージを報告した58,635人の約63.7%でステージ3または4と診断されています。このほか、マレーシアでは、以下のような課題があります。さらに、企業の医療費は年率約15%で増加しており、従業員の健康管理は、企業経営の安定化においても重要な要素となってきています。

マレーシアにおけるがん対策の課題

  1. 上位中所得国であるが、国レベルのがん対策、データベースが不足

  2. 年間の新規癌罹患数が2万人を超え、心血管疾患に次いで死因の第2位

  3. 60%以上の住民がstage3 or 4の進行期で診断され予後不良

  4. 多民族国家で複数の文化・言語が混在しがんの予防行動とリテラシーの欠如

  5. 社会経済的、文化的背景によるアクセスの格差

これらの課題を解決するために、ACFは、マレーシア対がん協会(National Cancer Society Malaysia、以下、NCSM)と共に、2022年よりマレーシアでコミュニティ参加型のがん疾患啓発、適切な医療サービスへのアクセス改善を支援することを目的としたプログラム「BEAUTY(Bringing Education and Understanding to You & Health(支援:アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区))」を推進してきました。

そのなかACFは、がんに対する認識、検診を高めるだけでなく、検診から治療までの様々な経済的な課題もクリアするために、職域における医療アクセスの改善に注目し、今回のMOUを主導的な立場で進めてきました。

  • MOUの内容

マレーシア国民の職域において、がんに対する認識、検診、治療を促進し、一人でも多くの国民の医療アクセスを改善する共に、企業の医療費の抑制を目指すことが基本的な考え方と軸に、MOUの目的は、マレーシアにおけるヘルスケアビジネス領域の潜在的需要と機会を図ることです。目的を達成するために、企業およびその従業員のために協議・調整される協働の可能性のある分野は以下の通りです。

主な活動内容

  1. がんに対するリテラシーを高める

  2. がん検診を推進する

  3. がんに関するデータの収集、調査、分析

MOUの終結にあわせて、PMCARE、MEDIEXPRESSにて、マレーシア対がん協会(NCSM)によるがん検診を実施しました。

PMCARE、MEDIEXPRESSでのがん検診の実施風景

  • 締結先について

マレーシア対がん協会(NCSM)

NCSMは、クアラルンプールに拠点を構えるNGO団体です。マレーシアの国内に拠点を構え、全国にネットワークを有しています。マレーシア保健省と緊密な連携を図りながら、がん対策に関する中心的なメンバーとして活動を行っています。ACFとは、2022年よりマレーシアでコミュニティ参加型のがん疾患啓発、適切な医療サービスへのアクセス改善を支援することを目的としたプログラム「BEAUTY(Bringing Education and Understanding to You) & Health」を推進しています。

NCSM https://cancer.org.my/

SC HEALTHCARE HOLDINGS SDN. BHD. (SCH)

PMCARE SDN.BHD (PMCARE)

MEDIEXPRESS (MALAYSIA) SDN. BHD. (MEDIEXPRESS)

3社は、住友商事株式会社(本社:東京都千代田区)が、マレーシアで事業展開する事業会社です。PMCAR、MEDIEXPRESSはマレーシアにてマネージドケア事業(※)を展開する事業会社で、SC HEALTHCARE HOLDINGS SDN. BHD.は統括する事業会社です。マネージドケア事業では、企業や保険会社向けに、企業の従業員や被保険者が医療機関で受診した際の医療費の支払い・請求代行を行っています。医療費請求内容の審査や、投薬量や入院回数の適正化、また服薬・診療継続支援や適切な医療機関の紹介等を通じて、医療サービスの高度化・医療費抑制を図っています。マネージドケア事業で得た医療データの分析・活用を進め、東南アジア全域における医療費の抑制・適正化を推進しています。

(※)マネージドケア事業
主に公的医療制度が充実していない国で発展しつつある管理医療システム。企業・民間医療保険会社、マネージドケア事業者、医療機関の三者が連携して医療サービスを提供する仕組みです。

PMCARE SDN.BHD https://www.pmcare.com.my/

MEDIEXPRESS  https://medix.com.my/

今後は、5者の間で、職域におけるがん検診の推進を進めながら、がんの予防領域だけでなく治療領域についても調査研究を行い、マレーシアでの医療アクセスの改善に貢献していきます。また、医療・介護の国際展開を検討する日本の企業との学際的・国際的な連携も行っていきます。さらに、一連で得られた知見・ノウハウを活用し、日本の医療サービスの更なる質向上に貢献することを目指してまいります。

配信元企業:一般社団法人アジアがんフォーラム

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