ウォルト・ディズニー・カンパニーが2023年11月に創立100周年を迎え、その記念作となるアニメーション映画最新作「ウィッシュ」が12月15日(金)に全国公開される。同社は1923年に「ディズニーブラザーズカートゥーン・スタジオ」の名前で始動。世界初のトーキーアニメーション「蒸気船ウィリー」、世界初の長編カラーアニメーション「白雪姫」をはじめ、この100年という年月の中で多くの名作を生み出し、映画史の中にそれらの名前が刻まれている。そんなディズニー100年の歴史と軌跡を凝縮し、これからの新たな100年を歩み始める一歩となるのが「ウィッシュ」だ。そんな注目度の高い「ウィッシュ」の日本版を試写で鑑賞し、見どころを紹介する。

【写真】かわいい!生田絵梨花が「ウィッシュ」カラーの鮮やかな衣装で満面の笑み

■至高のドラマティックミュージカル

物語の舞台は“どんな願いもかなう”という魔法の王国・ロサスで、主人公はこの国で暮らす少女アーシャ(CV:生田絵梨花)。ある出来事をきっかけに、隠されていた王国の恐ろしい真実を知ってしまい、ディズニー史上最も恐ろしいヴィラン(悪役)であるマグニフィコ王(CV:福山雅治)に立ち向かうこととなった。そんな彼女が起こす奇跡を描いたドラマティックなミュージカルムービーに仕上がっている。

100周年記念作品ということもあり、関わるスタッフ陣も超一流。全世界で大ヒットを記録した「アナと雪の女王」のフィルムメーカーたちが本作の制作のために集結した。ディズニー・アニメーション・スタジオの創作面を束ねるCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)であるジェニファー・リーが自ら脚本を執筆。監督は「アナと雪の女王」「アナと雪の女王2」を手掛けたクリス・バックと、本作が監督デビューとなる「ズートピア」や「ラーヤと龍の王国」でストーリー制作に関わってきた新鋭のファウン・ヴィーラスンソーンの2人。そして、「プリンセスと魔法のキス」「アナと雪の女王」のピーター・デル・ヴェッチョがプロデュースを担当している。

ミュージカルということで“音楽”も重要な要素となる本作。劇中を彩る楽曲を手掛けるのはジュリアマイケルズ。彼女は「Uh Huh(ア・ハー)」などを生み出した天才的作曲家/シンガーで、ジャスティン・ビーバーの「Sorry」やセレーナ・ゴメス「Good For You」といった世界的ヒット曲を生み出したり、エド・シーランと共同で楽曲制作を行うなど最注目のアーティスト。日本版では生田が歌唱する「ウィッシュ〜この願い~」など7曲を本作のために書き下ろしている。

日本版声優も100周年にふさわしい豪華キャストが集結した。主人公のアーシャを演じる生田は、「レ・ミゼラブル」などのミュージカルやドラマで活躍し、今作には厳しいオーディションを経て選ばれた。ディズニー米国本社の担当者もその演技と歌唱を絶賛するレベルの高さを誇る。繊細な表現も力強く大胆な表現もメリハリをつけて表現できるので、優しくて熱い心を持っているアーシャにピッタリ。

■惚れ惚れする生田“アーシャ”の歌声

ディズニー作品の声優を務めるのが夢」と語るほどディズニー作品を愛してきた生田だからこそ、作品の世界観、演じるキャラクターの心情を深く理解しているのがその“声”から伝わってくる。プレッシャーもあったと思うが、乃木坂46時代からたくさんの大舞台を経験してきて度胸もあるのでアフレコではきっと伸び伸びと演じていたのだと想像できる。実際に試写を見ても生田の声にはどこか決意が宿ったような力強さがあり、声からもディズニーヒロインの風格を感じるほど。ストーリーもさることながら伸びやかな歌声には惚れ惚れとしてしまった。

こちらもまた重要なキャラクターの一人、マグニフィコ王。“願い”を支配する最恐のヴィランを演じる福山は、ミュージカル作品への参加が初めてとなるが、音楽家として俳優としても数々の名作を生み出してきただけあって、“声”と“歌”の存在感、それと王としてのカリスマ性は格別だ。落ち着いた低音ボイスで“威厳”や内から溢れる“怒り”など、いろんな感情を多彩に表現し、声で観客を物語の世界にしっかりと誘ってくれる。

アーシャの相棒・子ヤギのバレンティノを演じるのは日本声優界のカリスマ山寺宏一。数え切れないくらいの人気キャラクターを演じてきており、ディズニー作品だけでもドナルドダックをはじめ、「美女と野獣」の野獣、「アラジン」のジーニー、「リロ・アンド・スティッチ」のスティッチなど有名どころを多数演じている。今回のバレンティノの声は、見た目のかわいさとのギャップが印象的で、個性が際立つキャラクターに仕上げている。先日のジャパンプレミアでは「子ヤギを演じるのは初めて」とおどけていた山寺だが、作品を盛り上げる重要な存在としてバレンティノに見事な声を吹き込んでいる。

他にもロサス王国のアマヤ王妃を檀れいが演じているのをはじめ、蒼井翔太、青野紗穂、落合福嗣岡本信彦、宮里駿、竹達彩奈鹿賀丈史など、個性と実力を兼ね備えたキャストがそろっている。

美しい映像、感情豊かな歌と彩り豊かな音楽、そして“願い”という誰もが持ち合わせている大切なものをテーマにしているので、世代を超え、どんな人も共感できて楽しめる作品となっている。

なお、「蒸気船ウィリー」や「アナと雪の女王」などディズニーアニメーション過去作はディズニープラスで配信中。

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