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 アフリカケニアで母親が銃撃を受け倒れてしまい、そのそばを離れなかった子供の象、オラレが動物保護施設に救助された。

 この施設では、親を亡くした孤児の象の保護と野生に復帰するためのリハビリテーションを行っており、オラレは順調に成長し、野生で生きるすべを覚え、自然の中へと戻っていった。

 すると最近、施設スタッフの目頭が熱くなる出来事が起きた。オラレが自分の産んだ子供を連れ、彼らに会いにやってきたのだ。

 

【画像】 子供の時、母親を銃で撃たれて失った象のオラレ

 オラレの象生は悲劇から始まった。2009年、ケニアで野生動物の保護や保全活動を行っている「シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト(Sheldrick Wildlife Trust)」に子供の象を抱えた母親の象が倒れているという報告が入った。

 施設スタッフが現場に到着すると、 母親の大腿骨は銃弾で粉砕されていた。子象のオラレは恐怖に震えながら母親にしがみついて離れなかった。

 致命傷を受けた母親が生き延びる希望は絶たれた。スタッフはまだ小さなメスのオラレを保護施設に連れて行った。

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野生に戻ったオラレは、子供を見せに保護施設にやってきた

 母親を失ったオラレは失意のどん底にあったにもかかわらず、前向きに生きることをあきらめなかった。

 人間の施設スタッフに心を開き、他の象たちとも仲良くなり、社会復帰プログラムでは他の象が産んだ赤ちゃんの面倒をみたりもしていた。

 十分に野生に戻る準備が整い、ついにオラレは自然の中へと戻っていった。

 それから何年の月日がたったのかわからないが、今年11月28日、施設スタッフは柵の近くで見覚えのある姿を目にする。

 オラレだ!オラレが自分の子供を出産し、スタッフたちに紹介しにやってきたのだ。

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 オラレは誇らしげに娘を柵のエリアまで連れて行き、スタッフたちに見せに来たのだ。スタッフはこの子をオラと名付けた。

 1週間前に生まれたと推測される赤ちゃんのオラは丸い頬と明るい目をしており、とても健康そうな様子で、スタッフたちは感動し涙を流した。

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 象は群れで生活する社会性の高い動物で、仲間同士で強い絆を築いている。病気や怪我をした仲間を介抱したり、子どもを守りあったりする

 また、人間や他の動物に対しても思いやりのある行動を示し、信頼した人間と友情を結ぶことが知られている。

 オラレはお世話になったやさしいスタッフたちに、真っ先に我が子を見せたかったんだろう。オラレもオラも元気そうで、野生で幸せに暮らしていることも知らせてくれたのかもしれない。

written by parumo

 
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母を失い保護され野生に戻った象が、やさしくしてくれた施設スタッフに我が子を見せに戻ってきた!