来夏に開催されるEURO2024では、公式球に内蔵されたマイクロチップピッチ内での様々な事象において審判団の判定をサポートする可能性があるようだ。5日、イギリスメディア『BBC』や『スカイ』などが伝えている。

 来年の6月から7月にかけてドイツで開催されるEURO2024では、『アディダス』社の「Fussballliebe」が公式球として使用される。報道によると、ボールの中心にはモーションセンサー機能を有した充電式のマイクロチップが内蔵されるとのこと。プレーヤーがボールに触れた際の正確なデータをリアルタイムで関係者に共有することが可能となり、試合の様々な事象における判定をサポートすることが可能だという。

 こうした技術は昨年のFIFAワールドカップカタール2022における半自動オフサイドテクノロジーでも採用。マイクロチップが1秒間に最大500回の動きを検出することで、オフサイド判定にかかる時間が大幅に短縮された。しかし、今回の報道によると、EURO2024ではこの技術がハンド判定の際の審判団の意思決定をサポートする可能性があるようだ。

 ボールに内蔵されたマイクロチップは、いつタッチが行われたかを検出する機能を有しており、体のどの部分でタッチが行われたかについては認識できない模様。しかし、人工知能(AI)や四肢追跡技術と合わせて使用することにより、ピッチ内での重要局面においてハンドがあったか否かをより迅速に、そして正確に把握することが可能になるという。

 最終的にはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が画像とデータを照らし合わせて事象の確認を行うようだが、いずれにせよテクノロジーが審判団の意思決定をサポートすることに変わりはなさそうだ。

公式球が審判団をサポート? [写真]=Getty Images