賃上げを実施する企業が広がりを見せてきたなか、それを上回るスピードで物価高が進み、実質賃金は18カ月連続で低下している。2023年は、3年あまり続いた新型コロナ禍が収束し、企業が選ぶ漢字で「変」がトップだった※1。生成AIの急速な活用拡大など時代が大きく変わる節目を迎えるなかで、2024年は賃金の動きが最大の焦点になるとみられる。

<調査結果(要旨)>

  1. 冬季賞与の1人当たり平均支給額が前年より「増加」する企業は24.1%に上昇

  2. 2年連続で冬季賞与が「増加」する企業は10.3%へ上昇

※調査期間は2023年11月16日~30日、調査対象は全国2万6,972社で、有効回答企業数は1万1,396社(回答率42.3%)。なお、冬季賞与の動向に関する調査は2020年、2021年、2022年に続き4回目

※調査機関:株式会社帝国データバンク

冬季賞与の1人当たり平均支給額が前年より「増加」する企業は24.1%に上昇

2023年の冬季賞与(ボーナス、一時金、寸志など含む)の従業員1人当たり平均支給額について、「賞与はあり、増加する(した)」企業は24.1%となった。特に、旅館・ホテルやリース・賃貸など観光関連、ポスターやチラシ関連を含む紙類・文具・書籍卸売が高かった。

一方で、「賞与はない」企業は12.2%だった。なかでも「繊維・繊維製品・服飾品小売」は40.2%と2年連続で4割を超えたほか、「飲食店」も32.3%にのぼった。ただし、いずれも昨年より5ポイント以上低下しており、徐々に賞与を支給しない企業は減少している。

2年連続で冬季賞与が「増加」する企業は10.3%へ上昇

業界別では、6業界で冬季賞与が「増加」する割合が2年連続で高まった。インバウンドを含む旅行需要の拡大や対面型サービス、建設業などで上向き傾向が現れた。また冬季賞与が2年連続で増加する企業は10.3%と昨年から1.7ポイント上昇。賞与を増やす企業からは「受注残はバブル期以上」(鉄骨工事)や「観光客およびオフィス勤務の回復」(コンビニエンスストア)、「円安によるインバウンド需要の拡大」(旅館)などの意見が聞かれた。

2023年冬は企業の79.9%が、ボーナスや一時金などを含め何らかの賞与を支給する予定となった。実質賃金の減少が続くなかで、賞与の増大が消費拡大の起爆剤となることが期待される。

配信元企業:株式会社帝国データバンク

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