アウディのフラッグシップSUV「Q8 e-tron」が進化! 走行距離と充電性能が向上してさらに便利になった

最新ブランドデザインの外観、サステナビリティな室内

アウディ初の電気自動車「e-tron」がデビューしたのは2018年のこと。その後、アウディは4ドアクーペの「e-tron GT」、コンパクトSUVの「Q4 e-tron」とe-tron電気自動車のモデル名として据えて、ラインアップを拡大してきた。

一充電走行距離と急速充電性能が改善された

日本市場に「e-tron」が上陸したのは2020年と、本国デビューから少し遅れてのことだったが、世界では約16万台が販売された(2022年末時点)ヒット作となった。

デビューから約5年を経て、このたび「e-tron」がマイナーチェンジを実施した。いまアウディSUVには「Q2」から「Q8」まで(ハッチバック&セダンの場合は「A1」から「A8」まで)ラインアップがあるが、車名にはフラッグシップSUVであることを表す「Q8」が加えられた。日本での車両価格は1099万円からとなる。

エクステリアでは、フロントとリアのデザインを刷新。アウディの特徴のひとつであるシングルフレームグリルを、ブラックのマスクで囲む新しい意匠を採用。また前後に配されたアウディのフォーリングスは新CIにのっとりすっきりとした印象を与える2次元のデザインとなり、リアには新たにQ8のバッジが配された。ボディタイプは、標準とクーペタイプのSportbackの2種類があるが、アンダーボディにもスポイラー等を加えることで、空気抵抗係数(Cd値)はQ8 e-tronは0.28から0.27に、Q8 Sportback e-tronでは0.26から0.24へと空気抵抗を低減している。

インテリアは、先代からの水平基調のデザインを踏襲する。ドライバーの目の前に置かれた12.3インチ液晶のバーチャルコクピットをはじめ、ダッシュボードのセンターには上下2段になったタッチ式パネルを配置する。シフトセレクターはアウディ独自のデザインで親指などを使って直感的な操作がしやすいもの。

アウディはいまサステナビリティへの取り組みとして、インテリア部材の断熱材や制振材、カーペットなどにリサイクル素材を積極的に使用している。また、S lineパッケージのスポーツシートの表皮の一部にはリサイクルペットボトルや使用済みテキスタイル、繊維の端材などから再生されたポリエステル繊維を約45%含むDinamica(ダイナミカ)を採用。シートベルトバックルカバーには自動車の混合プラスチック廃棄物を再利用するなどしている。

そして、電気自動車にとってもっとも重要なポイントである一充電走行距離と急速充電性能が改善された。バッテリー内部の電極材の間隔を小さくするスタッキング方式を採用したことで大きさを変えることなく容量増を実現したという。Q8 e-tron にはバッテリー容量の違いにより「50」と「55」の2つの仕様がある。

アウディ Q8 e-tron/Q8 Sportback e-tronに試乗

「50」は、総容量95kWh(先代比+24kWh)のバッテリーを搭載。最高出力250kW、最大トルク664Nmを発揮し、一充電走行距離424km (WLTCモード)と先代比+89kmを実現。

「55」は総容量114kWh(先代比+19kWh)と100kWh超の大容量バッテリーを搭載。最高出力300kWで、最大トルクは50と同じく664Nmで、一充電走行距離501km (WLTCモード)で先代比+78kmとなった。これはバッテリーの大容量化だけでなく、リアアクスルの非同期モーターの仕様変更や空力の改善によって実現したものだ。

充電性能においても大幅なアップデートが図られ、150kW までの急速充電に対応するようになった。いまアウディ ジャパンは、ポルシェジャパンフォルクスワーゲン ジャパンとともに全国のディーラー網などを活用する充電サービス「Premium Charging Alliance (PCA) 」を展開するが、これにより日本各地で設置が進められている150kWの急速充電器が使えるようになる。例えば55 Q8 e-tron の場合、10%から80%までわずか34分で充電可能(理論値)というから、利便性が高まるのは間違いない。

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開口部の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新デザインを採用(Q8 Sportback e-tron)