2023年2月に乃木坂46を卒業後、俳優業をはじめ幅広く活躍中の秋元真夏が、2024年1月11日(木)より東京・本多劇場で上演される舞台「鍵泥棒のメソッド→リブート」に出演する。個人としては約4年ぶり2回目の舞台出演で、2012年に公開された内田けんじ監督・脚本映画「鍵泥棒のメソッド」のリブート作品のヒロイン・香苗役を務める。アイドルとしては約11年にわたり第一線で活躍してきたが、演技の面では「今はまだ楽しいというより、食らいついている状態」という秋元に、久々の舞台に懸ける思いや、グループ卒業後に感じた心境の変化、8月に“30代に進出”して感じたことなどについて聞いた。

【写真】美スタイル際立つ秋元真夏の全身ショット

■名作映画のリブート作品でヒロイン役「とても光栄です」

――「鍵泥棒のメソッド」のリブート作品のヒロイン役でグループ卒業後初の舞台出演となりますが、出演が決まった時の感想を教えてください。

これまで個人の舞台出演経験が1回だけで、これが2回目なのでお話を頂いた時はうれしさとちょっと不安が入り交じったような感覚でした。でも、いろんな方から愛されてきた作品ですし、そこに参加できるというのはとても光栄です。

――演じるのが今作のヒロインで、雑誌ライターの香苗ですね。

香苗は一見普通の女性に見えるのですが、中身がドシッとしていて、決断力があるキャラクター。役作りについては(上演台本・演出担当の)マギーさんが「そんなに考え過ぎず、素の秋元真夏で香苗っぽい」とおっしゃってくださったので、あまり考え過ぎないように演じられたらと。舞台経験が少ないので、変に気負い過ぎずいたほうがいいのかなと思っています。

――そんなマギーさんの印象はいかがですか?

今回の現場で最初にお会いした時から、全てを受け入れてくださるような空気を出してくださっていて、とても安心しました。

――舞台はナマモノとも言われますが、生で届けるからこその難しさもありますよね。

前回出させていただいた舞台はその日その日で変わるというシーンはなく、どちらかと言えばお話を真っすぐ届けるという形だったんです。ただ、今回はもしかしたらその場その場で変わることもあるのかな、と頭に入れておきながらやらないといけないと思っています。

■“運命の出会い”=乃木坂46「私の人生を本にするとしたら一番の見出しに」

――作品の中で「人は誰しも、自分が主人公の物語を生きている」という言葉が印象的ですが、“秋元さんが主人公の物語”で、これまで特に大きかった運命の出会いは?

やはり人生を大きく変えられたのは乃木坂46との出会いだったので、もし私の人生を本にするとしたら、一番の見出しになるぐらいたくさんいい影響をもらいました。

11年間活動してきた中で、それまでの人格すらも変えてもらったという感じがしているので、運命の出会い=乃木坂46ですね。

――ちなみに今作ではライター役ということですのでムチャぶりですが、その“見出し”はどういう文言にしましょうか?

難しいですね(笑)。でも、乃木坂46に出会ってなかったら人生は全然違っていたと思うので、「乃木坂46に出会う前、乃木坂46に出会った後」というイメージで考えてみたいですね。

――「乃木坂46に出会った後」でいえば、卒業されてから半年以上たちましたが、心境の変化などはございますか?

環境がまるまる変わって1人で自分と向き合う時間が多くなったので、何年後にこういうことをしてみたいとか、自分にはどういうお仕事が向いているんだろうと考えることに費やす時間が増えましたね。今までは自分のことというよりはグループやメンバーのことばかり考えていたので。

――卒業後すぐにドラマ「それってパクリじゃないですか?」(日本テレビ系)にレギュラーで出られて、今回は舞台のヒロイン役。俳優として着実に経験を積まれていますね。

ドラマに舞台にいろいろ経験させていただけるのはとてもありがたいです。同時に、1回1回の現場でたくさんのことを吸収していけるように頑張らないといけない時でもあるなと感じています。

■秋元の“ファンのハートを盗むメソッド”とは

――俳優業の他、バラエティー番組「ナゼそこ?」(テレ東系)のMCやラジオ番組「秋元真夏 卒アルラジオ」(文化放送)のパーソナリティーも務められていますが、しゃべるお仕事の手応えはいかがですか?

ラジオはグループ時代からあまり見られ方を気にせずに素の自分で話せている感じがあったので、普段からすごく楽しいなと思えています。

もともと他の方のラジオを聞くこと自体も好きなんです。ラジオは人の素の部分が見えるような気がしていて楽しいですよね。私もラジオでしゃべることは好きです。

――ラジオでは自然体のおしゃべりが印象的ですが、最初から自然体にいけたのでしょうか?

そうですね。いろんな方のラジオを聞いていたおかげで、ラジオは「自然体にしゃべって自分をさらけ出すもの」というふうに勝手に思っていたところがありまして。最初からそういうイメージでいけました。

――そんな秋元さんといえば自然にファンのハートを泥棒することがお得意な印象ですが、タイトルの「鍵泥棒のメソッド」にかけて、“ファンのハートを盗むメソッド”を教えていただけますか?

メソッドと呼べるのかは分かりませんが(笑)、お仕事やプライベートでは人にグイグイ話し掛けに行くのは苦手なんですけど、ファンの方相手だと真逆で行けるんです。

特にイベントなどは私に会うために来てくれた、という方も多くいらっしゃるわけじゃないですか。それでちょっと自信がつきました。そういう場で接する時には、あまりかしこまった感じじゃなくフランクに話したり、あえて敬語ではなくタメ口を使わせてもらったりしています。

――ファンの方もタメ口でフランクにこられたほうが親近感湧くでしょうしね。

そうなんですよ。皆さんがテレビを見ていて「あっ真夏が出てる~!」って親近感を持ってくれているのだとしたら、私もイベントなどで会った時に「久しぶり~会いに来てくれてありがとう~!」とフランクに、壁を一気に取っ払うような感じのほうが良いのかなと思って。そういうところを意識してきました。

――勉強になります。そうやって“秋元真夏推し”を増やしていかれたということですね。逆に秋元さんの今の“推し”は?

私の推し!? 実はすごく飽き性で何かにずっとハマっているということはあまりないんですけど、長年ハマっているのは食器集めですかね。

――おおっ!どういう食器がお好みで?

形がいびつなものとか、ちょっと重ねにくいやつです(笑)。重ねにくいからかさばっちゃうんですけど、そういうのを旅行先で買うのが好きです。1回買ったらずっと持っていて、料理に使うこともよくありますね。

■「YouTubeでマナー講座のようなものを…」

――そして8月には30代に進出されましたが、30代になって心境の変化などはありましたか?

周りから何か言われたわけではなく、自分の中で30代になったらこういう大人でありたいというものがあったんです。食事の時にマナーをしっかりしてみようとか、もっと品のある話し方をしようとか。それでついYouTubeでマナー講座のようなものを見ちゃいますね。以前よりもそういうことを考えるようになりました。

――では、自分が大人になったなと感じる瞬間は?

友達の子どもを抱っこしたときとか…(笑)。 

――それはリアルですね(笑)。かわいかったですか?

めちゃくちゃかわいかったです! 油断したらつい何でも買ってあげちゃいそうなくらいかわいくて、ずっと見ていました。子どもって見ていて飽きないですよね。ずっとかわいかったです。

――今回は舞台作品への出演となりますが、今後の目標を教えてください。

最近はグループ時代とも違うジャンルのお仕事をさせていただくことが増えてきたので、いろんな人に「秋元はさまざまなジャンルの仕事をしているんだな」というのを知ってもらえるようにしたいと思います。

舞台だったり、ドラマだったり、今まで演技はあまり挑戦できていなかったので、まだまだ先のことにはなるかもしれませんが、いつか「演じることが楽しい!」と言えるぐらいに成長したいと思います。

今はまだ演技が楽しいというより、食らいついている状態なので、これからもたくさん経験を積ませていただいて頑張りたいです。

――最後にあらためて作品の見どころを教えてください。

殺し屋が出てくるなど、ハラハラドキドキするシーンもたくさんあるんですけど、最終的に見終わった後、お客さんが自分自身の人生に思いをはせられるような作品になっているなと、台本を読んで感じました。

1人でも多くの方が、“自分が主役の人生”はこれからどういうふうに展開していくんだろう、とワクワクした気持ちで劇場を後にしていただけるように私たちも頑張りたいと思いますので、ストーリー展開や結末を楽しみに劇場にお越しください!

◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)

秋元真夏にインタビューを行った/※ザテレビジョン撮影