ネームシップの「アメリカ」とは外観も性能も大幅に異なるそう。

初代は第2次大戦中に空母として就役

アメリカ海軍は2023年12月2日、新型の強襲揚陸艦「ブーゲンビル」の命名式を実施したと発表しました。

「ブーゲンビル」は、アメリカ級強襲揚陸艦の3番艦として、ミシシッピ州パスカグーラにあるハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)のインガルス造船所で建造されており、2019年3月14日に起工し、2023年10月6日に進水しています。

アメリカ級強襲揚陸艦は、2022年現在、最新の強襲揚陸艦で、排水量は約4万5000トン、全長は約260mある空母形状をした大型艦です。ただ、1番艦「アメリカ」と2番艦「トリポリ」は上陸用舟艇や水陸両用車の発進・収容が可能な浸水式格納庫、いわゆる「ウェルドック」がなかったのに対し、海兵隊の要望などにより本艦ではそれが設けられるようになったため設計が大幅に改められており、艦橋(アイランド)形状なども先行する2艦とは異なっています。

そのため、「アメリカ」および「トリポリ」がフライト0というのに対し、「ブーゲンビル」はフライト1と呼ばれ、区別されています。

艦名は、第2次世界大戦太平洋戦争)中に日米で激戦が繰り広げられた南太平洋ソロモン諸島のブーゲンビル島に由来します。また、大戦中に建造されたカサブランカ航空母艦の46番艦に先んじて「ブーゲンビル」(1946年11月3日に退役)と名付けられていることから、本艦は2代目になります。

なお、アメリカ海軍の場合、命名式といっても事前に艦名が決まっていることが多いですが、この命名式が正式に艦名が決定する日であり、それまではあくまでも仮の艦名とのことです。

また、命名式以外に「洗礼式」と呼ばれることもありますが、これはキリスト教の洗礼と同じ意味合いで、大海原に乗り出す船に対して祝福と神のご加護を求めたことに由来するそうです。

「ブーゲンビル」は艤装などが順調に進めば、2024年に就役する予定です。

アメリカ海軍の最新強襲揚陸艦である「ブーゲンビル」(画像:アメリカ海軍)。