『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ

ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では「自身の働き方」について語った。

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★今週のひと言「スケジュール管理、経理など、すべてひとりでこなす理由」

俺は今、とんでもないスケジュールで動いている。これは何も、このコラムの締め切りに遅れていることを言い訳しているわけではない。いや、そんなわけではないこともない、かもしれない。週に一度、せいぜい1500字程度のこのコラムでさえ満足に締め切りが守れず、編集さんから再三の催促を受けてしまっているほど忙しいのだ。

仕事があるのは幸せだ、基本的には。だが、忙しすぎて首が回らないのはまた別の問題。忙しい自慢、寝てない自慢は見ていられないが、締め切りが守れない言い訳としてなら、ギリギリ見てもらえるかもしれない。

俺の今の仕事は、本業である音楽のLIVE。そこから派生したMCバトル。バラエティやコメンテーターとしてなどのテレビ出演。各種YouTubeへの出演。地元でのラジオ。さまざまな取材やCMなどの撮影。そして、それらの空き時間に行なうこの連載などの執筆や、個人的な楽曲の制作だ。

それらのスケジュール管理や調整、先方との打ち合わせ、経理なども含めてすべて自分ひとりで行なっている。われながら信じられない仕事量だ。本来の俺は怠け者で、前回までに語ったとおり、バイトや仕事のほとんどをクビになってきたような人間だ。

そんな俺が、各方面にこまごまとした迷惑をかけたりしつつも、なんとかやれている現状は奇跡的だ。もう1年ほど前から、こんなに忙しいのはたぶん今だけでそう長く続くわけでもあるまいと頑張ってきたが、それはうれしい誤算だった。

仕事量は増える一方で、現在いよいよ自分ひとりでなんとかできる限界に達している。と、いうことはだ。これ以上、物理的にも仕事を増やしようはなく、現状の仕事量に慣れさえしてしまえばいいのでは......と無理やりにでも楽観することで精神的なパンクを避けている。

テレビ仕事でタレントさんや番組スタッフさんなどからどこか芸能事務所に所属したり、せめて経理やスケジュール管理ぐらいは個人でマネジャーを雇って任せてみては、と勧められることも多い。

しかし、人を雇ったり使ったりというのは、自分で全部やる以上に難しい気がするのだ。どうせアホみたいに税金を払っているのでマネジャーぐらい雇うのは余裕だが、後々お金のことで揉めたり勘繰ったりするのはごめんだ。そして、一度他人にすべてを任せてしまったら、その後何かあったときにもう自分では何ひとつ把握できていない、なんて話もよく聞く。

というか、俺の家庭のことなんかはすべて嫁さんに任せきりで、まさにそんな感じだ。自宅のどこに何があるかもわからない。

なので、仕事ぐらいは忙しくとも自分で把握しておきたいのだ。幸い今はスマホが1台あればスケジュール管理ぐらいはなんとかなる。

というか、普通は皆自分でやっている。そして芸能事務所に関しては謙遜でもなんでもなく、どこからも声がかからない。やはり、ラッパーというのはHIPHOPの諸先輩方のおかげで敬遠されている気がする。ほかのどんなアーティストよりも逮捕リスクが高い。俺は自分で言うのもなんだが、行儀はいいほうだと思うが、なかなかそうは見えづらく、今はよくとも、いつかメッキが剥がれてボロが出ると思われてもいるんだろう。

最近では呂布カルマはタレントになっただのなんだの揶揄(やゆ)されることも増えたが、俺は現状どこの事務所にも所属しておらず、法人でもない。完全に個人で、仕事の依頼もSNSのDMや、直接自分宛てのメールで受けている。スーパー素人なのだ。

撮影/田中智久

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ