株式会社アイスタイル(代表取締役社長:遠藤 宗)は、2023年、生活者に支持されたコスメを総括する「@cosmeベストコスメアワード2023」(以下、ベストコスメアワード)を発表いたしました。また、昨年より新たに発足した「@cosmeトレンド予測部」が、売上動向やクチコミ、その他関連データからみえる意識変化と、美容プラットフォーマーとしての知見から今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測する「2024上半期トレンド予測」を同時発表いたします。

※2024上半期トレンド予測の詳細は本日発表のプレスリリースを参照ください。
https://www.istyle.co.jp/news/press/2023/12/1207-trend.html

■「@cosmeベストコスメアワード2023」とは

実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。 サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。

■「@cosmeベストコスメアワード2023」ハイライト

◆総評

◆発売から12年、昨年の掘り起こしバズから総合大賞へ

オルビス「エッセンスインヘアミルク」大賞受賞の背景

◆受賞商品やクチコミデータからみえるトレンド分析

ベストコスメアワード史上最多受賞数、コスメデコルテ大旋風!

話題となった”大谷売れ”の成功は「リアルさ」にある

※「@cosmeベストコスメアワード2023」受賞商品一覧は後述

◆総評

マスク着用任意から5類移行、変化の大きかった2023年

2023年は、3月にマスクの着用が任意となり、5月には新型コロナウイルス感染症感染症法上の位置付けが5類に移行するなど大きな変化がありました。

ベストコスメアワード集計対象期間中のクチコミでも、コロナ禍では大きく減少していた「旅行」「レジャー」というワードの出現率が戻りつつあり、昨年と比較すると1.5倍に増加しています。

様々な制限の解除によって日常が戻ってきた1年だった一方で、2023年11月に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート 」(以下、ユーザーアンケート)にて、半年前と比べたときの気持ちや行動の変化として当てはまるものを聴取したところ、全体の61.9%が『「漠然とした不安」を感じるようになった』と回答していました。この設問は定点で調査しており、前回5月の調査では、2022年11月調査との比較において不安感が減少していたのに対し、今回は14%増加しており、不安の揺り戻しがみられます。

その一因には、「物価高・円安」の影響がありそうです。昨年と比較して、「円安」というワードの出現率が1.3倍、「値上がりする」というワードは1.9倍に増加しています。

物価高の影響を受けて商品選択の見直しが起こると、生活者の消費傾向が低価格帯へシフトするように想像されますが、クチコミにおけるワードの出現率をみてみると、中価格帯の化粧品を表す「ミドルコスメ」や1万円を超える化粧品を表す「諭吉」というワードの出現率が増加しています。また、総合10位の顔ぶれをみてみると、7商品がデパートコスメであり、さらに7商品のうち3商品が1万円を超える「諭吉コスメ」であることから、決して低価格帯へのシフトが起きているわけではなさそうです。

2023年のベストコスメアワード受賞商品は、物価高の中でも価格帯に関わらず、「投資すべきものには投資したい」という生活者の強い意志から選ばれた商品だったのではないでしょうか。

◆発売から12年、昨年の掘り起こしバズから総合大賞へ

オルビス「エッセンスインヘアミルク」大賞受賞の背景

今年の総合大賞は、@cosmeベストコスメアワード創設24年の歴史の中でも非常に珍しいヘアケアアイテムが受賞となりました。

2011年に発売されたオルビス「エッセンスインヘアミルク」は、昨年、発売以来初となるベストコスメアワード受賞(ベストヘアケア 第1位)を果たし、今年ついに総合大賞受賞まで昇り詰めました。

本商品は、スキンケアの老舗ブランドであるオルビスのロングセラー商品でしたが、昨年SNSを中心に話題となったことで改めて注目を浴びて掘り起こされ、知名度・人気ともに大きく成長した「バズロングセラー※」商品です。

※「バズロングセラー」とは・・・

昨年のベスコス2022大賞受賞商品の特徴でもみられた新たな消費動向として

「バズ消費×ロングセラー」を掛け合わせ、@cosmeが創造したキーワード

https://www.istyle.co.jp/news/press/2022/12/1208-bc.html

発売当初からコンスタントにクチコミ投稿されてきましたが、2020年頃から増加がみられ、今年のクチコミ件数は昨年比較して5倍以上となりました。その勢いはクチコミだけでなく、販売実績にも反映されており、原宿駅前にある「@cosme TOKYO」の売上数をみてみると、昨年と比較して21倍と「爆売れ」し、2万点以上取り扱い商品がある中で、売上年間トップ10位入りを果たす人気ぶりです。

1.販路拡大で商品購入のハードルダウン

昨年の本商品のクチコミでは、「ドラッグストアに置いていなくて不便」といった声があがっていましたが、今年のクチコミでは「最近はドラッグストアでも買えるようになった」といった喜びの声がみられます。本商品のクチコミにおける「ドラッグストア」というワードの出現率も昨年と比較して3.5倍となっており、生活圏内で購入できることも支持拡大の重要なポイントになっているのではないでしょうか。また、今年5月には、男性顧客など化粧品店に入りにくい層のニーズにも応える無人販売店舗「ORBIS Smart Stand」のオープンも話題になりました。

参考記事:https://business.cosme.net/column/trend/20230801

このような様々な手法による販路拡大によって、商品購入に対するハードルが下がったことが大賞受賞に至った理由の一つと言えそうです。

<クチコミ抜粋>

  • オルビス店舗だけでなく、最近はドラッグストアやPLAZAでも買えるようになり、うれしいです

  • お値段もお手頃だし、ドラッグストアでも販売してるいるのでわざわざオルビスに行かなくていいのも助かります♪

2.飽きさせない販売戦略でリピーターの心を掴む

エッセンスインヘアミルクと同じアウトバスシリーズである「トリートメントヘアウォーター」とのセット販売や、人気キャラクター・スヌーピーとの限定コラボデザインボトルを販売をおこなう等、飽きさせないコミュニケーションも人気継続のポイントのようです。本商品のクチコミでは、これらの施策を行った時期にリピーター比率が上昇しており、昨年から約8ポイントも増加していました。飽きさせないコミュニケーションを実施したことで再購入に繋がり、新規顧客層の獲得と同時にリピーター層の拡大にも成功したのではないでしょうか。

3.人気は大人世代まで!使用年齢層の拡大

昨年、本商品のクチコミ内で多く語られていた購入きっかけは「SNS」でしたが、今年は「クチコミ」や「ランキング」が購入きっかけとして語られるようになりました。SNSでバズったことで、クチコミやランキングに入っている様子をはじめ、本商品に対する情報接点が拡大したことがうかがえます。

本商品のクチコミ投稿者の年齢分布をみてみると、昨年より40代以上が6ポイント増加しており、使用者の裾野の広がりがみられます。SNSというフィールドを飛び越えたことで、情報収集感度の高い若年層だけでなく、大人世代にも人気が広がり、使用年齢層の拡大へと繋がったようです。

4.「酷暑」による“さらさら”ニーズ増加

本商品の今年のクチコミ内で特徴的なフレーズ(昨年と比べて)をみてみると、昨年よりも使用感が「さらさら」であることが評価されていました。ワードの出現率でみても、昨年と比較して1.3倍に増加しており、さらさらニーズの高まりを感じさせます。

この「さらさら」に対する評価やニーズには、「酷暑」の影響がありそうです。

クチコミ全体において、「暑さ対策」というワードの出現率が5年前と比較して3.4倍、「滝汗」というワードも3.2倍に増加しており、ここ数年で「暑さ」を意識する生活者が増加していることがうかがえます。

本商品は湿度が高く、すでに気温も高かった梅雨時期の6月など夏場にクチコミ件数が増加しており、「さらさら」な仕上がりであることから、汗や湿気でべたつく時期に重宝されてたのではないでしょうか。

また、クチコミ全体では、「ヘアミルク」というワードの出現率が、昨年と比較して2.1倍に伸びています。「出現数」ではまだまだ「ヘアオイル」というワードの方がボリュームが大きいものの、出現率はここ数年横ばいであることから、ヘアミルクの急速な認知・ニーズの拡大を感じさせられます。

<クチコミ抜粋>

  • 仕上がりは全くベタつかず、指通りよくさらさらとまとまります。夏場はオイルだとベタついて困っていましたが、こちらはミルクなのでベタつく事もなくさらさらになって重宝しています。

クチコミからも「ヘアオイルではべたつく、重い」と感じていた方の支持があったとみてとれます。

本商品は、夏の時期に「トリートメントヘアウォーター」とのセット販売をすることによって、「(併せて使用すると)よりさらさらになる」といったクチコミもみられており、また、ベストヘアケア 第2位には、エッセンシャル「エッセンシャル ザビューティ ウォータートリートメント EXスムース」というウォータータイプの商品がランクインしています。このことから、酷暑が来年も続く場合、ヘアミルクのほかにウォータータイプのヘアケアアイテムにも注目が集まりそうです。

<クチコミ抜粋>

  • オルビス トリートメントヘアウォーター

    サラサラになっていい感じです。オルビスのヘアミルクと兼用するとより効果を感じられる気がします。

オルビス「エッセンスインヘアミルク」は、このように、生活者の心を掴み続ける要因がいくつも重なったことで、人気の勢いが衰えず、一過性ではない「バス消費」が続き、昨年の掘り起こしから“真のバズロングセラー”商品へと進化を遂げました。

■受賞商品やクチコミデータからみえるトレンド分析

ベストコスメアワード史上最多受賞数、コスメデコルテ大旋風!

話題となった”大谷売れ”の成功は「リアルさ」にある
今年のベストコスメアワード受賞商品のうち、コスメデコルテ商品がトータル13商品28部門受賞を果たしました。この結果は1ブランドの受賞部門数としては、創設24年の歴史のあるベストコスメアワードにおいて史上最多となります。スキンケアからベースメイク、メイクアップと様々なカテゴリの商品が受賞しています。

1.手の届くちょうどいい高級感

コスメデコルテは、いわゆる「デパートコスメ」に分類されるブランドでありながら、3,000円以下の「アイグロウジェム スキンシャドウ」(ベスト単色アイシャドウ 第1位、他)から、1万円を超える「リポソーム アドバンスト リペアクリーム」(総合 第2位、他)まで、幅広い価格帯の商品を取り揃えています。価格別賞でも「ハイプライス部門」、「ミドルプライス部門」の両方で受賞しており、どちらの価格帯も支持されていることがわかります。

また、2023年5月に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート 」(以下、5月のユーザーアンケート)にて、コスメデコルテのどんなところが好きかを聴取したところ、「私にはちょうどいい高級感もある!」、「高級感もあり、でも手に届きやすい価格の商品もあるところ」といった声があげられていました。

幅広い価格帯の商品ラインナップがありつつも、手に届くちょうどよい高級感があることで、若い世代から大人世代まで幅広い層を獲得することができ、最多部門数へと繋がったといえそうです。


<アンケートコメント抜粋>

  • 継続して購入できる価格帯、パッケージもシンプルで高級感があり良いと思う。

  • ボトルも可愛いし私にはちょうどいい高級感もある!

2.「リポソームシリーズ」が人気を牽引、強制されたわけではないゆるいライン使い

また、どんなところが好きかという回答には、「肌-合う」というフレーズが多くみられました。自分の肌に合う合わないがある化粧品だからこそ、自分の肌に合うと実感したことで、「自分を理解してくれている」「自分と似た視点を持っている」といったブランドへの共感に繋がったことがうかがえます。

特に、コスメデコルテの代表的なスキンケア商品である「リポソーム アドバンスト リペアクリーム」、「リポソーム アドバンスト リペアセラム」は、共に総合10位内にランクインしており、このリポソームシリーズがコスメデコルテ人気を牽引したことは間違いありません。

「リポソームを使ってから他の商品も使うようになった」といった声もみられており、まずは人気シリーズから入り、自分の肌に合ったことでブランドへの共感が生まれ、その他のコスメデコルテ商品の購買へとつながっていると想像されます。近年は、ブランドのライン使いはせず、様々なブランドを横断して使用する生活者が多いと思いますが、コスメデコルテにおいては、誰に強制されたわけもなく、気づいたらライン使いしていたという“ゆるいライン使い”が起きていそうです。

<アンケートコメント抜粋>

  • リポソームを使ってから商品の良さをしり、他の商品を使うようになり他の化粧水なども私の肌に合っており大好きです。

  • スキンケアやベースメイクなどは自分の肌に合っているような気がして、気に入っている。

    割と手に取りやすい価格帯のため、集めたくなる。

2.話題となった”大谷売れ”の成功は「リアルさ」にある

今年、コスメデコルテを語る上で欠かせない話題と言えば「大谷売れ」です。今年3月に「リポソーム アドバンスト リペアセラム」の広告モデルに野球選手・大谷翔平さんが起用されましたが、@cosme TOKYOでは「リポソーム アドバンスト リペアセラム」の売上数が、広告起用前の2月と比較すると3月は約1.4倍、4月は約1.5倍に伸長しました。

また、大谷翔平さんがInstagramに投稿したロッカールームの写真にコスメデコルテの商品が映っていたことも大きな話題を集めました。クチコミを分析してみると、@cosmeで「大谷買い」について言及されているクチコミのうち12%が、大谷翔平さんが「使用している」「愛用している」ことを購入理由にあげています。このような動きは他の商品のクチコミではみられず、リポソームシリーズの「大谷売れ」はCMやキャンペーンの効果だけではなく、「本人が使用している」というリアルさが大きな後押しとなったといえるのではないでしょうか。

<クチコミ抜粋>

  • コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム

    大谷翔平選手が使っているということで購入。

  • コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム

    色んな美容家の方が絶賛し、大谷翔平選手も使っていることから、

    今後も継続して使用し、今より肌の調子を整えていきたいです!

大谷翔平さんの広告起用は、美容に関心のない方も含めて老若男女問わず「リポソームだけは知っている」というほどの商品・ブランド認知の拡大に寄与し、さらに、リポソームシリーズのクチコミでは、「旦那と一緒に使っている」「夫が使いたいと言うので購入」「大谷選手に影響され夫が買っていた」といった投稿もされていることから、男性使用者の拡大に繋がったことがうかがえます。

コスメデコルテの担当者によると、主要百貨店における大谷選手の起用後のコスメデコルテブランド全体の男性新客は前年同期比約4倍、リポソーム アドバンスト リペアセラム男性新客は前年同期比 約7.5倍に増加したとのことです。

受賞商品から見えるその他のトレンドについては以下のよりご覧ください。

https://www.istyle.co.jp/news/press/2023/12/1207-bc.html

「@cosmeベストコスメアワード2023」受賞商品について

■集計方法

「@cosmeベストコスメアワード2023」とは 実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、 今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。 サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。

「@cosmeベストコスメアワード2023」は、みなさんのクチコミに加え、どのくらい注目された商品かなどを加味して、順位を決定しています。

集計対象期間: 2022年11月1日~2023年10月31日

集計対象クチコミ件数: 1,341,944件

集計対象アイテム数: 53,600アイテム

※下半期新人賞のみ 2023年5月1日~2023年10月31日に発売された商品を対象としています。

※複数のカテゴリにまたがりクチコミ投稿されている商品は、商品性質を考慮し、主たる1つのカテゴリに絞って集計しています。

※ @cosme SHOPPING ベストヒット賞は「@cosme SHOPPING」での販売実績をもとに順位を決定しています。

※ @cosme STORE ベストヒット賞は「@cosme STORE」「@cosme TOKYO」 「@cosme OSAKA」での販売実績をもとに順位を決定しています。

【総合】

2022年11月1日~2023年10月31日の間でメンバーから今年最も支持されたアイテム

その他の受賞商品については、以下よりご確認いただけます

https://www.cosme.net/bestcosme/

【株式会社アイスタイル 会社概要】 https://www.istyle.co.jp/ 東証プライム・コード番号3660

■所在地:〒107-6034 東京都港区赤坂 1-12-32 アーク森ビル 34 階

■設 立:1999年7月27日

資本金:54億6,700万

■代表者:代表取締役社長 遠藤 宗

■事業内容:美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営、関連広告サービスの提供

【お問合せ】  

株式会社アイスタイル エクスターナルコミュニケーション室  

■Email: istyle-press@istyle.co.jp

配信元企業:株式会社アイスタイル

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