一幕はグループの楽曲と事務所の先輩・後輩、外部アーティストまで幅広い楽曲のメドレー。ステージの周りに飾ってあるA.B.C-ZのCDジャケットが順々に照らされて幕が開く演出にワクワクが高まる。

グループの特色であるアクロバットパフォーマンスが楽しいデビュー曲「Za ABC~5Stars~」を皮切りに、ノンストップで次々に曲を披露していく。河合が好きな曲でメドレーを組んだと話していたが、5人の歌声を堪能できる楽曲からパフォーマンスの見応えが抜群な楽曲まで多彩だ。「恋降る月夜に君想ふ」(King & Prince)、「ブラザービート」(Snow Man)などは、後輩たちと一緒にキャッチーな振り付けを可愛らしく見せる。かと思うと戸塚がキレのあるダンスで魅せたり、橋本や塚田の温かい歌声が胸に響くナンバーでしっとりと聴かせたり。緩急のついた構成で飽きさせない。メドレーになることでそれぞれの曲の魅力や個性も際立っており、フルで聞いてみたいと感じるものも多くあった。

二幕はA.B.C-Zの楽曲をメインに、Go!Go!kidsやSpeciaLによるパフォーマンスも加えたメドレーを披露。セットの仕掛けや照明と歌唱やダンスの化学反応でクールに決める「OVERHEAT」、ペンライトを使って客席と一体になって楽しむ「花言葉」、映像を使ったシックで大人な雰囲気で魅せる「Vanilla」など、グループの魅力が詰まった曲が次々に歌われる。

今回はABC座史上最多の59曲ということもあってか、途中で歌詞を飛ばしてしまった塚田が「ごめんなさい!」と謝り、メンバーが笑ってツッコミを入れるハプニングも。緊張感がありつつ、和気あいあいとした雰囲気でゲネプロが進行していた。

さらに、五関がファー付きのローブをまとって玉座で歌い上げる「story of us」、河合がこれまでの映像とともに披露した「君の優しさ vs 僕の愛情」など、それぞれのカラーが出ているソロ曲も挟みながらラストに向けて盛り上げていく。

客席通路や2階席も使ってパフォーマンスを行うため、近い距離で5人の表情や歌声を楽しむことができるのも大きな魅力と言えるだろう。彼らが作り出す『ABC座』の世界とそれぞれの楽曲が持つ魅力に最初から最後までどっぷり浸かって楽しめるはずだ。本作は12月7日(木)より21日(木)まで、帝国劇場にて上演される。

取材・文・撮影=吉田沙奈